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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
エジプト編
147/438

138.悪影響

 アヤを短大に向かわせ、

 俺とエレナは、昼過ぎまで仮眠を取った。


 仮眠をとってすっかり元気になり、【瞬間移動】でエジプトに戻ると、

 エジプトは、朝の7時になっていた。


 子供たちは、ちょうど出かける所だった。

 話を聞いてみると、近くの石切り場で働いているそうだ。


 エジプト、石切り場……

 ピラミッドでも作らされているのか?



「セイジ、おはよう」


 しばらくしてナンシーは起きてきた。


「おはよう、ナンシー。

 サンドイッチを食べるかい?」

「ありがとう、いただく」


 俺とエレナとナンシーは、日本で作ってきたサンドイッチと紅茶で、エジプト時間的には朝食、日本時間的には昼食を食べた。



「ナンシー、これからどうするつもりなんだ?」


「まずは、昨日のケチャップ強盗の事を、警察に届け出て、

 それから長距離バスでカイロまで戻って、

 アメリカ大使館に行ってパスポートの再発行手続きしないと」


「そうか、じゃあ俺達もカイロまで付き合うよ」

「ありがとう、セイジ」


 なんと!

 ナンシーがハグしてきた。


 ちょっと待ってナンシーさん、

 30歳のチェリーボーイには、刺激が強すぎます!


 ふと見ると、エレナがむくれて、ほっぺをふくらませていた。か、かわええ。


 ナンシーも、それに気が付き、

 エレナにもハグをしやがった。


 ナンシーにハグされて驚き戸惑うエレナ。

 これはこれで、かわええ。


 ナンシーは、流石アメリカンだな。


~~~~~~~~~~


 ナンシーと一緒に、現地の警察にやって来ていた。

 昨日のケチャップ強盗について報告するためだ。


「それじゃあ、セイジ、行ってくる」

「じゃあ、2時間後にこの場所で待ち合わせだ」


 ナンシーは手を振って警察署の中に入っていった。



 ナンシーがいなくなると、エレナが急に話しかけてきた


「セイジ様、あの方はなぜ、すぐに抱きついてくるのですか?」

「あれは、ハグと言って、ナンシーの国の挨拶なんだ」


「あれが挨拶なんですか!?」

「ああ、国が違えば文化も変わってくるからね」


 エレナは、何やら考え込んでいたが、

 急に何かを決心した様子で―


「セ、セイジ様!」

「なんだい?」


 エレナは、急に抱きついてきた!!


「エレナ!? 急にどうしたんだ?」

「あ、挨拶です!」


 全く、ナンシーのせいで、

 エレナが変なことを覚えちゃったじゃないか!


 今度、寿司でも奢ってやることにしよう。



 俺は、そのままエレナを、人気のない裏路地に連れ込んだ。


~~~~~~~~~~


 俺達は、裏路地から一路『イタリア』へ飛んだ。

 魔法で作った純金の塊を売るためだ。


 なぜイタリアかって?


 エジプトでは、現地通貨が紙切れ同然になっていて、

 米ドル、ユーロ、日本円などの外貨がそのまま使われてるそうなのだ。


 日本円を使ってもいいのだが、せっかくだから外貨も手に入れておきたい。

 アメリカにはまだ行けないので、

 ナンシーが立ち寄っていたイタリアで純金を売って、ユーロを手に入れようと言う作戦なのだ。


「ここは?」

「また別の国で、『イタリア』って言うところだ」



 俺は【言語習得】でイタリア語を習得して、

 金を買い取ってくれる店を探した。



 ついでに、金の塊を【土の魔法】で形を整え、ネックレスに付いている十字架っぽい形にしておいた。

 この方が、買い取ってもらいやすいだろうし。



 見つけた店は、若干怪しそうな店だったが、

 すんなり、3000€で買い取ってもらえた。


 若干買い叩かれた感じはするけど、まあいいか。



 お金が手に入った俺達は、スペイン広場でジェラートを食べようと思ったのだが―


 スペイン広場での飲食は禁止ということらしく、

 近くのジェラート屋さんで、広場を眺めながら美味しく頂いた。


~~~~~~~~~~


 追跡用ビーコンでナンシーを覗いてみたところ、

 まだ時間がかかりそうだったので、

 俺達は、一旦日本に帰ってきた。


「おかえり、兄ちゃん」


 アヤは短大から帰ってきていたが、凄く眠そうだ。

 まあ、俺やエレナと違って、仮眠をしてなかったからな。


「これからまたエジプトに飛ぶけど、アヤはどうする? 一緒に来るか?」

「眠いから、やめとく~」


 そういって、アヤは部屋に戻って寝てしまった。


~~~~~~~~~~


 俺とエレナがエジプトに着いてしばらくすると、ナンシーが警察署から出てきた。


「どうだった?」

「とりあえず、届け出たけど。

 荷物はまず戻らないと思う。

 お金は準備出来た?」


「ユーロだけど、用意出来たよ」

「いいね、ユーロだったら、この先も使えるし。

 それで、いくら貸してくれるの?」


「1000ユーロ位あれば足りる?」

「足りる足りる、大助かりだよ。

 ありがと、セイジ!」


 ナンシーは、お金を受け取ると、ほっぺにチューして来た。

 だからDTにその攻撃は、オーバーキルだよ!!


 エレナはエレナで、その光景を見て、またほっぺをふくらませている。


 また、エレナが変な影響を受けてしまうじゃないか。

 挨拶代わりにチューしてきたらどうするんだ!


 ナンシーには今度、超高級寿司でも奢ってやることにしよう。


~~~~~~~~~~


 俺達3人は、バス会社の建物にやって来た。

 ここからカイロ行きの長距離バスが出ているそうだ。


 俺達は、カイロまでのバスチケットを購入し、長距離バスに乗り込んだ。


「これが、バスですか。電車と同じくらい大きいですね」

「エレナはバスに乗ったことがなかったのか」

「はい、始めてです」



 大興奮のエレナを乗せたバスは、予定より30分程遅れてカイロに向けて出発した。


 市街地を抜けると、見渡すかぎりの砂漠が広がっていた。

 流石エジプト、スケールが違うな。


「セイジ様、こちらの世界にもこんな場所があるんですね」

「ああ、俺も、見るのは始めてだ」


「あ、変な生き物がいます!」


 何かと思ってみてみたら、ラクダだった。


「あれは、ラクダと言って、砂漠を旅するときに馬の代わりをするいきものだよ」

「砂漠を旅できる馬ですか、凄いですね!

 魔物とかは出ないんですか?」

「流石に魔物は出ないよ」


 俺は、笑って答えていたのだが―



 まさか、地球で、あんな恐ろしい奴等に出会ってしまうとは、

 この時の俺達は、知る由もなかったのだった……


まことにけしからん。


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