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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
133/438

124.どっちが上?

『3つ目の条件は……

 セイジ! お前だ!!』


 な、なんだってーー!!


『魔王様、それはどういう意味ですか?』



『俺の部下になれ、と言っているんだ』



『……お断りします』



『なぜ断るのだ!

 それに、通訳のお前が勝手に返事をするな、ちゃんと王に聞け』

『お断りします』


 もう、面倒見切れん。



『通訳しないと言うのであれば、もう良い、

 俺が直接話すまでだ』


 なら、最初からそうしろよ!



「王よ、セイジを寄越せ」

「は? 魔王様、それはどういう事ですか?」


「セイジを俺の部下にするから寄越せというのが、3つ目の条件だ」


「……わ、分かりました、こんな者で良ければ、幾らでも差し上げます」

「おい! 俺のことを、俺抜きで勝手にやりとりしてるんじゃないよ!」


「セイジ、良いのか?

 お前が俺の部下にならなければ、戦争だぞ?」



 せっかくここまで、戦争にならないように努力してきたけど……


 もう我慢の限界だ。



「もういいや。

 戦争したいなら、勝手にやればいいだろ!」


「なん、だと? 国が滅んでもいいのか?」


「魔王様の仰るとおりにしろ。

 セイジよ、我が国の存亡のため、犠牲となってくれ」


「王様、あんたバカ?

 そんな話で、俺が納得するとでも思っているのか?

 話しにならないので、俺は帰る。

 安心しろ、エレナは俺が面倒を見てやるから、

 お前たちは、勝手に戦争でもして滅べ」



『セイジ待て!

 俺の命令に逆らって、生きて帰れると思うなよ!』


『俺を殺すというのか?』

『そうだ、殺されたくなければ、命令に従え』



『暴力で他人に言うことを聞かせようとするなら―

 魔王、お前自身も、

 暴力に負けたら言うことを聞くということだな?』


『なん、だと!?』



「セイジ、わしにも分かる言葉で話せ」


「お前は黙ってろ!」

「ひい!」




『もし、こう言われたらどうする?

 おい、魔王!

 殺されたくなければ俺の部下になれ。

 断れば、魔族は皆殺しだ!』


『お前は、本当に死にたいらしいな……』

『お前もな』




 魔王は、その場で、ゆっくりと真っ黒な刀を抜いた。


「ひい!!」


 王様が、その場で腰を抜かしてしまった。

 うるさいぞ。



 俺は、【瞬間移動】で魔王の後ろに回り込み、

 魔王の背中をタッチして、

 そのまま、別の場所へと【瞬間移動】した。


~~~~~~~~~~


「は!? なんだこれは!?

 ここは何処だ!?」


 俺と魔王は、森の中の開けた場所に来ていた。

 ここは、ゴブリンプリンスと戦った場所だ。



「魔王の負ける姿を他人に見せるのは、

 流石に可愛そうだと思ってな」


「ほう、ここがお前の死に場所ということか」

「お前が無様に負ける場所だ」



 口喧嘩はほどほどにして、戦いの準備をしないとな。


 俺は、【魔力強化・クイック】を掛け、

 魔王に【魔力強化・スロウ】を掛けた。


「おのれ、また何か魔法を掛けおったな!」


 ん?

 どんな魔法かまでは、わからないのか?

 じゃあ、ついでに【鑑定】も掛けちゃえ。



「……」


「どうした、変な顔をして、

 かかってこないのならこちらから行くぞ!」



 【鑑定】したら、変な情報を得てしまった……



 【刀術】レベル5。

 これは、予想していたが、レベル5か~


 【土の魔法】レベル3。

 これも、戦いの最中に使っていたのを見たから、知ってた。


 そして【???】レベル4。

 これは予想外だ!

 まさか魔王が、こんなのを持っているとは……

 【鑑定】をあそこまで嫌がったのは、これのせいか。


 きっと、これが魔王の、『切り札』なんだろうな~

 使ってきた時に、驚いてあげたほうがいいのかな?


 いや、まてよ! と言うことは……

 あの時聞いた話は……



「なにを考えこんでいる!」


 業を煮やした魔王は、大地を蹴って襲いかかってきた。


 魔王の刀を避けると、衝撃で大地が少し割れていた。


 ひー、【スロウ】掛けてなかったら、もっと凄かったんだろうな。



「おのれ、妙な魔法のせいで、動きが阻害される」



 俺は、インベントリから【摸造刀】を取り出して構えた。


「なんだ、その偽物の刀は。

 そんな玩具で、この俺と戦おうというのか!」


 折角の機会だから、刀同士で戦ってみたいじゃん。



 沈む夕日の赤に森が染まる中、

 俺と魔王は、刀を構えて睨み合い。


 合図されたかのように、同時に大地を蹴って―


 衝突した!


魔族語とドレアドス共通語が飛び交って、変な感じになってしまった。


ご感想お待ちしております。

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