第一話
俺は、聖騎士だった。
アステリア帝国では、名も知れた聖騎士だった。魔王を倒し、この国の全てを守ってきた。
国民も、土地も、名声も、全て。
皆からは、英雄と言われ、称えられた。
しかし、どうやら俺は、その全てを守ってもその帝国では邪魔者だったらしい。
理由は知らない。だが、俺は毒殺された。
つまり、俺は帝国に裏切られたのだ。
でなければ、俺はそう簡単には死なない。
悔いが残る人生だった…。
その時、ナニかが問いかけてきた。
「もう一度、やり直したい…?」
「…!?誰だッ!」
「もう一度言うわ。貴方は、人生をやり直したい…?」
正直、やり直したい…。ここで躊躇ったら、もう二度とチャンスはないかもしれない…。
「状況は、よくわからないが、可能性があるなら、人生をやり直したい…!!」
「いいわ。ただし、貴方が生きていた人生より、もっと未来の新しい人生よ。それでも良いの?」
「ああ、それでも、チャンスがあるなら…!!!」
「…そう。頑張ってね。」
その瞬間、白い光で、目の前が全く見えなくなった。
「…!ス…様!アルス様!!」
「ハッ!?」
誰かの声で目を覚ました。
「ああよかった…一時はどうなるかと。ご両親を呼んできますね。」
その執事らしき人は、とても安堵した様子で微笑み、部屋を後にした。
しかし、こちらは相手は愚か、両親の名前も知らない。
(困ったな…)
周りを見渡すと、机の上に手紙が置いてあることに気がついた。
「その体にはもう慣れたかしら?私は、貴方を転生させた神よ。勿論、神が手紙を書くのはおかしいことかもしれないけれど、今は時間が無い筈だから、落ち着いてこの手紙を読んでね。貴方は、帝国屈折の名門、ブレイブ公爵家の長男のアルス•グランツ•ブレイブよ。貴方は現在、アステリズム魔導学園という帝国の中でも最高峰の学園に通っているわ。貴方は、6歳だから、まだ低学年よ。あら、ごめんなさい。馬鹿にしたつもりは、勿論ないわ。しかし、昨日、魔力判定を受けた結果、魔力が『0』だったの。それが原因かわからないけれど、貴方は、そのままショックを受けたのか、気絶してしまったわ。そして、今貴方がここにいるということなの。貴方のご両親のお名前は、貴方のお父様の名前が、ジークムント・ヴァン・ブレイブ。貴方のお母様の名前が、エルナ・ヴァン・ブレイブ。そして、貴方に仕える執事の名前がカイン・デル・ヴァルド。これで状況は分かったかしら?じゃあ、いい人生を」
(別に神が手紙を書いてもいいんじゃ無いか…?でも、神に感謝しないとな。)
手紙を丁度読み終わった時、ドアが開いた。
「ご主人様。大変申し訳ございません。今日は、ご両親は外出しておりまして…」
(嘘だ。)
俺は、すぐに分かった。
今まで俺がどれだけ、人の顔を見てきたと思っているんだ。
(つまり、俺の両親は、俺には全く興味がないってわけか…。ま、そうだよな。なんたって、魔力が全くなければ、そりゃそうなるよな。ましてや、公爵家の長男となれば尚更のこと…)
「…なぁ、カイン。今日は、学校があるのか?」
「ええ。ありますが…?」
「じゃあ、学校に行くか!」
「ご主人様!?」
こうして、俺の波乱に満ちた人生が幕を開けたのだった。




