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十六話 ~チルノ~

お待たせしました(`・ω・´)!

十六話、更新です。


※2017年3月12日16時52分、本文を一部修正。


 ――妖精が式封印の結界を抜ける方法が一つだけある、とナビは言った。


 式封印とは本来、術者が自らの式を得るべく対象をその場に留めておくというだけの術式なのだが魔琴たちが前にしているものは違う。

 今回使われていた術式は対象が抵抗を見せた際などに掛かる『強制力』が悪戯に高められてしまったもの。元の形からは変質しているのだ。

 ちなみに、『強制力』とは術式が対象を従わせるために発する攻性プログラムのようなものらしい。

 

 そのような術式をどうやって抜けさせるというのか?


「言っとくが俺の作った『なおす力』は使えないぞ。この結界がどんな風に術式の影響を受けてるかもわからねえ以上、元の状態に『なおした』途端に不可視の結界ごと消えちまう可能性も0じゃねえんだからな」

「ん、大丈夫。マスターの力は借りるけど、『なおす力』は使わない」


 魔琴は念のため釘を刺しのだが、どうやらその心配は杞憂だったようだ。


「それなら、俺は何をすればいい?」


 魔琴はそれまで背負っていた妖精を、一度仰向けに寝かせてからそう訊いた。

 それに対し、ナビは数拍すうはく間を置いてその方法を口にした。

 ……――。


 日が紅く染まる夕暮れ時。

 魔琴は一人その日差しを背に浴びながら無事、帰路へついていた。

 あの後ナビの言う方法を実践した魔琴は、なんとか結界を壊すことなく三人で式封印の術式を抜けることが出来た。

 その方法は意外にも至極単純なものであったが、道理に合った方法でもあった。

 式封印が元々、式神を得るための補助をする術式であることはあのときのナビの説明通り。

 であれば、魔琴がその対象となっている妖精を式神にしてしまえばどうなるか?

 答えは簡単。

 役目を果たした術式は、術者から新たな命令を受けることも出来ず自壊した。

 そしてナビも丁度この時点で限界を迎え、魔琴の中へと戻った。

 新たに魔琴の式神となった妖精―【チルノ】はというと、『調律する程度の能“力”』にてその存在を魔琴の波長に同調するよう調整され魔琴の式となったのは勿論、ナビと同じく魔琴と同化出来るようにもなり、気づいた時には二人が魔琴の中に眠っていた。

 名前は魔琴がなんとなく付けたものだが、後からナビに聞いた話によるとこの名前を付けるという行為こそが相手を眷属化する上で名無しの相手には特に効果的な手法だったらしい。一応“調律”された時点で眷属にはなっていたのだが、この名付けによりチルノはその格で受け止められる程度の量ではあるものの自動オートで魔琴からの霊力供給を得られることとなった。

 まあそんなこんなでともかく、このような経緯で魔琴一人が帰途についているわけだが妖精を眷属にしたことをこの街の人間――永琳たちがどう思うかはわからない。

 だが魔琴はこの街全ての人間が敵に回ろうと、自分の新たな家族は絶対に護ると決めていた。

 魔琴は一人帰路を歩く。二粒の大切な光を、その胸に抱えて。


「ただいまー」



◆◆


「ん……」


 不意に瞼を照らした光の眩しさに、あたいはつい網膜を庇うように右腕をかざした。

 それから少ししてようやく視覚からの情報を脳が処理し始め、段々とあたいの意識も覚醒してくる。

 腕を退けてまず見えたのは空一点に浮かぶ太陽と、一面に広がる蒼い空だった。今あたいが浮いている場所もどうやら大きな水面のようで、肌につく自然の冷たさは心地よかった。


 そのままこの心地よさに目を閉じてもうひと眠りするのも良いだろうか、と考え始めたときだった。


「わっぷ!?」


 ザプン、と。

 あたいの意識からだは何の前触れも無く、そのイドへと沈んだ。





「あれ?」


 気がつけばあたいはそこに居た。

 そこは深い水中の中でもなければ、あたいがさっき目を覚ました水面でもない。

 四方に木々が立ち並んだ深い森の中に、あたいは立っていた。


 先ほどから全く状況が掴めないが、不思議と不安感は無かった。

 どうしてか自分でもわからなかったけど、ここはなぜか懐かしいように感じたから。


 でも次の瞬間、あたいは飛び上がるほど驚くことになる。


「目が覚めた?」

「ワッヒョイ!?」


 ワッヒョイって何だ、ワッヒョイって。

 文字通り飛び上がるように驚いてしまった。あたいは慌てて自分を驚かせた声の主へ振り向いて、その姿を認めると思わず瞠目した。



「おはよう、――チルノ」



 こうして、あたいはあの着物の男と共に居た赤髪の少女と再会した。

作者「(`・ω・´)ハイ! ようやく十二話冒頭に追いつきましたね」

ルーミア「あそこから延々と回想シーンが続いてたのよね」

作者「(´・ω・`)ええ、まさか作者もここまで伸びるとは思ってもみませんでした」

ルーミア「っていうかアンタ土壇場で色々変え過ぎじゃないの? 作品タグとかキャラの口調とか。ちゃんと必要な変更だったんでしょうね?」

作者「(-ω-)あー、ハイそれはもう。初めのプロットから脱線して描きやすそうな方に走ってしまうのは今に始まったことではないですけど、前々回に出た大妖精の口調変更などは本当にやってよかったと思います」

ルーミア「そう。なら良いけど、これからはよく考えて投稿なさい」

作者「(´・ω・`)ハイ、肝に銘じます」

ルーミア「よろしい」

作者「(゜ω゜)ノあ、でもタグはまた弄るかもしれないんでよろ――」

ルーミア「いい加減にしなさい!!」


――ピチューン

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