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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
226/438

216.来ちゃった

「おはよう」

「舞衣さん、いらっしゃい」


 土曜の朝、いつもの異世界出発の時間だ。

 今週も舞衣さんが、俺たちに同行する。

 それは、舞衣さんのお爺さん、つまり先代の魔王様に認めてもらうため、そして自分自身を鍛えるためだ。



 しかし……

 舞衣さんを招き入れようとしたその時、

 視界の端に、影のようなものが微かに動いたようなそんな気がした。


「ん?」

「お兄さん、どうかしたのかい?」


「いや、何かが動いたような気がしたんだけど……

 気のせいだったみたいだ」



 俺がそう言った途端!

 舞衣さんが床を蹴って飛び出した。


「舞衣さん!?」


 舞衣さんは、ものすごい勢いで非常階段の方へ飛んで行く。

 一瞬何が起きたかわからなかった俺も、急いで舞衣さんを追いかけた。


----------


「舞衣さん、一体何が?」


 舞衣さんを追って非常階段に出てみると……


 舞衣さんが、黒い影を取り押さえていた。



「いたたた。部長、痛いですよ~」


 黒い影の正体は……


 百合恵さんだった……



「来ちゃった❤」


「来ちゃったって……

 なんで、百合恵さんが居るんですか!?」


「私に内緒で、部長とお出かけするつもりだったんですか?

 私の部長と……」


 なんか、百合恵さんの目が怖い……



「舞衣さん、百合恵さんに話しちゃったんですか?」

「そんなわけ無いだろう」


「えへっ、部長を尾行(ストーカー)しちゃった❤」


 うわ、ドン引きだ。



「ボクに気づかれずに尾行するとは、百合恵くんも腕を上げたな」

「部長に褒められちゃった」


 もしかして、いままでも尾行されたことがあったのかな?



「部長は、私というものがありながら、

 お兄さんに会いに来てたんですね!」


「何を言っているんだい!

 ボクのお爺さんの事で、アヤくんやお兄さんに手伝ってもらっているって言っただろう?」


「いいえ! さっき部長がお兄さんにあった時、

 メスの顔をしていました!

 私には分かるんです!!」

「なんだい! メスの顔って!!」


 うーむ、どうしよう……

 激しく面倒くさい状況になってしまった。



「百合恵さん」

「何ですか!」


「コレを上げますから、今日の所は勘弁して下さい」


 一か八か、物で釣ってみる。


「なんですかコレ!

 こんな物で私は釣られ……

 って、部長も同じのを身に着けてる!!

 おそろい? おそろいなんですか!!?」


 俺が百合恵さんに渡したのは、【身代わりの首飾り】だ。

 もともと、百合恵さんに買ってきたものだし。

 コレで釣れたら万々歳なんだが……



「こ、こんな、お揃いのネックレスごときで、

 つ、釣られたりなんか、ししし、しないですよ!」


 うーむ、釣られないか……


「仕方ない、明日ボクが君の家に泊まりに行くから、今日の所はカンベンしてくれよ」

「ぶぶぶぶ、部長が!!!???

 わたわたわた、私の、う家に、ととと泊まりに!!!??」



 舞衣さんの尊い犠牲によって、事態は解決し、

 百合恵さんは、鼻血を垂らしながら、子犬のしっぽのように手を振って去っていった。

 2日掛けて舞衣さんのお出迎えする準備をするのだという。



 やっとのことで、百合恵さんから開放され、

 舞衣さんを家に招き入れた。


「お兄さん、百合恵くんが迷惑を掛けたね」

「いえ、でも泊まりに行って、本当に大丈夫?」


「なにがだい?

 まあ、百合恵くんも淋しがりやだからね~」


 まあ、百合恵さんの事は舞衣さんにまかせておこう。



 百合恵さんのこともあるし、舞衣さんが異世界に行けるのは今回で最後かもしれないな。

 今週中に全てのマナ結晶を参拝してしまおう。


 そんな事を思いつつ、俺達は異世界へ飛んだ。


~~~~~~~~~~


「リルラ、来たぞ」

「お帰りなさい、セイジ!!」


 リルラは、俺の手をとると、頬を染めてニッコリ微笑んだ。

 ん? なんか態度が変だな?



「そう言えば、リルラ、毎晩のように夜に……」

「バカ、皆がいる前でその話は!」


「ん?

 筋力トレーニングしていることは内緒だったのか?」


「き、筋力…トレーニング?」



「しかしリルラ、あまり激しいトレーニングは良くないぞ!

 寝る前なんだから、もうちょっと軽めにしておけよ」


「と、と、とれ、トレーニング!!?

 じゃあ、セイジのあの、鼓動は…

 オ……じゃなくて……」


 リルラは、急に顔を真赤にして、

 となりの部屋に逃げ込んでしまった。



 一体、リルラのやつどうしちゃったんだろう?

 体の調子でも悪いのかな?


----------


 しばらくして、顔を真赤にしたままのリルラが、うつむきながら、おずおずと出てきた。


「リルラ、大丈夫か?

 夜中にトレーニングばっかりしているせいで、体でも壊したんじゃないのか?」

「ち…ちが……

 お願いだ、もうその事は、忘れてくれ……

 たのむ……」


 しまった、トレーニングしてたことは内緒だったのかな?

 悪い事しちゃったな。



「それじゃあ、悪魔族の件の話を聞かせてくれ」


「ああ、とりあえず、3箇所で悪魔族が発見された」

「もう発見されたのか」


「今までも潜入されて何かをされていたのかもしれない。

 とりあえず、発見されたのは……

 ニッポ、イケブと、ここシンジュの街だ」


 イケブとシンジュは予想してたが、ニッポは予想外だな。



 リルラの話によると以下の通りだそうだ。


●シンジュの街

 街なかで怪しいフードの者を発見。

 兵士がフードを取って顔を見せるようにと命令したが、命令を無視して逃亡。

 警備の兵士全員で捜索したが、見つからなかった。



●イケブの街

 冒険者が、街の近くの森で、複数の悪魔族を発見。

 冒険者が、悪魔族に襲われ、交戦状態に陥る。

 冒険者の一人が負傷し、劣勢に。

 他の冒険者が、助けに入る。

 悪魔族は撤退してしまい、見失う。



●ニッポの街

 冒険者が、街の近くの森で、悪魔族らしき者を発見。

 深追いせず、街に戻って報告。

 悪魔族捜索隊が結成され、森を捜索するも発見できず。



 こんな感じらしい。

 とりあえず、たいした被害は出てなくてよかった。


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