297.別行動
仕事が終わり、エレナとヒルダを迎えに行って家に帰ってきた。
「兄ちゃん、エレナちゃん、ヒルダちゃんお帰り!」
「「ただいま」」
「アヤ、なんか嬉しそうだな」
「だって! やっとテスト終わったんだよ!」
「そうか、つまり夏休みということか」
「そう!
な~つ~や~す~み~!!!」
夏休みに大喜びするアヤ……。
お前は小学生か。
「だから~
兄ちゃん、遊びに連れてって!」
「ナンシーたちの件があるからダメ」
「そ、そんな~」
「セイジ様、『日の出の塔』の攻略はどうします?」
「ナンシーたちの件があるからな~」
「兄ちゃん、私も『日の出の塔』行きたい。
私だけレベルが低いままだし」
うーむ、迷う所だ。
塔の攻略を進めないと、百合恵さんを元に戻せないし……。
(戻さなくてもいいとか言っちゃう人は、いないよね? ね?)
かと言って、攻略を進めている間に何かあっても困るし。
「セイジお兄ちゃん、
私は残ってめぐみさんの護衛をしたいです」
どうやらヒルダはめぐみちゃんと、だいぶ仲良くなったようだ。
よし! 決めた!
「ヒルダは、めぐみちゃんを、
アヤは、りんごを、
エレナは、ナンシーとナンシーママを護衛。
俺は、一人で『日の出の塔』を攻略してくる」
「兄ちゃんばっかり、ずるーい」
「アヤ、りんごはお前の友達だろ?」
「そ、それは…そうだけど……
レベル上げが……」
「レベル上げなんて、いつでも出来るだろ?
せっかく夏休みなんだから、りんごと舞衣さんと百合恵さんを誘って、どこかに遊びに行ったらどうだ?」
「う~ん、そうだね。
そうする」
「エレナは護衛対象が二人になっちゃうけど、
ママさんよりナンシー優先で護衛してくれ」
「はい、お任せ下さい」
「ヒルダは、護衛のついでにダンスと歌を練習するように、
レッスン代は俺が払うから」
「はい」
「え? なに?
ダンスと歌??」
アヤが食いついてきた。
「めぐみちゃんが悪い奴らに襲われてた時に、
ヒルダがダンスの力で、悪い奴らを追い払ったんだよ、
なー、ヒルダ」
「はい!」
「いいな~
私もダンス習ってみたい~」
「ナンシーたちの安全が確保されたら、みんなでダンスを習ってみよう」
「ほんと!?」
「ああ、
ダンスを習うと、踊りスキルをゲットできるから、
覚えておいて損はないだろう」
「マジ? それいい!
ヒルダちゃん、踊って見せてよ!」
「は、はい」
ヒルダは恥ずかしそうにうなずいて、
覚えたばかりの『回避の踊り』を披露してくれた。
ちなみに、床に音を遮るバリアをはっているので、
したの階の人に迷惑をかけることはない。
「わー、すごいすごい!
ヒルダちゃんステキ!!」
その後、アヤとエレナは、
夕飯の準備が出来るまで、ヒルダにダンスを教わっていた。
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翌日の土曜日、
俺達4人は別行動となった。
アヤは、舞衣さん、百合恵さん、りんごと待ち合わせをして映画を見に。
ヒルダは、めぐみちゃんとレッスンに。
エレナは、ナンシーの所へ。
ナンシーとナンシーママは、『ボルダリング』のジムに行くということだったので、エレナも同行させてもらうことになった。
『ボルダリング』とは、ロープを使わないフリークライミングのスポーツだ。
なんか楽しそうだな。
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みんなをそれぞれの所へ送り届けた後、
俺は、異世界へ飛び、
魔族の街の、マサムネさんの所へ来ていた。
「こんにちは~
刀、出来てますか?」
「おう、セイジ、出来ているぞ」
マサムネさんは、刀を持ってきてくれた。
「こいつの名前は『茶帯刀』だ」
白帯の次は黒帯かと思ったら、
茶帯か~
黒帯は、この後かな?
┌─<鑑定>────
│【茶帯刀】
│刀術を認められた証となる刀
│使用者の癖を吸収し、強くなる
│能力:【刃風】の威力上昇、
│ 属性を持つ魔物への攻撃力上昇
│レア度:★★★★
│試練:
│ 雷属性魔物討伐 0/30
│ 氷属性魔物討伐 0/30
│ 闇属性魔物討伐 0/30
│ 光属性魔物討伐 0/30
└─────────
なんか能力が増えてる。
『属性を持つ魔物への攻撃力上昇』か~
後で試し斬りでもしてみるか。
試練は、白帯刀の時と似た感じだが。
雷氷闇光になっていて、
討伐数も10から30に増えている。
まあ、これくらいなら、なんとかなるだろう。
俺は、マサムネさんにお礼を言って、
日の出の塔攻略に向かった。
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日の出の塔攻略は、45階からだ。
今までの階とはぜんぜん雰囲気が違くて、
金属製の壁の迷路の様な場所だった。
まるで宇宙船の船内のような感じだ。
壁を触ろうとすると、ビリっと強めの静電気が何度も発生する。
敵は、ものすごく強い『オーク』だった。
その『オーク』たちは、全員毛が逆立っていて、『スーパー███人』に進化した感じなのかな?
とりあえず、『スーパーオーク人』と呼ぶことにしよう。
茶帯刀は、ものすごい切れ味で、
『スーパーオーク人』たちを、どんどん切り刻んでいった。
俺は、【追跡用ビーコン】でみんなの様子をたまに確認しながら、塔を登って行き、
50階を踏破したところで、いったん休憩を取った。
『スーパーオーク人』は『雷』属性だったらしく、
茶帯刀の試練の、『雷属性魔物討伐』が、30/30でクリアになっていた。
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