183.日の出の塔地下4階ボス戦2
安全地帯の岩が壊されてしまった。
だ、大丈夫だ、まだ手はある。
先ずは、【床石投げ飛ばし攻撃】の対応だ。
避けながら、遠距離攻撃で反撃を試みる。
1回目、【電撃】。
敵に当たった後、電気がゴーレムの体から地面に流れていってしまう感覚があり、ゴーレムのHPはほとんど減っていなかった。
次に、【右ストレート】を避け、カウンターで斬りつける。
「あ、武器に魔力を込めるの忘れてた!
俺、どんだけテンパってたんだ……」
2回目、【水の魔法】。
理由は分からないが、空気中の水蒸気がなかなか集まってこない。
攻撃に時間がかかりすぎるので、却下。
同じ理由から【氷の魔法】も却下だな。
また来た【右ストレート】に、魔力を込めた試練の刀で斬りつける。
ズバ!
お、いい感じに斬れた。
通常の3倍位はダメージを与えられた感じだ。
3回目、【刃風】
攻撃は当たったが、普通の攻撃の半分くらいのダメージしか与えられなかった。
他を考えてみるか。
ゴーレムは【全方位石つぶて】の構えに入った。
今回は、攻撃を捨てて防御に専念しよう。
床に手をついて【土コントロール】で床を変形させて、壁を作る作戦だ。
しかし、床は……
びくともしなかった。
「なんでだ!!」
おそらく、ここの床は、ゴーレムのコントロール下にあるのだろう。
なにせ、【土の魔法】のレベルは俺よりアイツのほうが上だしな……
「マズイ!」
俺は、一所懸命に安全地帯を探した。
そして、無慈悲に射出される【全方位石つぶて】……
「危なかった……」
俺は、間一髪のところで、安全地帯に逃げこむことが出来た。
それは何処かって?
ずっと目に入ってた場所なんだけど、なんで気が付かなかったんだろう?
それだけ、俺がテンパってたって事だよな。
その場所は、中央の『柱』の陰です。
この『柱』なら、流石に壊されたりしないだろうし。
壊さないよね?
ちゃんとした安全地帯を見つけて、ひと安心した俺は、インベントリから和菓子を取り出し、MPを回復させた。
「よし、反撃するぞ!!」
【右ストレート】を躱して、カウンターで斬りつけ。
【床石投げ飛ばし攻撃】は、投げ終わりに【瞬間移動】で背後に移動して、背中を斬りつけ。
【全方位石つぶて】の準備に入ったら、無防備なところを斬りつけ。
結局全部、魔力を込めた試練の刀で斬りつけてるだけじゃん。
そして、【全方位石つぶて】が始まったら中央の柱に隠れて一休み。
「最初は、テンパッてダメダメだったけど、結構楽勝じゃん。
もう何も怖くないな!」
しかし、ゴーレムのHPが1/4を切った時だった。
物凄い、地響きとともにゴーレムが地団駄を踏みはじめた。
そしてゴーレムは、体全体を真っ赤にして襲ってきた。
スピードが早くなっている!
【右ストレート】が【ワンツーパンチ】に変化している!
しかし、なんとか避けてカウンターを叩き込む。
ズバ!
あれ? なんかゴーレムの体が若干やわらかい?
激おこモードになって、スピードが上がった分、防御が下がっているのかな?
【床石投げ飛ばし攻撃】は、岩を右手と左手で1個ずつの合計2個投げてきている!
しかし、【瞬間移動】で裏に移動するだけなので、問題なし。
【全方位石つぶて】の準備段階に入ったので、メッタ切りにしていく。
ズバズバ斬れて気持ちいいな。
すると、【全方位石つぶて】の準備の途中でゴーレムがブルブル震え始めた。
あれ?
また違う攻撃をしてくるのかな!?
少し距離をとって観察していると……
ゴーレムの体が、ボロボロと崩れ始めた!
いったい何が起こるんだ!?
『レベルが49に上がりました。
【土の魔法】がレベル5になりました』
「へっ!?」
あ、倒したのか!!
「やったー!! 倒したーー!!
しかし【土の魔法】何故上がったんだ??」
俺の独り言に、誰かが返事をした。
『それは、オレが説明してやろう』
「だ、誰だ!!?」
すると、崩れたゴーレムから30cm位の小さい女の子が現れた。
「精霊…… なのか?」
「ああ、そうさ、オレは『土精霊』だ」
そいつは、道路工事でもしてそうな感じの、ポニテの女の子だった。
ってか、こいつ、オレっ娘かよ。
「召喚の魔法なんて使ってないぞ!?」
「今回は特別だ」
『土精霊』は、そう言うと、俺にデコちゅーをしてきた。
『【土の魔法】がレベル6になりました』
「えぇーーーー!!!!?」
「これで契約成立だ」
「どういう事だよ!!?」
「さっきのゴーレムには、オレが力を貸していたからな。
つまり、精霊契約の戦いで勝てる実力があるとみなすってことだ」
「なるほど……」
「そんじゃあ、これからよろしくな!」
『土精霊』はそう言うと、俺の体の中に入っていってしまった。
「マジかよ!」
~~~~~~~~~~
いきなりの『土精霊』登場にビビってしまったが―
さっきの戦闘で体中傷だらけだ。
ゴーレムの戦利品を調べたら、さっさと帰ろう。
ゴーレムを形成していた岩を取り除くと、魔石があった。
┌─<鑑定>────
│【大地の魔石】
│周囲の土地が肥沃になり
│植物の成長を促進させる
│魔力を込めると効果が上がる
│レア度:★★★★★
└─────────
レア度、最大!?
これヤバくない!!?
魔石をジロジロ見ていると―
ガタンッ!
後ろの方から、何か音が聞こえた。
まだ何かあるのか?
振り返ると、中央の柱に石の扉が現れ、ギギギと開いていく。
近づいて中を覗いてみると―
柱の中が空洞になっていて、上に向かう螺旋階段があった。
「よかった。これで上に行ける」
周りを見てみると【戦闘空間保護バリア】も解除されていた。
俺は、階段を見つけた安心感からか、どっと疲れが出てきて、【瞬間移動】でエレナたちの待つ、宿屋に戻った。
なんか大変な戦いだった……
ご感想お待ちしております。




