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あくまで悪魔さま。  作者: おかぴ先生
2/18

あくまでも福は来る?

 


「ミュゼ様!」

「なんじゃ」

「ミュゼ様ミュゼ様!」

「なんじゃなんじゃ」

「ミュゼ様ミュゼ様ミュゼ様!」


「お前、儂にあの世に送ってもらいたいのか?」

「いや、ミュゼ様むしろあの世が地元でございます」

「ふん、つまらんツッコミじゃ」


アドルフが珍しくご機嫌なのでミュゼもそんなに怒る気にはならなかった。

なんせミュゼは徹夜でゲームしている(現在進行形)ので眠い。


「ふぁー眠い眠い、所でアドルフよ、随分と機嫌が良いようじゃが何かあったのか?」


アドルフが待ってましたーとばかりに


「それがですねご飯の材料を買っていたら商店街の福引券を1枚もらったんですよ」

「ふむふむ」

「それを早速商店街の福引会場に行ってやってみたらですね」

「ふむふむ」

「ななななんと、フライパンセットが当たったのです!」



「、、、、」


「、、、、」



しばらく時間がとまりミュゼが溜息を吐いた


「はぁー、、、、つまらん」


「え?」


「なんじゃアドルフが珍しくご機嫌だから聞いてみたら全然儂に特などないじゃないかっ」

「何をおっしゃるミュゼ様っ!このフライパンが新しくなる事によって毎日のフレンチトーストがバージョンアップー」

「これは失礼したアドルフよ」


ミュゼはフレンチトーストが大好物なのです。


「そーかー福引とはそんな良いものなのか、儂もやってみたいぞアドルフよ!」

「ただミュゼ様、今月の出費オーバーになるので来月まで待ってください」

「ならぬ!儂がやりたいと言ったらやりたいのじゃーっ!」

「しっしかしミュゼ様!」

「だからアドルフは彼女が出来んのじゃ!」


「、、、、、」


「、、、、、ん?」


「ミュゼ様、、、それは流石にこの私でもカッチーンですよ?」

「お?アドルフよ、お?儂とやろうってのか?お?上等だ、こい!」


とミュゼはファイティングポーズをとる。


「でわ、早速、、、ハァァァァァァァァァァア」



するとアドルフが邪悪なオーラを身にまとう



   『必殺、極獄殺!』



アドルフは48コンボのクスグリをたたきだした。


ミュゼはクスグリが苦手である。


「グハッ、、、ず、ずるいでわないか!いつもそうやって儂の弱点ばかり狙いおって!」

「何をおっしゃいますミュゼ様、戦いとは常に相手の弱点をついてこそ勝算があるのですよ?」

「くそー、もうアドルフとは300年近く一緒にいるのじゃが未だに弱点が分からぬ」


「私には弱点など御座いません」


「でも福引をやってみたいぞ?  ア・ド・ル・フ♡」


ここでミュゼが『必殺、地獄の上目遣い』を使った。


「仕方ないですねー1回だけですよ?」

早々にアドルフの弱点発見。


「やったー!待っておれアドルフよ、今準備してくりゅ!」

「ミュ、、、ミュゼ様、、、」

「なんじゃ?」

「今、最後噛みましたよね?、、、も、、萌えます」


「な、なに真顔で言っておるばか者が!」


ミュゼは照れくさそうに準備に向かった、、、


、、、え?


所で準備って何だ?


数分後


「お待たせしたアドルフよ!」


「、、、、」


「、、、ん?


「ミュゼ様、1つ宜しいでしょうか?」

「なんじゃ?」

「何で家にいる時は正装(ゴスロリ系)で外出する時はジャージなのだぁぁぁぁっ!です」

「何を言っておる?これこそが正装でわないか、ペルソ○4のチエちゃんジャージ可愛いだろ?」

「はいとても、って意味が分からねーっです」

どうやらミュゼにとってみればアニメやゲームのファッションいわゆるコスプレが外出する時の正装になるらしい。


「まあ良いではないか、ゲーム、アニメの毎日で外に出る事があまりないのだから」


「いや、全く地球滅ぼす気が最初から無いですねそれ。」


「でも可愛いじゃろ?」


「ま、まあ可愛いですし凄い派手でわないから良いとしましょう可愛いですし」


「何故可愛いですし、を2回言ったのじゃ?」


「いえ、大事な部分は2回言うのが日本のルールらしいので。」


「なるほどーでは儂も2回言う事にしよう、アドルフアドルフよ。」


「ミュゼ様、発狂しても宜しいですか?」


「素直に近所迷惑だから辞めておけ、所でそなたも黒執事みたいな格好どうにかならんのか?」

「いえ、これが私の正装ですし正装ですし、スーツ姿であれば被るキャラなんて2次元にわんさかいますよ?」

「うむ、それはそーじゃのー、では今度一緒に出かける時にはシエルの様に眼帯つけて出かけるか」

「ミュゼ様、、、地球人がハロウィンと誤解されるのでそれはやめましょう。」


「でもあれだな?こないだのハロウィンも我が魔界の様に愉快じゃったな」

「はい、ミュゼ様も楽しそうで私も久しぶりに"魔力解放"する所でしたよ」

「あれは本気で焦ったぞアドルフよ、そなたの"魔力解放"は一瞬にして地球を滅ぼすからな危ない危ない」

「ほんとですよー、寸止めして良かったです」



『ハハハハハッ』



、、、、、



「、、、ミュゼ様、、、そもそもそれが目的でこの地球に来ているのですが、、、」


「今滅ぼしたら一生アドルフとは口を聞かん!」

「はい、それが為に私は何ヶ月も苦しんでおります」

「あ、所でアドルフよ、そろそろ向かわぬか?」

「はい」

ですよね、会話に夢中になってて本日の目的を忘れてました。

2人は福引会場に向かうことにした。


家から徒歩数分の所にある商店街、そこにはもう長蛇の列が並んでいた。


「おい、これじゃいくらたっても進まぬじゃないか!」

「これは私もビックリしております、先程はこんなに並んでなかったのですが。」


その理由が、まだ一等賞の温泉旅行ペア券が当ってないので今だ今だと皆が押し寄せてきたのである。


数分並んでいると。


「お兄ちゃん疲れたー」

「咲もうすぐだから少し待ってな」


と後ろから小学生位の男の子とその妹らしき子供が喋っているのをミュゼは耳にした。


「これで温泉旅行をあててお母さんにプレゼントするんだ!」

「ぷれぜんと?」

「そうだ、お母さんは身体が弱くてあまり外に遊びに行ってないだろ?だからこれを当ててパパと二人で旅行に行かせるのさ!」

「お兄ちゃん優しいね!」

「へへへ」


(なるほどー温泉旅行というのは身体が弱い人に良いのか)

とミュゼは1人つぶやいていると


「ミュゼ様、遂に出番が回って来ましたぞ?」

「おお!遂にか、5枚あるから5回まわしてもよいのじゃな?」

「はい、頑張って下さいミュゼ様!」

「うっし」


そう言って腕まくりをして福引券5枚を渡しガラガラに手をかける


最初の1回目、、、、、、ハズレ


2回目、、、、、、、、、ハズレ


3回目4回目とあっという間にハズレを引いてしまった。


「くそ、これは1等は入ってないんじゃないのか?アドルフには負けたくない、いや、負けられない戦いがそこにある!」


「ミュゼ様、そこに闘争心を抱かなくても」


「うるさぁぁぁぁぁい!今集中しておるのだ、話かけるなっ!」

ミュゼが邪悪なオーラを身にまとい始めた


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ


「おぉ!流石魔王サタン様の娘、計り知れない魔力を感じますぞっっ!ミュゼ様っっっっはぁぁぁうっっっあっっ、、、、」


そう言ってアドルフは感動のあまり膝から崩れ落ちた。

そしてそのままアドルフは気を失った。



5回目、、、、、


金色に輝く玉がガラガラから落ちてきた


「おぉ!!一等賞おめでとうございまーす!」

チャリンチャリンと福引にいたオジサンが鈴を鳴らし始めた


「おお?やったのか?儂が遂に攻略したのか?見ておったかアドルフよ、これが儂の力じゃ!」


と元気に振り返るとそこには白目を向いたアドルフが横たわっていた。


「そこで何をしておるアドルフよ、しっかりせい!」

それでも気を失ったままである、、、


するとその後ろから泣きじゃくる女の子の姿が。


「お兄ちゃんダメだったねぇー、ひっく、、お母さんにプレゼント出来なかったねぇー、、、」

「咲、泣くな!お兄ちゃんが頑張って働いて4人まとめて連れて行ってやるから!」

「ほんとぉー?」

「お兄ちゃんは嘘つかないぞ?よし、指切りげんまんだ!」

「うん!」


それを見ていたミュゼが、

男の子に旅行券を差し出した。

「ほれ、これが欲しかったのであろう?」


「え?」

二人はキョトンとしている。


「べ、別に同情と言う訳じゃないんだ、ほら、儂は温泉などに行かなくても元気じゃからなっ!」


すると男の子が


「い、いいの?」


「悪魔は嘘をつかないんじゃぞ?」

すると男の子が不思議そうに

「お姉ちゃん悪魔なの?」

「そうじゃよ?この地球を滅ぼしに来たのじゃ」

「嘘だ、こんな良い人が悪魔な訳ないじゃん!」

「うるさいっ良い人と言われるのが1番嫌いなんじゃ!黙って貰っておけば良いもののー!」

そういって男の子を睨みつけるミュゼ

すると女の子が。


「お姉ちゃんは悪魔って言ってるけど私には福引券をお兄ちゃんに渡す姿が天使にみえたよ?」

ミュゼは罰の悪そうに

「ケッ、そいつは胸糞悪い話しじゃ」


そう言ってミュゼは女の子に無理やり旅行券を手渡した

すると女の子の目が輝かまるで旅行券を宝石のように眺めていた。


「あ、ありがとう、天使のお姉ちゃん」


すると照れくさそうに

「だから、そ、それはやめるのじゃ、ってアドルフいつまで寝ておるのじゃ、行くぞ!」


そう言ってミュゼはアドルフを叩き起こすとそのまま振り向いて帰り道を歩き始めた。


アドルフが大アクビをかきながら

「ふぁーしかし良い寝心地で良い夢を見ておりました、あれ?クジはどうなりました?」


「いやー、最後の最後までダメじゃった、まぁティッシュも何かと使えるからのぅ今日はこれ位で勘弁しといてやるかのー」


するとアドルフが空を見上げながら

(サタン様、貴方の娘は日に日に無事成長を遂げておられますよ。)


「ん?空に何かあるのか?」


「いえ、行きましょう。」


実はアドルフは途中から目を覚ましておりミュゼと子供との会話を黙って聞いていたのです。



「ミュゼ様、今日は朝当てたフライパンで格別に美味しいフレンチトーストを作りますね」

「おう、儂はそれが毎日食べれるのであれば温泉などどうでもよいわ!」



この後、言葉通り1ヶ月間フレンチトーストを食べ二人共しばらくフレンチトースト恐怖症になったとさ。




無事正式に1話目の投稿となりました。

少々長い話となりましたが最後まで読んで頂きありがとうございます。

色々と感想など頂ければ嬉しく思います。


ミュゼがどんどん成長していくのと、

アドルフがどんどん日本にハマっていくのが僕もウキウキニヤニヤしながら書いてます。

どうぞこれからも二人の活躍を楽しみにして頂ければ幸いです。


おかぴ先生

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