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一人百物語 2

UMA?

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/07/20


以前いた会社の同僚の話。

同僚の実家は山沿いの農村で、老朽化から実家を建て直す事になり、長年住み慣れた母屋をまずは解体する事になった。

業者に頼んでこれから解体、という時に

「ご先祖様から長年お世話になった家なんだから」

と同僚のおばあちゃんが数珠を取り出して母屋を眺めながら拝み始めたので、業者が重機で母屋を取り壊す音が響き出した中、他の家族も手を合わせていた。

すると、どしゃん、とひときわ大きく母屋が崩れて屋根が落ちた残骸の中から


モゾモゾと何か大きなものが這い出てきた。


見れば。

それは大人が両腕を広げたくらいもある様な大きな蜘蛛だった。

その蜘蛛は同僚とその家族が驚いて見ている中、


モゾモゾ

ワシャワシャ


と目の前を通り過ぎ、近くの藪の中に消えていった。

が、その巨大蜘蛛を見て、おばあちゃんだけは驚く事もなく

「ありゃあ、きっとうちのヌシ様やで」

と再び数珠を鳴らせて拝んだという。


「それ、ホント?」

と私が聞くと同僚は

「うん、ホント。私も、私の家族も、解体屋さんも見たし。すぐ目の前を通って行ったんだよ~」

と言っていた。

こちらとしては、うなずくほかありません。




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