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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
エジプト編
149/438

140.スイート

 バスジャックから逃げてきた長距離バスは、カイロに到着した。


 バスが到着すると、乗客は蜘蛛の子を散らすように降りて行ってしまった。

 警察の事情聴取とかはいいのか?

 まあ、俺達としては事情聴取されたら困るけど。

 乗客たちも、厄介事に巻き込まれたくなくて逃げていったのかも。


 運転手が何やら連絡を取っている間に、俺達もそそくさとバスを後にした。



 ナンシーは、カイロに到着する直前に気が付いたのだが、気を失っていたために、バスジャックの事を知らない。

 まあ、根掘り葉掘り聞かれても、俺が困るだけなので、そっとしておこう。


~~~~~~~~~~


 俺達は、アメリカ大使館の前に来ていた。


「セイジ、ありがとう、これでなんとかなるわ」

「それじゃ、俺達はこの辺で失礼するよ、

 これからは気をつけるんだぞ」


 そう言って立ち去ろうとしたのだが、


「待って!」

「ん? どうかしたのか?」


「えーと、あのー、

 そうだ、お礼にディナーを奢るから、一緒に食べましょ」

「ああ、構わないが、待ち合わせはどうする?

 大使館での手続きは、どれ位掛かりそうなんだ?」


「うーん、正直良くわからないわね、

 終わったら連絡するから、メアドを教えて」


 メアド!

 参ったな、メアドか~


 どうして俺が、こんなに悩んでいるかというと、

 スマフォを持ってはいるが、エジプトでは使えないのだ。


 なぜって、海外使用の手続きをしていないからだ。

 俺は本当は日本に居るはずなんだ、

 それなのに海外使用の手続きなんかしたら、スマフォが盗まれて、海外で勝手に使われていると勘違いされてしまう。

 同じ理由からクレジットカードなども使えないのだ。


 仕方ないので、俺はフリーメールのアドレスをナンシーに教えた。


「なぜ、フリーメールなの?」

「スマフォが故障していて……」


「まあ、いいわ。

 それじゃあ、手続き終わったらメールするね」


 ナンシーは、そう言うと、大使館の中に入っていった。


 俺達は、ナンシーを見送った後、日本に帰国した。


~~~~~~~~~~


 日本は夜の1時だった。


「さて、こんな時間だけど、仮眠したせいであまり眠くないな」

「私もです」



 こんな真夜中に、エレナと二人っきり……



 俺は、エレナの見ている前で、とあるものをいじくり回していた。


「セイジ様、それ、ぐにゅぐにゅしていますが、柔らかいんですか?」

「そんな事は無いよ、触ってみるかい?」


 エレナは、それを恐る恐る触ってみる。


「あ、凄く、硬いです」


 エレナは、それを愛おしげに両手で掴むと、うっとりとした瞳で見つめ、キスをした。


「エレナ、なにしてるの!?

 キスなんかしたら汚いだろ」

「セイジ様のが汚いなんてことはありえません」




 まあ、一回分解してるから大丈夫だとは思うが……



 そう! 俺は、

 銀貨を分解して、銀のアクセサリを作っていたのだ。


 まったく、りんごさんがデザインしたアクセサリが気に入ったからって、キスすることはないだろうに。


「セイジ様、これを付けてみてもいいですか?」

「エレナ、残念ながら、それはまだ出来上がっていないんだ」


「え!? そうなのですか?」

「ほら、よく見てみな、

 髪に留めるための金具が無いだろう?」


「金具は、どうなさるんですか?」

「俺にも良くわからないから、今度りんごさんに聞いてみるよ」



 そんなこんなで、依頼された5人分のアクセサリを、金具無しで作成して時間を潰した。


~~~~~~~~~~


 メールの呼び出しに応じてエジプトへ飛ぶと、

 アメリカ大使館前で、ナンシーは待っていた。


「おまたせ」

「やあ、待ってたよ」


「それで、何をご馳走してくれるんだい?」

「それは、ついてからのお楽しみだよ」


 俺達は、ナンシーに案内されて、夜のカイロを歩いて行った。



 ナンシーに案内されたのは、なんか物凄く高級そうなホテルだった。


「ナンシー、ここは?」


 俺が、恐る恐る聞いてみると、


「なんかね、大使館の人が気を利かせて、予約してくれたらしくってね」

「な、なるほど」



 俺達は、部屋に案内されたのだが……


「ちょっと、ナンシーさん。

 この部屋は、なんなんですか?」

「いやー、豪華な部屋だねー」


 いやあ、豪華ってレベルじゃないでしょこれ。


 たぶん、最上階で、

 部屋ではなく、広い一軒家の間取りがそのまま入ってる感じで、

 パーティが開催できるリビングに、寝室が3つもある。

 窓からの眺めも凄くて、カイロの街並みが一望できる。


「セイジ様、遠くになにか大きな建物が見えます」


 エレナの指差す方を見てみると―


 遠くに、ライトアップされたピラミッドが見えていた。


「ピ、ピラミッドだ!」

「ほんとだ、すごい眺めだね」


 ナンシーも俺の横に来て、眺めを楽しんでいた。



 しばらく、眺めを楽しんでいると―

 呼び鈴がなり、夕食が運ばれてきた。



 色とりどりな料理が並び、

 俺達は、ピラミッドを眺めながら、美味しいディナーに舌鼓をうった。


 俺と、ナンシーは、折角なのでワインを頂き、

 エレナは羨ましそうに俺達を見ていた。


「エレナちゃんも飲んでみるかい?」


 ナンシーは酔っていて、冗談のつもりでエレナにワインをすすめたのだが。

 エレナはナンシーの話している英語が分からず、ジュースだと思って、そのワインを飲んでしまった。


「あ! 何やってるの!」

「ご、ごめんよ、冗談だったんだけど」

「エレナ、大丈夫か?」


「セ、セイジ様、このジュース、おいひいです」


 エレナは、顔を真赤にして、目をトロンとさせてニッコリ頬ん出た。


 これはヤバイ!

 特に、俺の理性の方がヤバイ!


 すこし変になってしまったエレナを、一所懸命介抱していると。


 今度は、ナンシーが襲いかかってきた。


「私の酒が飲めないのか!」

「ちょっとナンシー、飲み過ぎだよ」


 ナンシーを相手していると―


「セイジ様、私のも飲んでくだしゃい」


 逆側からエレナも、襲い掛かってくる。



 どうしてこうなった!



 俺は、二人に代わる代わるワインを飲まされ、

 酒池肉林の夜は、更けていった……


アヤがいないと、止める人がいないのれす><;


ご感想お待ちしております。

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