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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
日の出の塔攻略編3
294/438

284.日の出の塔16階~

ふわふわと浮かぶ火の玉が、大量に襲ってきた。


「私がやります!」


 エレナが一歩前に出て魔法を使い始めた。

 エレナが水の魔法で作り出した雨は、『ジュッ!』という音とともに、火の玉を次々と消し去っていった。

 そして逃げ惑う火の玉たち。


 しかし、エレナの作り出した雨は、前に見た時ほどの威力がない。

 手加減でもしているのかと思ったのだが、どうやら違うみたいだ。


 おそらく天候系の魔法は、ダンジョン内より野外で使用した時のほうが、威力が増すのだろう。


 それでも、火の玉にとっては水が弱点ではあるらしく、道を塞いでいた火の玉たちは、あらかたいなくなり、

 少しだけ生き残った火の玉たちは、アヤとヒルダの消防車の放水の様な水攻撃で、撃退されていた。


 俺も、真後ろから襲ってきたのを数匹だけ白帯刀で真っ二つにして、

 俺たちは完封勝利を収めた。



「兄ちゃん、なんか下の階より弱かったね」

「まあ、俺たち全員水の魔法が使えるし、

 組み合わせによっては、そんなこともあるだろうさ」


 そんな事より、

 今の戦いで白帯刀の試練の『火属性魔物討伐』が10/10でクリアとなり、

 残す試練は、風と土が5ずつだけになった。

 まあ、試練の方は、ゆっくりやっていくかな。



 その後、俺たちは17階に登る階段を難なく見つけることが出来た。


~~~~~~~~~~


 17階に上がると、またまた雲海が広がっていた。


 しかし、今度は辺りが暗く、

 日が沈む瞬間のような雰囲気だ。


 スマフォで今の時間を確認してみると、まだお昼前。

 おそらく、この階特有の現象なのだろう。



 薄暗い中を進んでいくと……。


「あ! 雲入道!」


 3階下の14階でも現れた雲入道が、また現れた。

 しかし、14階の雲入道と、なにか様子が違う。



「この雲入道、黒くないか?」


 はじめは、辺りが薄暗いせいかと思ったけど、やはり違う。

 14階の雲入道は白かったが、

 ここの雲入道は、雨雲のように黒かった。


 【鑑定】してみると、『黒雲入道』という魔物らしい。

 安直な名前だな。



 俺たちが様子をうかがっていると、

 黒雲入道が、徐々に俺達の周りに集まりだした。

 そして、そのまま俺たちは、黒雲入道に囲まれてしまった。


「兄ちゃん、暗いよ」


 俺たちを取り囲んでいる黒雲入道に光を遮られ、辺りが余計に暗くなっていく。


 そしてついに、真っ暗闇になってしまた。



「私が火を灯します」


 ヒルダが魔法で火を灯してくれたおかげで、なんとか見えるようになったが、

 黒雲入道のせいで、20mほど先からが、まったく見えない。



 と、急にヒルダを狙った攻撃予想範囲が見え、

 俺はとっさに間に割り込んでバリアをはった。


ガキン。


 周りを取り囲む黒雲入道から黒い触手のようなものが伸び、バリアに当たった。


 黒い触手……。

 う、なんか嫌なトラウマが……。



 このままでは埒があかない。


「ヒルダ。俺が明かりを担当するから、ヒルダは攻撃を担当してくれ」

「はい」


 俺は、白熱電球魔法で辺りを照らし、

 ヒルダは炎で、まわりの黒雲入道に攻撃を開始した。



 雲入道と同じく、黒雲入道も炎が弱点らしく、包囲網に風穴が開いた。



 その後は、俺とエレナで防御しながら、ヒルダが攻撃を加えていき、

 なんとか黒雲入道を全滅させることが出来た。



 え? アヤは何をしていたかだって?


 黒雲入道に上を塞がれてしまっていて【ダウンバースト】が使えず、

 普通の突風とかでなんとかしようとしていたのだが……。


 風で黒雲入道を押しのけることは出来ても、ダメージは与えることが出来ず、

 すぐに元に戻ってしまう。


 そこでアヤは攻撃を諦め、光の魔法で辺りを明るくするのを手伝っていただけだった。


 活躍できなくて悔しがっていたが、そんなこともたまにはあるさ。



 黒雲入道を全て倒したが、魔石などは落とさなかった。


~~~~~~~~~~


 18階に登ると、そこは雪国だった。

 というか、雪山だった。


「今度は雪か~ 寒い~」


 なぜアヤは、いつも小学生並みの感想しか言えないのだろう。


 アヤたちは、自分たち用の【格納の魔石】からスキーウェアを取り出し、着替え始めた。

 着替えると言っても、今着ている服の上から重ね着をするだけだから別に大丈夫だよ?

 エレナとヒルダのスキーウェアは、昔アヤが着ていたもののお下がりだ。



 俺たちは、雪に足が沈んでしまわないように【氷の魔法】で足元をコントロールして、先に進んだ。



「あ、兄ちゃん、なにか居るよ!」

「ああ、魔物が隠れているみたいだ、

 みんな気をつけろ」

「「はい」」


 そして、雪の中からもこもこと現れたのは……。


 ちっちゃな雪だるまだった。

 そして、その雪だるまは、ふわふわと空中を漂っている。


 【鑑定】してみると『雪ん子』という魔物らしい。


「なにあれ! かわいい~」


 アヤが不用意に近づこうとすると――。

 雪ん子は攻撃を仕掛けてきた!



 まあ、攻撃と言っても、雪玉を投げてくるだけなんだけどね。


 あたっても痛くないし、

 スキーウェアを着ているから、濡れないし寒くもないし。

 全くもって、痛くも痒くもない。



 なんか、それしかしてこない雪ん子を倒すのは可哀想になってしまい、

 投げてくる雪玉をよけつつ、先を急ぐことにした。



 しばらく進んで行くと、俺たちに雪玉を投げてくる雪ん子が、だんだん増えてき始めた。

 うーむ、どうしたものか。


 そして、さらに進むと、俺たちは雪ん子に取り囲まれていた。

 流石にマズイか?



 俺たちを取り囲む100匹以上の雪ん子。

 そして、雪ん子たちは、俺たちのまわりで、なにやら踊りのようなものを踊り始めた。


 すると、静かだった雪山の天候が急転し、猛吹雪になってしまった。


「やっぱり倒すか」

「「はい」」


 アヤとエレナはヒルダの風よけになり。

 ヒルダは、炎で雪ん子たちを攻撃した。


 雪ん子は、ちょっと炎に当たっただけで、かんたんに溶けてしまう。

 ヒルダが雪ん子を全て倒しつくし、

 それと同時に、吹雪もおさまった。



「全部とけちゃいましたね」


 ヒルダは、少し悲しそうな顔を見せた。

 まあ、相手は魔物なのだから、しかたない。



「あ」


 アヤが何かに気がついて声を上げる。

 俺たちも、そちらを向くと……。


 さっき解けた雪ん子の跡から、ふたたび新しい雪ん子が誕生した。


 そして、性懲りもなく、また雪玉を投げてくる。


「しつこいやつだな~」


 俺たちは、また雪玉をよけつつ、次の階の階段を探し始めた。

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