222.アスクレピオスの杖⚕
オーバーラップWEB小説大賞、二次選考通過しました(⌒▽⌒)
俺たちは、何とか復旧した宿屋に優先的に泊めてもらった。
そして翌日、
宿屋の女将さんが作ってくれた朝食を食べていた。
食材は、昨日アヤたちが取ってきた魔物の肉がメインだった。
「エレナ姫様、みなさん、おはようございます」
ビュート様が、数名のシスターさんを引き連れて、こんな朝早くに、わざわざ訪ねて来た。
「ビュート様、おはようございます。
こんな朝早くにどうなさったんですか?」
「エレナ姫様に回復の神殿に来ていただきたいのです。
もちろん、朝食がお済みになりましたらで結構です」
一体なんだろう?
まあ、回復のマナ結晶も参拝したかったし、丁度いいか。
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俺たちは朝食を終え、ビュート様に導かれて回復の神殿へ向かっていた。
「そういえば、ビュート様。
俺たちが捕まえてきた悪魔族たちは、どうなるんですか?」
「あの者たちは、公開処刑されることになりました」
うむ、あれだけの被害をだしたのだから、当然の報いなのだろう。
そんな話をしながら、
例の崖崩れ現場を通り、回復の神殿に到着した。
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回復の神殿の前には、60人のシスターさんが勢揃いしていた。
ほんと、一体何があるんだ?
「エレナ姫様、この度はエビスの街のために色々とご尽力いただき、本当にありがとうございました」
エレナは、姫様らしく堂々と微笑んでいる。
こういうところは、さすが姫だな。
「そして、
我々回復魔法師一同で話し合った結果、
この【アスクレピオスの杖】を、
エレナ姫様に、譲与することにしました。
受け取っていただけますか?」
「「えー!!」」
あれって、かなり重要なものじゃなかったのか?
「そんな大事なものを、受け取れません」
エレナもいきなりの事に腰が引けている。
ビュート様は、エレナにゆっくり近寄り、
そして語り始めた。
「この【アスクレピオスの杖】は、
代々、回復魔法を極めたものが受け継いできました。
私は、この杖を受け継ぎ、回復魔法を極めたと自惚れていました。
しかし! 昨日、エレナ姫様が街の人々の傷を癒やす姿を見て確信しました。
私の回復魔法は、エレナ姫様の足元にも及びません。
私は、この杖を自分が持っていることが恥ずかしくてならないのです。
エレナ姫様に【アスクレピオスの杖】を譲ることは、ここにいる回復魔法師の総意です。
どうか、お受取り下さい」
「しかし、私は旅をする身です。
私がこの杖を受け取ってしまえば、杖はこの街から離れてしまいます。
それでもいいのですか?」
「はい、重々承知しています」
よほど意志が固いのだろう。
ビュート様は、エレナを真っ直ぐ見つめている。
「分かりました、お預かりします」
エレナがそう告げると、ビュート様はニッコリ微笑んだ。
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場所は、回復の神殿の中、マナ結晶が安置されているドーム状の部屋。
シスターさん達が整列し、見守る中、
ビュート様からエレナへ、【アスクレピオスの杖】の譲与式がとり行われていた。
エレナは式典用のドレスに着替え、まるで天使のようだ。
厳かに儀式的なものが行われ、
【アスクレピオスの杖】が、エレナにゆっくりと手渡された。
そして、エレナが受け取った杖を、ほんの少し掲げた―
その時だった!
【アスクレピオスの杖】が、ゆっくりと光りだした。
ん? エレナが何か魔法を使うのか?
いや違う。エレナも、その光に驚いている。
しばらくして、その光は消えてしまったが、
どうもエレナの様子が変だ。
何もない空中を、目で追っているのだ。
よく見ると、ビュート様や周りのシスターさんも、同じように何かを目で追っている。
なんだ? 何かが居るのか??
「あの光はなんだろうね」
横で見ていた舞衣さんも、何かが見えているみたいだ。
アヤとヒルダには見えていない。
俺、アヤ、ヒルダには見えなくて、
エレナ、ビュート様、シスターさんたち、舞衣さんに見えるもの……
魔法的な何かか?
ピコン!
そうか!
回復魔法の精霊だ!
しばらくするとエレナは、見えない何かとなにやら会話をしている。
ビュート様にも聞こえているみたいだ。
やはり、精霊みたいだ。
ヤバイ、精霊ってことは、契約のために戦う事になるんじゃないのか?
しばらくするとエレナは、両手を広げて何かを受け入れようとしている。
そして、何かをギュッと抱きしめるようなしぐさをしたかと思ったら!
エレナの体が光り始めた。
え?
もしかして、精霊と契約が完了した?
戦わないの??
もしかして、回復魔法の精霊だから特別に戦いがないのかな?
俺は、式の最中だというのに、エレナのもとへ駆け寄った。
「エレナ、もしかして回復魔法の精霊と契約したのか?」
「はい、セイジ様。
精霊様が、お友達になってくださいました」
良かった、戦う羽目にならなくて。
「エレナ姫様……
やはり貴方は……
回復魔法を極めていらっしゃったのですね……」
ビュート様は、わなわなと震え、
その場で跪き、エレナを拝み始めた。
まあ、天使のようなエレナを拝みたくなる気持ちは、よーく分かる!
「ビュート様、一つ魔法を使ってもよろしいですか?」
「はい、なんなりと!」
エレナが何の魔法を使おうとしているかは分からないが、
ビュート様が、エレナを崇拝し始めている?
エレナが【アスクレピオスの杖】を掲げて魔力を込め始めた。
杖が光り出し、
ピンク色の優しい光が、球状に広がっていく。
光は、俺たちを飲み込み、部屋全体を満たし、さらに外へと広がっていく。
次の瞬間、体の中から力が湧いてくるのを感じた。
なんだこれは!?
俺自身を【鑑定】してみると―
『状態:回復精霊の加護』となっていた。
「エレナ、これは一体……」
「精霊様にお願いして、この街全体を精霊様の加護で包んでもらいました。
この街の中であれば、体力、魔力、傷などが、徐々に回復していくそうです」
「エ、エレナ、そ、それはどれくらい効果が続くの?」
「1週間ほど続くそうです」
しゅ、しゅごい……
おしっこちびりそう……
「エレナ、【鑑定】してもいい?」
「はい」
エレナを【鑑定】してみると―
あれ? 見間違いかな?
もう一度確認してみよう……
おかしい……
何度見ても……
エレナの回復魔法のレベルが……
『7』……。
に、なってる……
『7』ってなんだーーー!!!!
ご感想お待ちしております。




