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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
257/438

247.写真集

「君たち、これは一体どういうこと?」


「セ、セイジ様!

 ち、違うんです!

 何もしていないのに、『プリンた』が勝手に……」


 PC関係の相談を受けた時のあるあるだよね「何もしていないのに」


 あと、『プリンた』ってなんだよ、

 プリンターとプリンは何の関係もないよ?



「それで、こんなになっちゃったと……」

「ご、ごめんなさい……

 『プリンた』も壊れてしまって……」


「え! プリンターが壊れた!?」

「ご、ごめんなしゃい……」


 エレナもヒルダも、小さくなってエグエグしている。

 しかし、たった一日でプリンターを壊してしまったのか?



 なーんだ。

 確認してみたら、ただの『インク切れ』じゃん。



 散らばってしまった写真を見てみるとー


 商店街のみなさんの写真。

 公園で遊ぶ子供たちの写真。

 道端で咲く小さな花の写真。

 ひっそりと(たたず)むお地蔵さんの写真。


 そして、いろんな場所で満面の笑みを浮かべる、エレナとヒルダの写真。



 いい写真ばかりで、

 写真集でも作りたくなってしまう程だ。



 そんな事を考えていると、

 エレナとヒルダが、俺のズボンに左右からすがりついて泣き出してしまった。



「エレナもヒルダも、泣かないでくれよ。

 大丈夫だよ、プリンターは壊れてないから」


「ホントですか!?」


 あーあ、エレナもヒルダも涙でぐちゃぐちゃだよ。



 それと君たち、あんまり俺のズボンを引っ張っちゃダメだよ。

 ずり落ちちゃう……



 俺がインクを交換すると、

 プリンターは、続きを印刷し始めた。


 これで全部じゃなかったのか!


----------


「ただいま~

 って! なにこれ!?」


 アヤが短大から帰ってくるなり、大量の写真が散らばっていて驚きまくっていた。


「エレナとヒルダが、間違って全て印刷しちゃったみたいなんだ」

「なるほど~

 そういうことって、よくあるよね」


 よくあってたまるか!



「あ、このエレナちゃんの写真かわいい!

 こっちのヒルダちゃんもかわいい!」


 アヤの登場で、すっかり写真鑑賞会になってしまった。


 さっきまで泣いてたエレナとヒルダも、楽しそうに写真を鑑賞している。



「エレナ、ヒルダ、

 二人にお話がある。聞いてくれ」

「は、はい……」


 二人は、しょんぼりとしている。

 怒られると思っているのだろう。



「もっと写真を撮ってきてくれないか?」

「え!?」


「兄ちゃん、そんなに二人の写真を撮ってきて、何に使うの?」


「それは……」

「それは?」



「写真集を作ってみようぜ!」

「『しゃしんしゅう』ですか?」


 エレナもヒルダも、あまり良く分かってないみたいだな。



「それで、どんな写真を撮ればいいんですか?」


「そうだな~

 いろんな衣装を着て、

 いろんな場所に行って、

 いろんなポーズで、写真を撮るんだ」

「は、はい、分かりました!」


 エレナとヒルダは了解してくれた。

 どんな写真が撮れるか楽しみだな~



~~~~~~~~~~


 翌日、仕事が少し暇になったので、エレナとヒルダの様子を見てみた。



 ……どうしてこうなった!?



 エレナとヒルダは、

 可愛らしい格好をして―



 プロのカメラマンに撮影されていた!



 レフ板を持っている人もいるし、

 メイクさんやら衣装さんやら、

 椅子を用意する人やら、飲み物を用意する人やらもいて、それなりの大人数だ。



 なにこれ!?



 あ、このレフ板を持ってる奴、

 和菓子屋の朴訥フェイスだ!


 よく見ると、カメラマンはカメラ屋のおじさんだし、

 他の人も、全員商店街の人達だ。



 俺は、トイレに行くふりをして、外でエレナに電話を掛けた。


『もしもし、エレナ』

『はい、エレナです。

 セイジ様、どうしたのですか?』


『エレナ、今商店街のみなさんと一緒にいるだろ?

 なんでそんな事になってるんだ?』

『え~とですね、写真の事を商店街のみなさんにお話したら、撮影に協力してくださるとおっしゃられて』


『そ、そうなのか…』

『頑張っていい写真を撮ってもらいますね!』


『う、うん、頑張って……』



 ど、どうしよう。

 ま、いいか……


~~~~~~~~~~


 さらに翌日の夜、家に帰ると―


 リビングにダンボールが2箱おいてあった。


「エレナ、このダンボールは何?」

「商店街の人達から、頂いたものです」


「一体なんだろう?

 開けてみてもいいかい?」

「はい」



 開けてみると―


 中には、ハードカバー、フルカラー印刷の豪華な『エレナの写真集』が100冊入っていた。


 ま、まさか!

 もう一箱は、『ヒルダの写真集』だった。



 なんじゃこりゃー!



 後から聞いた話によると、

 商店街総出で写真集づくりに取り組み。

 商店街裏の印刷工場の社長を脅し…頼み込んで、

 たった1日で印刷と製本までやらせ…頑張ってもらったそうだ。


 かわいそうな印刷工場の社長さん……



 写真集の中身を確認してみると―


 撮影場所は、近所の場所が多いものの、

 さすがプロが撮っただけのことはある、素晴らしい出来だった。


「うわー、エレナちゃんもヒルダちゃんもキレイ!!

 私も写真集撮ってもらおうかな~」


「アヤの写真集なんて、誰がもらってくれるんだよ」

「私の写真集だって、欲しい人がいるかもしれないでしょ!」


「うーん、ロンドだったら欲しがるかもな」

「ロンドって誰だっけ?」


 かわいそうなロンド……



 そして、エレナとヒルダの写真集は、

 家に届いた100冊ずつとは別に、

 商店街の各店に10冊ずつ配られたそうです……



 本来なら、商店街の勝手な行動に怒るところだけど、

 エレナとヒルダの素晴らしい写真集に免じて、今回だけは許してやろう。


ご感想お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] その内エレナとヒルダの日本の居住権を 取ったら設定はエレナは東欧の魔女の家系の出で 実家が教会とトラブって日本に逃げて来たと言う 設定で難民申請をしよう!魔女と言っても 所謂白魔女で日本で言…
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