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一話 ~赤髪のナビ~

はっはっは、私だ。

 そして、記憶を取り戻した魔琴は……。


「――は?」


 上空3000mから落とされていた。


「はああああぁぁぁぁ!!??」


 おい、ちょいマジざけんなあんジジイぃぃぃぃ!!!!


「チィッ!」


 ありとあらゆる力を操る程度の能力発動!


「空を飛ぶ程度の能『力』!!」

 

 ――ビタン!


「……ふぅ」


 下に見えていた森林木へぶつかる前になんとか止まれた。

 間一髪である。


「(そういや俺、これはどうやって飛んでんだ?)」


 何かの拍子に急落下などされたようでは堪ったものではものではない。

 魔琴は神への制裁を考えながら下へと降りた。

 ……………………

 …………

 ……


「で、どこだここ」


 鬱蒼と茂る密林は薄暗く様々な動植物の気配が感じ取れたが、脅威と言えるほど大きなものは無いように感じた。

 この感覚で行えている気配察知も力を操る能力の福次能力のようなものだろう。

つくづく万能な能力である。


「まあ、とりあえず状況把握か」


 この世界の今がどういった状況かでとれる行動は決まってくる。

 魔琴は今現在の状況に必要な『力』をイメージ、発動させた。


「情報を検索する程度の能『力』!」


 魔琴は情報を検索する程度の能『力』で今が何時かを検索する。が、


「……?」


 どういうことか、魔琴は検索能力の発動を感じられなかった。


「(上手くイメージが出来ていないのか?)」


 魔琴が作った検索能力は自分が念じた事柄に関し調べられるという能力で、解のある事柄なら音声のように頭に流れるというものだ。

 失敗の理由としては魔琴のイメージ不足、もしくは元々の解が無い可能性が挙げられた。


「他のも試してみるか」


 魔琴は時代情勢の検索を諦め、自分の能力を対象に換えた。

「っ……!」


 次の瞬間には情報が音声のように頭へ流れてきた。


 ――「力を操る程度の能力」万物その他、全ての『力』を操る能力。


「……なるほどな」


 どうやらこれは魔琴の設定そのままに、ただ検索した情報が頭に流れるだけという力のようだ。

 装飾の無い単純情報ほど使い勝手の悪い物もない。

 情報の捕捉をしてくれるようなナビが有れば良いのだが。


「んな都合のいいやつなんざ……」


 魔琴は右手を突き出した。


「作れば良い」


 ――能力発動


「無形物を有形物にする能『力』!」


 ――情報を検索する程度の能力を有形物に。


 魔琴が能力の指定をしたのと同時、突き出されていた右手の五指は光を帯びていた。

 見てみると、光は魔琴の目の前に集まり何かの形を成そうとしていたが、中々それは定まらない。

 おそらく術者のイメージが必要なのだろう。

「(そうだな……人型がいいだろうな。話せるし)」

 ベースは……ふんわりとした赤髪幼女だ。

 顔は、丸みを帯びた良型フェイス。

 肌はマシュマロのように真っ白に。

 目は大きい方が良いな。栗色で

 上着は黒と赤の袖無しチェック。

 中着は白い長袖のボタンシャツに。

 下着はブラ、ショーツともに薄く緑がかった白い下着。

 スカートは上着と同色で。

 大人しそうなお嬢様といった容姿。

 これで決まりだ。と、魔琴がイメージを終えると光は魔琴の視界を覆い隠した。

 魔琴は堪らず目を瞑り、目を開けるとそこには魔琴が想像した通りの女の子が  立っていた。

 文字通り、理想通りの姿で。


「…………はっ!」


 魔琴がしばらく見惚れてしまっても仕方ないことだろう。

 なんとか自身を再起動した魔琴が少女へ声を掛けようとした時だった。


「――ナビ」

「え?」

「私の名前」


 少女が自分から名乗りを上げたのだ。


「あなた、マスター?」

「えっと……」


 数瞬、魔琴は目の前の少女にどう対応するべきなのか迷ったが、とりあえず自分も名乗るべきと考えた。


「悪い、俺がマスターかどうかはわからない。で、俺は綺堂魔琴だ」

「まおと?」

「魔琴だ。綺堂魔琴」

「魔琴……魔琴……」


 少女は俺の名前を何回か繰り返し呟くと、にへらと笑い――


「――マスター……」


そう言った。


「はぁ……」


 ナビと名乗った少女に抱き付かれながら、魔琴は思った。

 ――なかなか面倒なことになりそうだ。

さあ、ナビさん登場!

次話から魔琴さんは縛られます。

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