七話 ~誰?~
サブタイが思いつかなくなってきたでござる(; ・`д・´)
「知らない天井だ……」
何とも今更過ぎるテンプレを吐きつつ、魔琴はベッドにて目を覚ました。
「それにしてもなんて夢だ、ったく」
――嫌なことを思い出した。
と、上体を起こそうとした魔琴だったが……。
「あ?」
妙な重みを感じ、魔琴は下に顔を向けた。
「……ナビ?」
そこには、いつの間にやら実体化していたナビが眠っていた。
「魔琴ー、起きてるー?」
「ああ」
この時、もう少し考えた返答をしていれば次の事態を回避出来たのかもしれない。
「入るわよー」
「ちょ……待っ――」
声の主、永琳の入室宣言でようやく静止の声を上げようとするも時既に遅し。
永琳は寝室のドアを開け、お互いにしっかりと目が合っていた。
「(面倒なことになった……)」
「ふーん、じゃあようするにその子は魔琴の能力の一つってことなのね」
「ああ」
リビングのテーブルにて向かい合う永琳の確認に、魔琴は頷いた。
あの後、魔琴は本気で児童誘拐の疑惑をかけられ衛兵に通報されそうになりナビが自分の能力であることを説明する破目になってしまった。
「(こんなことなら初めから紹介してた方が良かっただろうか?)」
そして事の原因であるナビになぜ勝手に出てきてしまったのかということを訊いてみると、
「こっちの方が、マスターを感じられるから」
これである。
このように言われてしまえば「しゃーないな」と返すほか無い。
隣でむしゃむしゃと食パンのトーストを頬張るナビを見ていると、どうしてもそのように考えてしまう魔琴であった。
閑話休題。
「まあだから、お前の心配するようなことは無いな」
「ならいいわ。あ、それとあなたがここに住めるよう上と掛けあってきたから。あなたたち二人は基本さっきの部屋を使ってちょうだい」
「そうか。悪いな」
「何でもいいけど、その子……えーと」
「ナビだ」
「そのナビは隠しておいた方が良いのかしら?」
「そうしてくれると助かるが、いいのか? お前はこの街の人間だろう」
永琳の立場を考え、思わずそう心配する魔琴。
「別に、隠しておきたいっていうならなるべく希望は叶えるわ。バレた時にどうなるかまでは責任持てないけどね」
既に朝食を終えていた永琳はクリームの入った珈琲ラテを口内へ流し込み、この話は終了した。
「じゃあ私は仕事に出かけるけど、帰ってきたら正式な助手としてコキ使うからそのつもりで。あと、この家ではリビングとさっきの部屋以外は立ち入り禁止。そのために水道とお手洗い完備の部屋を上げたんだから」
「家ではってことは街には出ていいのか」
「どうせ出るなと言っても出るんでしょう。それならある程度自由を約束した上で最低限のルールを守ってもらった方が建設的だわ」
「確かにそれは街についた時から思っていた。SF映画ばりの未来都市など見て回るなと言われても無理な話だ」
話の後にでも見に行こう、と魔琴は思っていた。
「でしょうね」
「家には見られたくないものでもあるのか?」
「余計な詮索はしないこと。でも、そうね。いろいろと研究資料が置いてあるのよ。……今は姫様もいらっしゃることだし」
最後の台詞は単なる独り言だったようで普通なら聞き逃してしまう程の声量だったが、あいにく魔琴は肉体まで高スペックである。当然聞こえていた。
「(ここの要人でも同居してんのかね)」
「じゃ、行ってくるわ。留守番よろしくー」
そう言って永琳は家を出た。
「……んじゃ、俺たちも出かけるか。ナビ」
「ん……」
ナビは粒子となって魔琴の中へと戻った。
「……行くか」
と、魔琴も永琳宅を出ようとした時。
「――えいりーん、いるー?」
着物姿の黒髪少女が、リビングに入ってきた。
「「……誰?」」
二人が言ったのは、ほぼ同時だったそうな。
『そうか。永琳の件は失敗したか』
「はい、申し訳ございません」
『いや、いい。この件に関しては、あいつを育てた俺にも原因はある』
「計画の方に何か変更は?」
『有り得んな。引き続きあいつの監視兼報告を頼む』
「了解しました」
ガチャ、と。
豪華な家具に囲まれた執務室の安楽椅子に背を預けた黒スーツを着た男は、西洋風の電話に受話器を落とすと緑色の迷彩服に身を包んだ部下に目を向けた。
「――――――――だそうだよ? ……黒峰一佐」
かぐや「わたくしの出番がこれだけって貴方舐めてますの?」
作者「すいません。次回はだいぶ出しますので今回はご容赦を(;O;)」
かぐや「絶対ですわよ? ということで、次回はわたくしのお話です♪」
作者「それではまた二週間後に(^^)/」
かぐや「お楽しみにー」




