181.日の出の塔地下4階
『龍うなぎ』を倒し、部屋の奥の一段高くなっている場所に、下に降りる階段があった。
胴長を脱ぎ、スニーカーに着替えて、地下4階に向かって階段を降り始めた。
さっきから階段を降りているのだが……
なんだか、嫌な予感がする。
この階段、磨かれたようにツルツルなのだ。
「階段が、変形して滑り台になっちゃったりして……」
まさかね。
階段を途中まで降りた所で、俺は、次の一段を、進めなくなってしまった。
「次の一段、絶対に罠が作動する」
俺の【警戒】魔法が、それを知らせていた。
……
かと言って、この階段を降りる以外の道は無い。
俺は恐る恐る、次の段に足を乗せた。
ガクンッ!
何かが動く音がして―
予想通り、階段が滑り台に変形した。
「ですよね~」
俺は、【土の魔法】で足元の摩擦力を強化して、滑ってしまわずにその場に留まっていた。
しかし結局は、この滑り台を降りる必要がある。
どうしようかと考えていると―
上の方からガラガラという音が聞こえてきた。
「なんだろう?」
その音は、巨大な岩が転がり落ちてくる音だった。
「なんという、ベタな展開だ!!」
俺は、迫り来る岩を背に、滑り台を駆け下りていった。
どれくらい、走っただろう。
岩はまだ後ろから追いかけてきている。
次の瞬間、足元がスカッと空を切った。
「へ!?」
なんということでしょう。
滑り台が途中で切れていて、俺は空中に投げ出されてしまった。
「マズイかも!」
俺は自由落下しながら、状況把握に全力を傾けた。
下はドーム球場のような広さの空間が広がっていて、もうすぐ下の石の床にぶつかってしまう。
俺は、自分自身に【肉体強化】魔法を掛けた後、【土の魔法】で衝撃を軽減する準備に集中し、地面との激突に備えた。
ドスーン!!
着地とともに、【土の魔法】で衝撃を分散させたが―
殺しきれなかった衝撃が、全身を駆け抜けた。
「痛てぇー!!」
落下の衝撃で、両足が痺れてしまっていた。
俺は、しびれた両足を無理やり床から剥がすと、
全力で前にジャンプし、転がった。
ドオォーーン!
その直後、俺のいた場所に、さっきまで俺の後ろを転がって来ていた岩が落ちてきた。
「ひー」
俺は、額の汗を拭った。
~~~~~~~~~~
やっと冷静さを取り戻した俺は、あたりを見回してみた。
そこは、野球場を一回り大きくしたような空間で、周りに64本の柱が等間隔に丸く並んでいた。
しかしその柱、5本ほどが下に届いておらず、宙ぶらりんの状態になっている。
手抜き工事かな?
空間の中央にも大きな柱が立っていて、その近くに……
巨大な石像が立っていた。
あれが、この階のボスか?
まあでも、他の敵は居ないし、一匹のほうが戦いやすいか。
しかし、他の階とあからさまに雰囲気が違う。
もしかして、やっと一番下にたどり着いたのかな?
~~~~~~~~~~
俺は、恐る恐る石像に近づいてみた。
すると、石像はクッと顔を上げ、目が怪しく光った。
そして、それと同時に地下空間の一番外側の壁の下から、光るバリアの様なものが現れ、地下空間全体を半球状に包み込んでいった。
「何だアレは!?」
その光るバリアの様なものを【鑑定】してみると―
┌─<鑑定>────
│【戦闘空間保護バリア】
│衝撃を外に出さないバリア
│解除されるまで、脱出不可
└─────────
「脱出不可!?」
俺は、試しに【瞬間移動】をしようとしたが―
バリア内部へは使えるが、外への移動が出来ない!
これはヤバイ!
これは、全力で戦わなければ!
先ずは、敵の【鑑定】だ。
┌─<ステータス>─
│種族:大地のゴーレム
│
│レベル:50
│HP:23,486
│MP:3,791
│
│力:558 耐久:737
│技:225 魔力:225
│
│スキル
│ 土5、肉体強化5
│ 体術5
└─────────
ヤバイ、ヤバ過ぎる!
レベルが俺より高く、
力と耐久は、俺の2倍近い!
HPに至っては5倍だ!
俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……
……
嘘です!
DTのまま死ねるか!!
俺は、【肉体強化】魔法、【クイック】などをフルに使い、ボスに向かって駆け出した!
塔が傾いてしまわないか、心配です。
ご感想お待ちしております。




