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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
時空魔法と情報魔法編
23/438

019.風のマナ結晶

「【風のマナ結晶】への拝観料は、お一人様『4500ゴールド』になります」


「ふぁっ!? お金取るのかよ!しかも高い!!」


「兄ちゃんどうしたの?」

「お一人様『4500ゴールド』だって」

「すいません、私の時は、付き添いの方が全てやってくれていましたので、お金がかかるなんて知らなくて」


「兄ちゃん、今いくら持ってるの?」

「えーと、今持ってるのは…… 8890ゴールドだ」

「二人分にあと110ゴールド足りないじゃない!」

「お前たちが服をあんなに買うから」

「セイジ様、す、すいません」


「「エレナは悪くない」」


 また、アヤとセリフが被ってしまった。


「一人だけなんだったら、当然俺だな」

「なんでよ!」

「この金は俺のなんだぞ! 俺が行くに決まってんじゃん」


「兄ちゃんはもう魔法使えるでしょ! ここは、かわいい妹に譲るべきでしょ!」

「そうだな~ お前が俺の奴隷になって、何でも言うことを聞くって言うなら、譲ってやらんこともないぞ」

「なんで私が、兄ちゃんの奴隷にならないといけないのよ!」

「じゃあ、俺が行くってことで決定だな」

「ぐぬぬ!」


「あのー、セイジ様」

「なんだいエレナ、エレナももう一度【風のマナ結晶】に触ってみたいか? エレナが行きたいなら、今回はエレナでもいいよ」

「いえ!

 私はもう触ったことが有るので結構です。

 それより、アヤさんに行かせてあげてくれませんか?」

「エレナちゃん、大好きー!

 ほら、エレナちゃんも私が行くべきって、言ってるじゃない!」


「どうして、アヤに行かせたいんだい?」

「あんなに行きたがっていますし、かわいそうです」

「やっぱりエレナちゃんは、私を愛してくれているのね! チュ~してあげる!」

「やめなさい!」


 暴走するアヤにチョップを入れつつ、俺は頭をポリポリかいた。


「セイジ様の奴隷でしたら、私がなりますから」

「ちょっ! 待て待て!」

「ダメよエレナちゃん! こんなダメ兄ちゃんの奴隷になんかなったら、全裸にされて、あんな事やこんな事をされちゃうわよ! 兄ちゃんの変態!!」

「誰が変態だ! エレナもそんな事、軽々しく言っちゃダメだ!」

「す、すいません。で、でも……」

「わかったよ、アヤに譲るよ。だからエレナはもう二度と、あんな事言っちゃダメだぞ」

「はい、分かりました」


「兄ちゃん、ありがとー、チューしてあげる」

「遠慮しときます!」



 アヤが【風のマナ結晶】を拝観しに行って30分ほどで帰ってきた。


「凄かった」

「【風のマナ結晶】どんな感じだったんだ?」

「えーとね、地面から生えてる感じで、金属っぽくもあり、宝石っぽくもあって、凄くキレイで、凄く大きかった」

「よく分からんが、魔法は覚えられたのか?」

「わかんない」

「わかんないって…… 頭のなかで『魔法を覚えた』とかのメッセージが聞こえなかったか?」

「そんなのは聞こえなかった。でも、なんか、光が体の中に入ってきたよ」

「よく分からんけど、魔法を覚えられたかどうか【鑑定】してみようか?」

「うん、【鑑定】してして!」


「じゃあ、行くぞ。【鑑定】!」


┌─<ステータス>─

│名前:丸山(まるやま) アヤ

│職業:高校生

│状態:(言語一時習得)

│レベル:1

│HP:100

│MP:110

│力:8 耐久:7

│技:10 魔力:11

│スキル

│【風の魔法】

│ (レベル:1、レア度:★)

│ ・風コントロール

└─────────


 なんか職業が『高校生』になってる。

 短大の入学式が、まだだからかな?



「【風の魔法】はレベル1だけど覚えてるぞ。【風コントロール】って奴だ」

「やったー! 【風コントロール】すぐ使ってみたい!!」

「まてまて、こんな所で魔法なんて使ったら、周りの人に迷惑だろ」

「じゃあ、町の外に行こう! 【風の魔法】で魔物退治してみたい!」


「いやいや、魔物退治になんて行かないし! それより【雷のマナ結晶】も行ってみようぜ」

「そうか【雷のマナ結晶】もあったか。雷と風を操るナゾの美少女魔法戦士……いいね」


 中二病を再発させた妹は、ほっておいて。


 まあ、どうせ拝観料を払えないけど―

 とりあえず、行ってみるだけ行ってみよう。



「【雷のマナ結晶】への拝観料は、お一人様『10ゴールド』になります」


「ふぁっ!? や、安い!!」


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― 新着の感想 ―
すでに妹がウザすぎて辛い 妹とはいえ、舐められすぎ なろうの妹は、こんなのばっかりですね
[一言] セイジも阿呆だな自分だけで行って 魔石に監視の魔法を掛けて誰もいない時を見計らって アヤを転移で連れて行けば良いのに! 転移の魔法は一般的でないので レジストはしてないでしょう?
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