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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
コスプレ大会編
144/438

135.金銀 ☆

 その後、コスプレ大会はつつがなく終了し、

 打ち上げのために、みんなでケーキ屋さんに来ていた。


「ごめんなさい!!」


 分厚いメガネの子が、畏まって頭を下げている。

挿絵(By みてみん)

 この子が誰かというと―


 『りんごさん』なのだ。

 まさか、会場入りの行列で前に並んでいた分厚いメガネの子が、りんごさんだったとは……



「私のせいで、皆さんに迷惑を掛けてしまって、

 なんとお詫びしたらいいか……」


 りんごさんは、鼻ピアス男の事で、責任を感じてしまっているらしく、何度も頭を下げている。


「りんごちゃんのせいじゃ無いよ!

 あのストーカーのせいじゃん」


 アヤが一所懸命、りんごさんを慰めているが、

 りんごさんは、謝りっぱなしだ。


 エレナと舞衣さんも、りんごさんを慰めようとしているのだが……


 百合恵さんが、コスプレ大会が終わっても、ずっとテンションが下がらず、

 エレナと舞衣さんを左右にはべらせ、肩を抱いて離さないので、二人共、動けないでいるのだ。



 ここは、俺が話題を変えて、この雰囲気を変えないと……



「そういえば、りんごさんは、アクセサリのデザインをしたいって言ってたよね」


「え!? りんごちゃん、アクセサリ作るの!?」

「私も、アクセサリ作って欲しい」


 アヤと百合恵さんが食いついてきた。


「私が出来るのは、デザインだけです」

「どんなデザイン?」


「スケッチブックに描いたのなら持ってきてますけど、見ます?」

「見る見る!」


 りんごさんの出してきたスケッチブックには、色々なアクセサリのデザインが描かれていた。

 女の子たちは、アクセサリの話で大盛り上がりしている。



 うーむ、こういう話題だと、話に入っていけないな……

 りんごさんも元気が出てきたみたいだし、まあいいか。



 女の子たちに話に入れない俺は、暇だった。


 そういえば、ストーカーの鼻ピアス男はどうしているんだろう?

 追跡用ビーコンを付けて置いたから、様子でも見てみるか。



 鼻ピアス男は、汚いアパートの部屋にいた。

 そして、何やら怪しげな器具を取り出し―


 なんと!

 自分の腕に、自分で注射をし始めた。


 あー、きっとインスリン注射かな?

 この若さで、糖尿病とは、可哀想に~


 まあ、ぜったい違うだろうけど!!


 絶対、ヤバイ薬物だろう。

 注射してる薬物のパッケージに、インスリンとか書いてないし!!



 俺が、あまりのヤバさに頭を抱えていると―


「兄ちゃん、決まったよ!」


 アヤがいきなり言い出した。


「ん? 何が決まったって?」

「兄ちゃんに作ってもらうアクセサリだよ!」


 どうやら、俺がよそ見をしている間に、

 りんごさんのデザインを一人1つずつ選んで、俺に作らせる話になっていたようだ。

 勝手に決めんなし!



 アヤは、かっこよさげなブローチ、

 エレナは、綺麗な感じの髪飾り、

 舞衣さんは、可愛い感じの髪飾り、

 百合恵さんは、アダルティーなネックレス、

 りんごさんは、シンプルな感じのブローチだった。


 俺は、デザイン画をスマフォで撮影し、

 アヤが、りんごさんと連絡をとりあう約束をしていた。


~~~~~~~~~~


 そんなこんなで、波乱万丈のコスプレ大会がやっと終わり、俺達は家に帰ってきた。


「兄ちゃん、ちゃんとアクセサリ作れるの?」

「加工はなんとかなりそうだけど、元の素材をどうやって調達するかだよな」


「私、プラチナがいい!」

「アヤ、プラチナがいくらするか知ってるのか?」

「しらな~い」


 ネットでプラチナの価格を調べてみたのだが―

 1グラム辺り4千円以上していた。


「高!」

「兄ちゃんなら、なんとかしてくれるはず!」

「なんとか出来るか!」


「しゃーないなー、じゃあ銀で許してあげる」

「ありがとうございます」


 あれ? なんで俺がお礼を言っているんだ?



「セイジ様、銀なら10ゴールド銀貨が使えませんか?」

「銀貨なら使えそうだけど、ドレアドス王国の法律では、お金を傷つけたりしても大丈夫なの?」

「特にそのような法律は無いです」

「それじゃあ、平気か」



 俺は、インベントリから10ゴールド銀貨を一枚出して、じっくり観察してみた。


「うーむ、この銀貨って、あまり品質のいい銀じゃ無さそうだな」

「そうですね、日本の製品の品質と比べると、あまりいいとは言えないかもしれませんね」


 確か、質の悪い銀は、不純物が混ざったりしているんだよな。

 魔法で不純物を取り除いたり出来ないのかな?



 俺は、銀貨を握りしめ、【土の魔法】で色々やってみた。


 結果は―

 ダメでした。


 形を変えることは出来ても、品質を変える事は出来なかった。


 うーむ、他にいい方法は無いかな~



ピコン!


 久しぶりに、俺の頭の上に、()()が点灯したような気がした。


 土の魔法でダメなら、雷の魔法を使えばいいじゃないか!



「【電気分解】!」


 俺は、10ゴールド銀貨に、【電気分解】を掛けた。


 すると、200g程の銀貨は―


 50gの(すず)の粉末、50gの銅の粉末、

 そして、100gの純銀の粉末に分解された。


 50%しか銀が入っていないじゃん!!



 100gの純銀の粉末を、土の魔法で固めると、

 美しく輝く純銀の塊が出来た。


「うわー綺麗、さっきとは比べ物にならない」

「すごいです! まるで鏡みたいです」



 調子に乗った俺は、100ゴールド金貨でもやってみたのだが―


 こちらも100gの純金が出来てしまった。


 不純物は、50gの銀と、50gの銅だった。



 純金の相場を調べてみたら、プラチナと同じくらいの値段だった……



 たった100gの純金で、

 45万円位になるそうです……



 ヤバイ、ヤバ過ぎるーーーー!!


【電気分解】は、22話で登場して、やっと日の目を見ました。


ご感想お待ちしております。

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日本編はせっかくおとなしくなった 妹が、初期並みの糞ヘイトキャラに戻って 気持ち悪いです このまま、微妙にウザいコスプレグループもハーレムパーティーになる臭い描写でげんなりです
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