259.日の出の塔11、12階
11階は、ジャングルの中だった。
そして、通路は濁った水が膝下まであり、左右はジャングルの木が壁のように密集して生えていた。
「ここを進むの?」
「そうみたいだな」
「服が汚れちゃうじゃん!」
「俺に言われても困る。
アヤは家で留守番してるか?」
「エレナちゃん、ヒルダちゃん、どうする?」
女子たちは、こそこそ相談を始めた。
まあ、家には簡単に戻れるし、ここから先は俺一人でも……
「じゃあ、そうしよう」
女子たちの会議が終わったみたいだ。
「で、帰るのか?」
「うんにゃ」
アヤは服を脱ぎ始めた。
またかよ!
俺はアヤのことは放っておいて、
恥ずかしそうに服を脱ぐエレナと
元気よく服を脱ぐヒルダを、一生懸命に観察した。
水着姿になった女子たちを引き連れて、
11階の探索を再開した。
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「きゃっ!」
「エレナどうした!?」
濁った水の中をしばらく歩いていると、
エレナが急に悲鳴を上げた。
地図を確認したが、近くに敵がいる様子はない。
一体どうしたというのだろう?
「な、何かが足をにゅるっと触りました」
「にゅるっと!?」
一体何なんだろう?
「エレナちゃんの足を触るなんて!
エロい魔物は私がやっつけてやる!」
アヤは、エレナの周りの濁った水の中を、
ガシガシとむちゃくちゃに踏んづけ回していた。
「地図上に反応がないから、魔物じゃないと思うぞ」
「そんなの関係ないね!」
アヤが踏んづけ回していると、
ヒルダも真似して、エレナの周りで楽しそうに踏んづけ回している。
「ぎゃ! 何か踏んづけた!」
「アヤさん、どこらへんですか?」
「きっと、あそこら辺!」
もう、大騒ぎである。
そして、悲劇は、起こった。
「きゃあ!」
また何かが足をニュルッと触ったのにびっくりしたエレナが、
驚いて転んでしまったのである。
そして、それを助けようとしたアヤとヒルダも、
いっしょに濁った水へ尻もちをついた。
「きゃあああ!!!」
絹を裂くようなエレナの叫び声。
「エレナ! どうした!!」
「何かぬるっとした長細いものが、
入ってきちゃいます!!」
「なにーーー!!」
急いで、エレナを抱きかかえ、水からだすと―
水着に頭を突っ込んでいる、
『うなぎ』が居た。
「なんだ、入ってくるって、
水着に挟まってただけか。
俺は、てっきり……」
なんでもないです。
俺は、うなぎをつかみどりして、エレナから剥がし、
凍りづけにしてからインベントリに入れた。
「びっくりしました」
「うなぎだったのか!」
それから、アヤは、うなぎを見つける度に、大騒ぎして捕まえたりしていた。
そうやってアヤのせいで時間がかかりながら進んでいくと、
やっと魔物の反応がある所へやってきた。
「ここは、魔物がいるから気をつけろよ」
「はーい」
そこは、少し広めの丸い形の部屋だった。
相変わらずひざ上まで、濁った水で満たされている。
にゅるー
突然、部屋の中央に大きめの『うなぎ』が首を出してきた。
「巨大ウナギだ!
美味しそう!」
「ばかアヤ、魔物だぞ、気をつけろ」
とは言っても、地下に居た巨大うなぎより、まだ小さい。
【鑑定】してみると―
『電気大うなぎ』と出た。
「電気うなぎだ、電気攻撃に気をつけろ」
「気をつけるってどうしたら良いの?」
うーむ、どうしたらいいんだろう?
「水に足をつけたままだと、感電するから、
水から上がったほうがいいんだけど……」
ピコン!
俺は、近くの水を【氷の魔法】で凍らせて、その上に乗った。
「どうだ! これで感電しないぞ!」
「おお!」
アヤたちも、俺の真似をして各自で氷を作り、その上に乗った。
「よし、このまま水を凍らせていって、アイツをやっつけよう」
「「はーい」」
俺たちは、丸い部屋の外側から、徐々に氷で固めていき、
最後に、寒さで弱った『電気大うなぎ』を凍らせ、
完封勝利を収めた。
「捕ったどー!!」
アヤは、大喜びで獲物を頭の上に掲げて叫んでいたが……
『電気うなぎ』って食べれるのかな?
結局11階は、通常のうなぎの他は
『電気大うなぎ』が1匹いただけで、他の魔物には合わずに階段まで辿りつけてしまった。
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階段をあがると、
12階は、『浜辺』だった。
「海だ!」
たぶん、幻の海なのだろう。
ちょうど海に、夕日が沈んでいく所だった。
そしてその『浜辺』には、
ひとででごった返していた。
「兄ちゃん、すごいひとでだよ」
「ああ」
……
あー、間違わないで欲しいのだが……
人出でごった返しているのではない。
ヒトデでごった返しているのだ。
『浜辺』には大量の『巨大ヒトデ』が、うじゃうじゃいた。
どうやら、アレが全て魔物らしい。
【鑑定】してみると、『エキストラ・ヒトデ』という名前らしい。
弱そう……
しかし、浜辺はヒトデで埋め尽くされていて、回避して通る事はできそうにない。
近づいてみると、『エキストラ・ヒトデ』が、水を噴射して襲ってきた。
「しかたない、倒すか!」
「おう!」「「はーい」」
『エキストラ・ヒトデ』は、水で攻撃したり、回転しながら飛んできたりの2種類に攻撃しか無く、簡単にどんどん倒せた。
しばらく倒し続けていると―
一匹だけ、大きさの違う、光り輝くヒトデが居た。
『スター・ヒトデ』と言うらしい。
少しは強そうだな。
様子をうかがっていると、『スター・ヒトデ』は、ものすごい光で輝きだした。
「眩しい!」
あまりの眩しさに、俺たちは目をつぶってしまい、
その隙に、周りにいる『エキストラ・ヒトデ』に、少し攻撃されてしまった。
「くそう!」
「痛ーい!」
攻撃を受けたのは俺とアヤだけで、
エレナとヒルダは、少し離れていたので大丈夫だった。
俺は、またあの光を使われる前に、倒すことにした。
『スター・ヒトデ』の裏に【瞬間移動】で移動し―
ズバッ!
白帯刀で真っ二つにしてやった。
ざまあみろ!
『スター・ヒトデ』が倒されると、
『エキストラ・ヒトデ』は、逃げるように海に帰っていった。
「兄ちゃん、いいもの見つけた!」
アヤが、倒された『スター・ヒトデ』の側で見つけたものは―
【変身魔石】というものだった!
なんだこれ!??
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