表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
232/438

222.アスクレピオスの杖⚕

オーバーラップWEB小説大賞、二次選考通過しました(⌒▽⌒)

 俺たちは、何とか復旧した宿屋に優先的に泊めてもらった。


 そして翌日、

 宿屋の女将さんが作ってくれた朝食を食べていた。

 食材は、昨日アヤたちが取ってきた魔物の肉がメインだった。



「エレナ姫様、みなさん、おはようございます」


 ビュート様が、数名のシスターさんを引き連れて、こんな朝早くに、わざわざ訪ねて来た。


「ビュート様、おはようございます。

 こんな朝早くにどうなさったんですか?」

「エレナ姫様に回復の神殿に来ていただきたいのです。

 もちろん、朝食がお済みになりましたらで結構です」


 一体なんだろう?

 まあ、回復のマナ結晶も参拝したかったし、丁度いいか。


----------


 俺たちは朝食を終え、ビュート様に導かれて回復の神殿へ向かっていた。



「そういえば、ビュート様。

 俺たちが捕まえてきた悪魔族たちは、どうなるんですか?」

「あの者たちは、公開処刑されることになりました」


 うむ、あれだけの被害をだしたのだから、当然の報いなのだろう。



 そんな話をしながら、

 例の崖崩れ現場を通り、回復の神殿に到着した。


----------


 回復の神殿の前には、60人のシスターさんが勢揃いしていた。

 ほんと、一体何があるんだ?



「エレナ姫様、この度はエビスの街のために色々とご尽力いただき、本当にありがとうございました」


 エレナは、姫様らしく堂々と微笑んでいる。

 こういうところは、さすが姫だな。


「そして、

 我々回復魔法師一同で話し合った結果、

 この【アスクレピオスの杖】を、

 エレナ姫様に、譲与することにしました。

 受け取っていただけますか?」


「「えー!!」」


 あれって、かなり重要なものじゃなかったのか?


「そんな大事なものを、受け取れません」


 エレナもいきなりの事に腰が引けている。



 ビュート様は、エレナにゆっくり近寄り、

 そして語り始めた。


「この【アスクレピオスの杖】は、

 代々、回復魔法を極めたものが受け継いできました。

 私は、この杖を受け継ぎ、回復魔法を極めたと自惚れていました。

 しかし! 昨日(さくじつ)、エレナ姫様が街の人々の傷を癒やす姿を見て確信しました。

 私の回復魔法は、エレナ姫様の足元にも及びません。

 私は、この杖を自分が持っていることが恥ずかしくてならないのです。

 エレナ姫様に【アスクレピオスの杖】を譲ることは、ここにいる回復魔法師の総意です。

 どうか、お受取り下さい」


「しかし、私は旅をする身です。

 私がこの杖を受け取ってしまえば、杖はこの街から離れてしまいます。

 それでもいいのですか?」

「はい、重々承知しています」


 よほど意志が固いのだろう。

 ビュート様は、エレナを真っ直ぐ見つめている。



「分かりました、お預かりします」


 エレナがそう告げると、ビュート様はニッコリ微笑んだ。


----------


 場所は、回復の神殿の中、マナ結晶が安置されているドーム状の部屋。

 シスターさん達が整列し、見守る中、

 ビュート様からエレナへ、【アスクレピオスの杖】の譲与式がとり行われていた。


 エレナは式典用のドレスに着替え、まるで天使のようだ。



 厳かに儀式的なものが行われ、

 【アスクレピオスの杖】が、エレナにゆっくりと手渡された。


 そして、エレナが受け取った杖を、ほんの少し掲げた―

 その時だった!



 【アスクレピオスの杖】が、ゆっくりと光りだした。


 ん? エレナが何か魔法を使うのか?

 いや違う。エレナも、その光に驚いている。


 しばらくして、その光は消えてしまったが、

 どうもエレナの様子が変だ。


 何もない空中を、目で追っているのだ。

 よく見ると、ビュート様や周りのシスターさんも、同じように何かを目で追っている。


 なんだ? 何かが居るのか??



「あの光はなんだろうね」


 横で見ていた舞衣さんも、何かが見えているみたいだ。

 アヤとヒルダには見えていない。


 俺、アヤ、ヒルダには見えなくて、

 エレナ、ビュート様、シスターさんたち、舞衣さんに見えるもの……

 魔法的な何かか?



ピコン!


 そうか!

 回復魔法の精霊だ!



 しばらくするとエレナは、見えない何かとなにやら会話をしている。

 ビュート様にも聞こえているみたいだ。

 やはり、精霊みたいだ。


 ヤバイ、精霊ってことは、契約のために戦う事になるんじゃないのか?



 しばらくするとエレナは、両手を広げて何かを受け入れようとしている。

 そして、何かをギュッと抱きしめるようなしぐさをしたかと思ったら!


 エレナの体が光り始めた。


 え?

 もしかして、精霊と契約が完了した?

 戦わないの??


 もしかして、回復魔法の精霊だから特別に戦いがないのかな?



 俺は、式の最中だというのに、エレナのもとへ駆け寄った。


「エレナ、もしかして回復魔法の精霊と契約したのか?」

「はい、セイジ様。

 精霊様が、お友達になってくださいました」


 良かった、戦う羽目にならなくて。



「エレナ姫様……

 やはり貴方は……

 回復魔法を極めていらっしゃったのですね……」


 ビュート様は、わなわなと震え、

 その場で跪き、エレナを拝み始めた。


 まあ、天使のようなエレナを拝みたくなる気持ちは、よーく分かる!



「ビュート様、一つ魔法を使ってもよろしいですか?」

「はい、なんなりと!」


 エレナが何の魔法を使おうとしているかは分からないが、

 ビュート様が、エレナを崇拝し始めている?



 エレナが【アスクレピオスの杖】を掲げて魔力を込め始めた。

 杖が光り出し、

 ピンク色の優しい光が、球状に広がっていく。


 光は、俺たちを飲み込み、部屋全体を満たし、さらに外へと広がっていく。


 次の瞬間、体の中から力が湧いてくるのを感じた。

 なんだこれは!?


 俺自身を【鑑定】してみると―

 『状態:回復精霊の加護』となっていた。


「エレナ、これは一体……」

「精霊様にお願いして、この街全体を精霊様の加護で包んでもらいました。

 この街の中であれば、体力、魔力、傷などが、徐々に回復していくそうです」


「エ、エレナ、そ、それはどれくらい効果が続くの?」

「1週間ほど続くそうです」


 しゅ、しゅごい……

 おしっこちびりそう……



「エレナ、【鑑定】してもいい?」

「はい」


 エレナを【鑑定】してみると―



 あれ? 見間違いかな?

 もう一度確認してみよう……


 おかしい……


 何度見ても……



 エレナの回復魔法のレベルが……



 『7』……。


 に、なってる……




 『7』ってなんだーーー!!!!


ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ