020.雷のマナ結晶
「【雷のマナ結晶】への拝観料は、お一人様『10ゴールド』になります」
「ふぁっ!? や、安い!!」
「どうしますか拝観しますか?」
受付のおじさんも、やる気がなさ気だ。
「どうして、こんなに安いんですか?」
「それはですね、利用する人がほとんど居ないからですよ」
「人気がないんですか?」
「まあ、拝観しても【雷の魔法】は、誰も授かれないですし。万が一授かったとしても、【雷の魔法】は役に立たないからねー」
「役に立たないんですか?」
「今までに【雷の魔法】を授かった人は、たった一人しか居ないんだけど、その人がやっと授かった【雷の魔法】は、ちょっとピリッとするだけの使い所のない魔法だったそうだよ」
「なるほど~」
「どうします? 拝観しますか?」
「二人共、どうする? エレナは10歳の時はここも拝観したのか?」
「いいえ、ここは来ませんでした」
「じゃあ、三人で拝観するか」
「私もですか?」
「まあ、10ゴールドだし。一緒に拝観しようぜ」
「はい」「はーい」
それは、10m程の高さがあり、ピラミッドの高さの比率を5倍にしたような形をしていた。
地面に突き刺さっているようにも、角が生えているようにも見える。
表面は金属のような光沢があるが、若干の透明度もあり、後ろが透けて見えている。
「これはすごいな」
「でしょ~」
妹よ、なんでお前が自慢げなんだ?
「でも、こっちのは黄色いんだ」
「【風のマナ結晶】は、色が違ったのか?」
「うん、あっちのは緑色だった」
「エレナ、他の【マナ結晶】も色が違うのか?」
「はい、火は赤、風は緑、水は青、土は茶色、回復魔法はピンク、肉体強化は灰色でした」
「色とりどりなんだね」
そんな話をしつつ、俺達3人は【雷のマナ結晶】に触れた。
すると、【雷のマナ結晶】がうっすらと輝き、光が俺とアヤの体に入っていった。
『【雷の魔法】を取得しました。
【雷の魔法】がレベル5になりました。』
「やった、【雷の魔法】ゲットだ!」
「え、ほんと!?」
「セイジ様、すごいです!」
「多分アヤも覚えてるはず」
「そういえば、また光が入ってきてた」
「アヤさんもすごいです、私はやっぱりダメだったみたいです」
「まあ、エレナは【雷】とは無縁な生活をしてたんだし、仕方ないよ」
「でも、セイジ様とアヤさんは【雷】と関係のある生活をしていたんですか?」
「【雷】というかー、【電気】製品は身の回りにいっぱいあったからかな」
「【でんき】ですか?」
「俺の家に来た時、明かりや、【電気ポット】とか色々な道具を見ただろ? あれらに【電気】が使われているんだ」
「あれに【雷】が入っていたんですか!?」
「【雷】じゃなくて【電気】だよ。【雷】のうんと弱い物って感じかな」
「なるほど~、それでセイジ様とアヤさんは【雷の魔法】を覚えられたんですね」
「たぶんね」
「所で、私はどんな魔法を、使えるようになったの?」
「そういえば、まだ【鑑定】してなかったな」
┌─<ステータス>─
│名前:丸山 アヤ
│職業:高校生
│状態:(言語一時習得)
│
│レベル:1
│HP:100
│MP:140 (+30)
│
│力:8 耐久:7
│技:11 (+2) 魔力:14 (+3)
│
│スキル
│【風の魔法】
│ (レベル:1、レア度:★)
│
│【雷の魔法】★NEW
│ (レベル:2、レア度:★★★★)
│ ・電撃発生
│ ・電撃コントロール
└─────────
アヤの【雷の魔法】レベルは2か。
あれ? MPが+30、魔力が+3されている。
【雷の魔法】を習得したことで上がったのかな?
使える魔法は【電撃発生】と【電撃コントロール】か。
発生させて、コントロールするって感じかな?
続いて、俺のステータスを確認。
┌─<ステータス>─
│名前:丸山 誠司
│職業:SE
│
│レベル:10
│HP:247
│MP:3277 (+1000)
│
│力:24 耐久:24
│技:124 (+50) 魔力:328 (+100)
│
│スキル
│【時空魔法】
│ (レベル:MAX、レア度:★★★★★)
│
│【情報魔法】
│ (レベル:MAX、レア度:★★★★)
│
│【雷の魔法】★NEW
│ (レベル:MAX、レア度:★★★★)
│ ・電撃発生
│ ・電撃コントロール
│ ・電気分解
│ ・落雷
│ ・雷精霊召喚
│
│【体術】
│ (レベル:2、レア度:★★)
│
│【剣術】
│ (レベル:1、レア度:★)
└─────────
MPが+1000、技が+50、魔力が+100されてる!
レベル5の魔法を習得すると、1種類につきMPが+1000、魔力が+100されるのかな? 技が+50なのはオマケか?
ステータスの値を見る限りだと、そんな感じだ。
後、気になるのは【雷精霊召喚】だ。
これは、なんかヤバイ魔法な気がする。
ご感想お待ちしております




