106.ゴブリンキングの行方
「い、一緒に寝てもいいか?」
祝勝会も終わり、俺がイケブの街の宿屋の自分の部屋でくつろいでいると。
リルラが夜這いをかけてきた。
「悪いけど、今日はこれから出かけるから、ダメだ」
「これから? こんな時間から何処へ行くのだ?」
「ちょっと野暮用だ」
「そ、そうか……」
俺は、これからゴブリンキングの居場所を、探しに行く予定なのだ。
リルラにキングの事を話したら、またビビってしまいかねないので、言わずにいた。
とは言っても、リルラは今回の戦闘で、かなりレベルアップしている。
┌─<ステータス>─
│名前:リルラ・ライルゲバルト
│職業:姫騎士
│
│レベル:25
│HP:1454
│MP:758
│
│力:113 耐久:118
│技:97 魔力:85
│
│スキル
│【光の魔法】(Lv2)
│【肉体強化魔法】(Lv3)
│【剣術】(Lv4)
│【盾術】(Lv4)
└─────────
レベルが25に上がって、光の魔法、剣術、盾術が軒並み上がっている。
闘技大会の時は、まだ肉体強化魔法を覚えていなかったが、あの後で覚えたのだろう。
しかし―
『職業:姫騎士』ってなんだよ!
姫でも無いし、馬にも乗ってないし!
『姫騎士』とは、きっと概念的なものなのだろう。
前は『職業:貴族令嬢』だったはずなのに、何時変わったのだろう?
ついでに―
俺のレベルは38、エレナは29になっていた。
エレナは更に、肉体強化魔法がレベル3に、氷の魔法がなんと、レベル5になっていた!
なにか言いたげなリルラを、自分の部屋に送り届けた後。
俺は1人で、夜の森へと向かった。
~~~~~~~~~~
まずは、【瞬間移動】で『スカベ村』に飛び、そこから東に目指して、夜の森を【電光石火】で駆け抜けていた。
しかし、その森には、ゴブリンもオークも、ほとんど居ない。
結局、『ニッポの街』の近くまで来てしまったが、ゴブリンキングは見つからなかった。
しかし、馬車で4日程もかかる道のりを、4時間程で踏破してしまった。【電光石火】恐るべし。MPは、モリモリ減るけど……
俺は、一旦『スカベ村』に戻って、他の方角も調べた。
結局、北も西も、合計4時間ほど調査したが、見つからず。
『スカベ村』の周辺を諦め、『イケブの街』に戻って、そこから西の方角を調べた。
夜が薄っすら開けようとしていた時。
俺は、ついに見つけた。
ゴブリンキングだ!
他にも、
プリンス1匹、
ジェネラル100匹、
ホブゴブリン1000匹、
通常のゴブリンは1万匹ほども居る!
流石、キングが率いる部隊だけあって、数が半端ない。
『シンジュの街』に集結している軍と、直接やりあえるほどの戦力だ。
しかし、何故こんなところにいるんだ?
これまでゴブリンプリンス率いる部隊は、二回とも北から攻めてきていた。
つまり、ゴブリン達の住処は北にあるはず。
キングの部隊も北から来たのだとしたら、この場所を通って、何処に向かっているのだろう?
ゴブリンキングの意図がわからない。
俺は、【夜陰】を使ってゴブリンキングに近づいた。
キングは、デカかった!!
三階建てのビルくらいの大きさだ。
今なら殺れそうだったが、嫌な予感がするので止めておいた。
こっそりと、キングに【追跡用ビーコン】を付けて、俺は帰還した。
~~~~~~~~~~
イケブの宿屋に戻ると―
なぜか、俺の部屋のベッドで、エレナとリルラが抱き合って寝ていた。
この二人は、いったいナニをしているんだ?
しかたがないので、寝袋を出して床で寝ることにした。
ていうか、眠いんだよ。
ちょっとだけウトウトしたと思ったら、誰かが俺のほっぺをつんつんして来やがった。
「何時帰ってきたんだ、こんな場所で幸せそうな顔で寝て」
ん? 誰だ? 眠いからほっておいてくれよ。
「どうせ、遅くまで女遊びでもしていたのだろう。そんなに胸の大きな女がいいのか?」
何を言っているんだ? 誰だか知らんが、静かに寝かせておいてくれよ。
「私だって、寄せて上げれば……」
「あー! うるさいな!」
俺が、文句を言いながら、目を開けて見ると―
リルラが、自分の胸をモミモミしながら、驚いて目が点になっていた。
「あ、セ、セイジ…… お、お、起きて、いたのか!?」
「もう、眠いんだから静かにしてくれよ」
「あ、あ…… ふん! 女遊びなんぞしてるから、こんな目に合うのだ」
「女遊び? そんなコトするわけ無いだろ。俺は一晩中、ゴブリンキングの捜索をしていたんだよ!」
「え? ゴブリンキング!?」
「ああ、そうだよ。見つけたが、この街には向かってないみたいだから、大丈夫だぞ」
「そ、そうか、それは良かった。胸の大きな女と遊んでいたのではないのだな?」
「なんだそれ?」
リルラは、ゴブリンキングの危険が無いと知ったからか、ほっと胸を撫で下ろしていた。
やっとキング登場です。
ご感想お待ちしております。




