244.黒い部分と白い部分
女の子たちの残り物を美味しく頂いた後、みんなでくつろいでいると―
百合恵さんが急に立ち上がって、こう言い出した。
「みなさんに見ていただきたいものがあります」
「なんだい百合恵くん、急にあらたまって」
百合恵さんは、少し迷っていたが、
何かを決心したようにうなづき……
ゆっくりと……
百合恵さんが、自分のスカートを少しつまみ上げた……
「ゆ、百合恵くん!?」
そして……
百合恵さんのスカートの中から、
真っ黒な……
俺とエレナは、とっさに戦闘態勢を取った。
「兄ちゃん、エレナちゃん、急にどうしたの?」
「え?」
「百合恵くん、その黒いのはなんだい?」
「なにこれ~」
気が付くと、舞衣さんとアヤが百合恵さんのスカートの下を覗き込んでいる。
攻撃は……
してこないのか……
そうだよね。
それは、触手ではなかった。
しかし、黒とは……
しかも、なんで黒い下着を見せたがるんだ?
変態性が戻ってきているのか?
「百合恵さん、これなあに?」
「わからないんです、気がついたらこうなってて、
外れないんです」
ん? 外れない?
下着じゃないのか?
「お兄さんも、見てみなよ」
「あ、ああ」
俺は、舞衣さんに促されて、百合恵さんのスカートの下を覗き込んだ。
そこには、
太ももがあった……
そして、その太ももに、真っ黒な帯状のものが巻き付いていた。
「真っ黒だな」
この黒さ、どこかで見たことがあるような……
しかしなんだろう?
金属? プラスチック?
いや、百合恵さんの太ももに『ぴったりフィット』しているから、布みたいなものか?
俺は【鑑定】してみた。
その黒いものに、【鑑定】の魔法が当たった瞬間、拡散されて打ち消されたような感じがあった。
あ、これ!
あの『黒い盾』と同じものか!?
おかしい。
ステータスで呪いは無いことを確認している。
なのに、なぜ、これが外せないんだ?
「ちょっと触ってみてもいいですか?」
「は、はい」
「兄ちゃん、変な所触ったりしたらダメだからね!」
「わーってるよ」
一瞬、手触りが肌かと思ったが……
柔軟性があるが、金属の様な感じがする。
厚みが若干あって、腕輪みたいなものか?
足につけてるから『アンクレット』って言うんだっけ?
この黒い部分、肌にくっついてしまっているようで、びくともしない。
おそらく、悪魔族に付けられたのだろう。
百合恵さんに付けられた記憶がないことから見て、寝ている最中に付けられたのだろう。
寝ている女子の太ももにいたずらするとか……
うらや…万死に値する。
「これが外せなくて痛いとか、そういうのは大丈夫なんですか?」
「はい、大丈夫です。
まるで着けてないみたいに、なんともないんです」
なんか、下着のキャッチコピーのようだな。
なんともないなら、ひとまず安心だけど……
しかし、【鑑定】が無効化されてしまうとなると、俺では手に負えない。
異世界に行ったら誰かに相談してみるか。
ビュート様なら、なにか分かるかもしれない。
「あのー、もうそろそろスカートをおろしてもいいですか?」
「いや、もうちょっと」
この黒い部分はどうにもならんが、周辺部分はどうだろう?
俺は、黒い部分より上の部分に着目してみた。
やはりそうだ、黒い部分から上の方に目を向けると、
そこには白い部分が現れた。
こちらの白い部分は、絹のような肌触りで布的なものである事は明白だ。
ん?
こちらの部分は、肌にくっついてしまってはおらず、隙間に指を入れることが出来るぞ!
「あの~、お兄さん?」
今それどころではない、白い部分は、隙間に指を入れることができ、
さらに、引っ張ることでズルっと、ずらすことが出来るではないか!
ズル、ズル。
いいぞいいぞ! このまま行けば、外すことが……
「兄ちゃん!!」
バキッ!!
アヤの『飛び膝蹴り』が、俺の顔面にめり込んでいた。
俺が摘んで引っ張っていた白い部分は、DTがおいそれと触れてはいけない、不可侵領域だった……
薄れゆく意識の中で……
俺に向けられる女の子たちの白い視線が、深く俺の心に突き刺さっていた。
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翌朝、全員で朝のワイドショーを見ながら朝食をとっていた。
昨日はりんごも泊まったので、さらに大人数だ。
「まだ、テレビで百合恵さんの事をやってる」
「まいったな~ これじゃあ百合恵さんは、いつまでたっても短大にいけないな」
「それなら、私に任せて」
りんごが、急に立ち上がった。
「じゃじゃーん!」
りんごは、自分のバッグから服やウィッグを取り出した。
なるほど、変装するということか!
「ムリムリ、私にはそんなお嬢様っぽい服なんて着れないよ」
確かに、以前の百合恵さんには絶対に似合わないお嬢様風の服だ。
しかし、異世界から戻ってきて性格が変わってしまった百合恵さんだったら……
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女子たちは、アヤの部屋に篭ってワイワイとやっていた。
そして、部屋から出てきたのは、見知らぬお嬢様だった。
「どう、ですか?」
お嬢様は、恥ずかしそうに俺の前でクルッとまわってみせた。
誰これ?
ご感想お待ちしております。




