152.ヒルダ ☆
俺達は、ロンドの治めるニッポの街にやって来ていた。
何故かと言うと、ロンドが来て欲しいと言っているそうなのだ。
一体何の話だろうか?
「こんにちは、
ロンドに呼ばれてきたんですが、会えますか?」
「なに!?
あ、これはセイジ殿、お待ちしておりました」
館の門番にも話が通っているらしく、すんなり通してくれた。
「おう、よく来たなセイジ、エレナ様、
そして…アヤさん!」
こいつまだアヤを狙ってるのかよ。
「で、話ってのはなんなんだ?」
「あ、話があるのは俺じゃなくて、
魔法使い部隊の面々だ」
「魔法使い部隊?
そう言えば、ロンドの部下だったんだっけ。
で、彼女らは何処に居るんだ?」
「ミーシャは、この館にいる。
おそらくメイドの控室だろう。
カサンドラは、シンジュの街。
レイチェルは、このニッポの街の西に新しく出来る『村』の予定地に居るはずだ。
それぞれに会いに行ってくれないか?」
「みんなバラバラに行動しているのか……
ところで、ヒルダは?」
「ヒルダ? ああ、あの奴隷か。
魔法使い部隊の面々が知っているんじゃないか?」
ヒルダ、そういう扱いなのか……
まあ、仕方ないけど。
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俺達は、ミーシャに会いに、メイド控室にやって来た。
「すいません、ミーシャさんいますか?」
「あ、セイジ、よく来たね」
そこには、メイド服を着たミーシャさんがいた。
「いやー、あんたには世話になったね。
私たちに褒美を与えるように、王様に進言してくれたそうじゃないか。
おかげで、私も貴族様だよ」
「貴族? 貴族になったんですか?」
「まあ、一番下の『準貴族』だけどね」
「それは、おめでとうございます。
でも、貴族なのに、メイドなんですか?」
「うふ❤ ロンド様のお世話をしたいからって、私からお願いしたのよ」
「それで、メイドなんですか……」
「そして、この悩殺メイド服で、いつかロンド様を悩殺してみせるの!」
ミーシャさんのメイド服は、胸元が大胆に開いたデザインで、悩殺の名にふさわしい一品だった。
「ところで、俺に話があったのでは?」
「あー、そうそう、ヒルダの事で話があるから、
レイチェルのところまで行ってあげてくれない?」
「レイチェルさんは、ニッポの街の西の村でしたね、
ヒルダはレイチェルさんの所にいるんですか?」
「ああ、そうだよ」
「分かりました、行ってみます」
俺達は、ニッポの街の西の村へ、向かった。
~~~~~~~~~~
ニッポの街の西の村へは、
一人で【電光石火】で走って行ってから、
アヤとエレナを迎えに戻り、
改めて【瞬間移動】でもう一度向かうという、
面倒くさい行き方になってしまった。
「すいません、レイチェルさんに会いに来たのですが、どちらにいますか?」
村の予定地?で、土木作業をしている人に尋ねてみた所、仮設テントの中に居るとのことなので、行ってみることにした。
「レイチェルさん、居ますか?」
「お!? 誰かと思ったら、新入り…じゃなくてセイジじゃないか。もう訪ねて来てくれたのか、早いな」
「所で、ヒルダは何処に居るんですか?」
「ああ、裏で作業をしてるんだ。
おい! ヒルダ! こっちに来な」
「は、はい!」
テントの裏の方から声が聞こえ、ヒルダが現れた。
ヒルダは俺の顔を見ると、一瞬嬉しそうな顔をした。
「レイチェル様、お呼びでしょうか?」
「ああ、ちょっと話があるから、お前も一緒に居な」
「はい」
ヒルダがレイチェルの横に来ると、レイチェルは話し始めた。
「実は、ヒルダの事で困ったことになってしまって、セイジに助けてもらいたいんだ」
ヒルダの事で困ったこと? どういうことだろう?
ヒルダは、申し訳無さそうな顔をしている。
「あたし達、魔法使い部隊の3人は、戦争の活躍が評価されて褒美を貰ったんだ」
「褒美?」
「ああ、あたしは下級貴族、ミーシャとカサンドラは準貴族の爵位を貰った」
「それは、おめでとうございます」
「ありがとよ。
それでだ、貴族となったからには、冒険者というわけにもいかなくってな。
あたしは、新しい村の村長、
ミーシャが、メイド、
カサンドラは、新しく始まる魔族との貿易の『特使』をやることになった」
「それは、責任重大ですね」
ミーシャさんのメイドは、お気楽そうだったけどね。
「そうなんだよ。
そこで、困ったのがヒルダだ」
ヒルダは、体をビクッとさせた。
「どうしてですか?」
「ヒルダは、私達3人で金を出し合って購入した奴隷だ。3人一緒に行動してる分には問題ないが、今は3人別行動だ。
今のところ私が面倒を見ているが、
私一人がヒルダを使うのは不公平ってもんだ。
奴隷商人に売って、金を3等分すれば手っ取り早いんだが……
どうやら、そうもいかないみたいなんだ」
「どうしてですか?」
「ヒルダは、あの戦争の時に飴を配りまくってただろ?」
「ええ」
「その魔族の兵士達から、お礼をしたいという声が上がっていてな、
奴隷商人に売りましたなどと知れたら、問題になりかねん」
「それじゃあ、どうするつもりなんですか?」
「そこで、お前だ、セイジ」
「俺?」
「ヒルダを、貰ってくれないか?」
「はいぃ!?」
ここに来て、とうとう奴隷か!?
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