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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
245/438

235.黒い女

あけましておめでとうございます


 俺とエレナが王都につくと……


 様子がおかしい。



 街が静まり返っているのだ。



 マップを確認すると、赤い点が一つ、黄色い点も一つ、

 どちらも城に向かってゆっくり移動している



「セイジ様!」


 エレナの声の方に視線を向けると、

 女の子が一人、道端に倒れていた。


 駆け寄って女の子の様子を見ようとしたのだが―


 女の子だけではなく、

 街中に倒れている人がいる事に気がついた。


「なんだこれは!?

 どうなっているんだ??」



 夕暮れに染まる街並み、

 大通りには、おびただしい数の人々が、

 倒れて身動き一つしていない。



「セイジ様! 大丈夫です。

 寝ているだけです」


 寝ている!?

 もしかして、全員そうなのか!!?



 エレナは、【起床】の魔法を使って女の子を起こした。


「……あれ? お姉ちゃんだれ?」


 寝ていた女の子は、目を覚ました。



「私はエレナ、あなたは何故こんな所で寝ていたの?」

「えーっと……

 たしか……

 真っ黒い服の女の人が道を歩いてて、

 黒い霧みたいのが辺りを包んで……

 その後のことは…覚えてない……」


 おそらく、その黒い霧がみんなを眠らせたのだろう。


 しかし、その黒い服の女の人って、いったい何者なのだろう?

 マップ上に表示されている赤い点か黄色い点のどちらかが、その女性なのだろうか?



「エレナ、おそらく犯人だと思われる者が、城に向かって移動している。

 追うぞ」

「城に!? お父様が危ない!」


 俺たちは女の子と別れて、城に向かった。


~~~~~~~~~~


 城の中も、眠った兵士たちが、そこかしこに転がっていた。



「お前は何者だ!」


 謁見の間の外に到着すると、中から王様の声が聞こえる。



 扉を開けて中に押し入ると―


 王様の目の前に、二人の女性がいた。



「セイジ! よく来てくれた。 早く助けろ!

 エレナは危険だから逃げるんだ!」


 助ける気が失せる……



『あれ~? まだ誰かいたのかな~??』


 女の一人がそういいながら振り返った。

 あれ?? 今のなんか変じゃなかったか?


 振り返った女は、真っ黒な服装に般若のようなお面を付けていた。

 角も2本生えている。


 2本の角は、本物なのか面に付いてる偽物かは、よく分からない。


 もう一人の女性は、般若の女の後ろに隠れてコソコソしている。

 おそらく黒い服の女が主犯なのだろう。



『あれ~? なんで私の夢の中にアヤちゃんのお兄さんが出てくるの~??』


 ん!!?

 『アヤちゃんのお兄さん』だって!!?



 ここに来て、さっき感じた違和感の正体に気がついた。


 この女の喋っている言葉……

 日本語だ!


 と言うことは……


『百合恵さんなのか?』

『そうだよ~ 百合恵だよ~

 あ、エレナちゃんもいる~

 あけましておめでと~』


 やはり百合恵さんか!

 しかし、しゃべり方がおかしい。

 まるで酔っ払っているかのようだ。


『なぜ、あけましておめでとうなんですか?

 今は6月ですよ?』

『あれ? そうだっけ?

 てっきりお正月だと思っちゃった~』


 やはり、様子がおかしい。

 もしかして何か魔法とかで操られているのか?


 【鑑定】してみれば分かるかも。



 俺は、そう考えて、般若の面をつけた百合恵さんに向かって【鑑定】の魔法を使ってみた。



 !?


 百合恵さんの後ろに隠れていた女性が、いきなり俺と百合恵さんの間に割って入り、

 【鑑定】の魔法を、怪しげな盾で防いでしまった。


 何だアレは!


 その女性の盾は、真っ黒でツヤがない感じの、よく分からない素材で出来ていて、

 【鑑定】の魔法が当たったにもかかわらず、鑑定は出来なかった。


 魔法が当たった瞬間、拡散されて打ち消されたような感じがあった。

 おそらく、魔法をキャンセルさせるような代物なのだろう。



『あら~ 子猫ちゃん、私を守ってくれたのね~

 後で、ペロペロしてあげる~』


 百合恵さんは、盾を持った女性にそんな事を言っているが、

 日本語で喋っているので、おそらくあの女性には意味が通じていないのだろう。



『百合恵さん、正気に戻って下さい。

 一緒に日本に帰りましょう』

『いやよ~

 せっかく面白そうな夢なんだから、

 もっと楽しまなくっちゃ』


『夢じゃないですよ! 現実ですよ!』

『あはは~ こんな変なことが起きてるのに、現実のわけないじゃない~』


 だめだ、百合恵さんは、完全に夢だと思っている……



『そうだ! せっかくエレナちゃんも出てきてくれたから、いいことをヤッちゃいましょう!』


 ヤバイ、ものすごく、やばいよ感がする。



 百合恵さんが、自分のスカートを少しつまみ上げると―


 百合恵さんのスカートの中から、

 真っ黒な触手が何本もうねうねと湧き出てきた。


「ひぃ!」


 エレナは恐怖のあまり、短く悲鳴をあげて、

 俺の後ろに隠れた。


『エレナちゃーん、逃げなくていいのよ~

 痛くしないから~』



 俺は、心の底から―

 百合恵さんを怖いと感じていた。


今年もよろしくお願いします

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