さようなら
お待たせしました。こちらも長いですが、ゆっくりと読み進んでいただければ幸いです。
憂鬱で詰まらない学校が終わり、門の外で、昨日の男が僕に手を振りながら下校中の生徒たちにも聞こえる声量で僕の名前を呼んでいた。
僕は恥ずかしくて仕方なかった。見ず知らずの生徒に見られながら、僕は足早に男の車に乗り込んだ。
「あまり人がいるところで、僕の名前を大きな声で呼ぶのをやめてください。
恥ずかしいので」
「いいじゃん!名前を呼ぶくらいで、そんな怒るなよ」
男のどこか飄々とした態度に少しイラッとした。
この男のせいで未来の自分はこうなってしまうのかと思うと、ただでさえ今も憂鬱なのに、さらに未来に対して嫌気がさしてしまう。
「今日は、どこに向かうんですか?」と僕は尋ねた。
男はよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりにとても嬉しそうに、僕の顔に顔を近づかせてきた。
「今日は、神社とか、まあ、色々な所に行くぞ。もちろん俺に計画性なんてものはないから、電話で帰るの遅くなることはちゃんと言っとけよ」
この男は、本当に適当に生きているんだと感じた。でもこの余裕のある、心にも沢山のスペースがある暮らしに嫉妬している自分もいた。
僕の今の物語は、毎日に嫌気を感じ、詰まらないこの物語から解放されたかった。そんな自分よりも楽しく生きている人たちが妬ましくも思った。
もしかしたら、この男は僕の物語から解放してくれるかもしれないと胸が高まった。
「今日の学校はどうだった?まあ、楽しそうには見えないけど」
「そうですね。特に代わり映えしない毎日ですよ。例えるなら一回クリアしたゲームをまた最初からやっている感じですよ」
「いいたとえだね。じゃあ、一つ質問してもいいかな?」
男はさっきとは違う雰囲気で、真面目な顔になった。
「何で、一回クリアしたゲームをもう1回やるんだ?つまらないってわかってるのに、なぜゲームを変えないんだ?フロムゲーをやっているわけじゃないだろう?結局は人生を楽しめようが、楽しめなかろうが、自分が変えようって思わないと何にも始まらないよ?自分の物語は自分の力で面白くしないと、誰もそんなつまらない小説なんか読んでくれないぞ?」
少し動揺してしまった。さっきまであんな自由奔放な態度でいたのに、突然、真面目な顔つきになり、何を言い出すかと思っていたら、急に説教をしだしてこの男はやっぱり頭がおかしいのだろうか。だが、この男が言っていることは少しばかり正しく思ってしまう自分もいる。僕は今までずっと他力本願で、僕の物語を面白くしてくれる人をただじっと待っているだけだったのもまた事実だった。
もしかしたら、変わろうとすること、何者かになるのが無意識に恐怖していたのかもしれない。それから、男はさらに口を開いた。
「急に説教みたいなことを言ってしまてすまない。ただ言っておきたかったんだ。俺とお前はまだ会って、一日しかたってないが、実は俺はもう明日には帰るんだ。そしてこの思い出深い町ともおさらばしちまう。お前ともな。だから、これだけは言っておきたいんだ」
僕はこの男が去るの事には、そこまで動転しなかった。冷たく感じるかもしれないが、この男とはまだ会って一日でこの町から去ってしまっても、また同じ様な憂鬱な日に戻るだけのこと、僕は毎日同じ日を何度も繰り返して来た、そうまた同じ日が返ってくるだけ。僕は覚悟を決め、男の話に耳を傾け「はい」と応えた。
「俺も年だからな、お前が息子のように感じちまって恥ずかしいが言うぞ。
別に無理して変わろうとしたり、何者かになる必要はない。
確かに夢を持ったりすること、それをかなえることはとても素晴らしいことだ。
でも、人生で何が一番大事なことがわかるか?」
「精一楽しむことですか?」
「それも正解だ。だけど、俺が言いたいのはお前の悩みや、不安を面白おかしく聞いてくれる、友と呼べる。仲間を持ってほしいんだ。結局のところ、この世界で強がって孤独で過ごしても、心の中の闇は一生残り続けるし、そんな生活も長くは続かないさ。そういうふうに世界は出来てると俺は思うんだ」
「友なんてできないさ。僕はずっと一人だったんだよ?それに人が好きじゃないんだ」
「それはダメだ。お前はそのままの人生を送っていたら、確実に死ぬぞ?
それに未来のことを特別に教えてやる。お前が一人なのも今だけさ、何かの物語のようにお前の前に必ず親友と呼べる人物が現れるさ。その前にお前は人を好きになってくれ。これだけは約束してほしい」
男の一つ一つの発言に重みがあり、それでいて優しく、心の中が誰かに抱かれているような温かさがあって、この瞬間を脳裏に焼き付け、男に向かって「わかったよ。最低限努力するよ」と約束した。
そんな話をしているうちに神社に到着していた。
風に吹かれて木々が踊り、鳥居に付けられた紙垂が揺れ、まるで僕たちを迎え入れてくれるように感じた。
「着いたな。速攻お前りして、次の場所に向かうぞ」
「わかりました。それよりも神社に来るのはすごく久々ですよ。自分から行くこともないので」
「確かにな。俺も神社に来るのは久々だよ。社会人になると時間がなくてな
こういう時に行かないと、ますます、行かなくなっちまうからな」
「そうですね」
車の中の気まずく、ピリピリとした空気とは一変して少し和やかになり、この男に対する、不信感、不安感は僕の心の中から徐々に消えていき、僕は少しずつこの男のことを信用できるようになった。初めて気を緩めれる相手が明日には会えなくなってしまうことに淋しく、心細くなった。
車から降り、鳥居に入る前にお辞儀をし、鳥居をくぐり抜けて、その先には石段が空にまで届きそうなくらいに続いていて、今からここを上るのかと思うと言葉が出なかった。
「今からここを上るんですか?!僕そんなに体力ありませんよ!」
「これは想定外だったぜ。まあ、お前が新しい自分に生まれ変わると思って、この神社を選んだけど、まさかこんなに長いとはね。時間も迫ってるし走っていくぞ」
その言葉を聞き啞然とした。やはりこの男は頭がおかしい、こんなめちゃくちゃなことがあるのかと思った。男は先に走りながら階段を上っていき、僕も後に続いた。息を挙げながら、階段を一段とばしに上っては、休憩を繰り返しながら、上って行った。既に男の姿はどんどん小さくなっていき、とうとう小さいありんこみたいに小さくなっていった。僕が息を整えて、また階段を上ろうとしたとき遠くから、男の声が聞こえてきた。
「まだかー?俺はもう着いちまったぞー」
男は先に神社の入り口に着いていた。どこからそんな体力が沸き出ているのか、僕は不思議でならなかった。僕も時間はかかったが何とか上り切り、男と合流した。
「ナイスファイト!どうだ?気持ちいだろ?」
「もう二度とこんなことしたくはありません」と正直な気持ちを吐露した。
「まあまあ、これで一ついい思い出ができただろ?早く賽銭箱行って、おみくじ引きに行くぞ」
「ちょっと待ってください。休憩させて下さい」
「はいはい、わかったよ」
僕は道の端により、何か大失敗を犯してしまった人のように、かがみこみ息を整えながら、また立ち上がったと同時に男が飲み物を買ってきてくれていた。
「あんなのでへばるなんてどんだけ運動不足なんだよ。俺より若いのに」
少し小ばかに言われて、僕は内心憤りを感じたが男に悟られないように、心の中にしまった。
「飲み物ありがとうございます。おかげで生き返りました」
「ちょっとはいいところを見せないとな。落ち着いたら行くぞ」
「もう大丈夫です。落ち着きました」
「そうか」
僕たちは賽銭箱まで向かった。賽銭箱に向かている途中、疲れてて気づかなかったが、ここの神社の御神木だろうか、僕が生きてきた人生の中で初めて見る、大きさの木だった。縦が僕の学校よりも高く、そして力がみなぎっているように感じた。そんなご神木の前で立ち尽くしていると男が口を開き語りだした。
「この木は何年生きてるんだろうな。この大きさになるまで何年かかったんだろうな」
「そんなこと、僕たちがわかるわけないですよ」
「そりゃそうだな。でもこの木は、過去、現在の人々の物語を優しい気持ちで見守ってきたんだろうな。参拝しに来た人をまるで自分の赤子を見るように、この場で」
「そうかもしれないですね。じゃあお賽銭しましょう」
「そうだな、そういやお前財布持ってんのか?」
「持ってきてないですよ。家に寄ってくれなかったんですから」
「はいはい、お金出しますよー」
僕たちは、また歩き出した。お賽銭にお金を投げ、願いことをし、おみくじを引いた。僕は大吉で、男は凶だった。男は物凄く動揺していて、見ていて滑稽だった。すると男は不服そうにはお守りやお札が売っているお店に入っていき、僕のところに戻ってきた。
「ほら、これやるよ」
男は僕の前にこぶしを突き出し、手を開いた。
男がくれたものはお守りだった。緑色で中央には文字が編まれており、対人関係と書かれていた。
「ありがとうございます!不服そうにお店の中に入っていたから、てっきりおみくじでも引き直しに行ったのかと思いましたよ」
「俺は大人だぞ?そんなんで気を落とすようなことはないさ。
だいぶ時間食っちまったな、時間的にも行けそうな場所はひとつだな」
男は首を傾げながら、ボソッと呟いた。僕はもうすぐお別れの時間が迫っていることに、落胆してしまった。初めて友達と呼べるような人ができたのに、もうすぐ僕の前から消えてしまう。また過去の自分に戻り、毎日をただ一人、孤独で過ごす日々に戻るのなんて、消えかけていた闇をまた抱えるなんて嫌だ。
男もそのことを差してくれたかどうかはわからなかったが、僕の頭を優しくなでてくれて、心がまた温かい気持ちでいっぱいになった。
「早く車に戻るぞ」
僕たちは、石段を下り、鳥居の前に行き、二人同時にお辞儀をし、男の車に戻った。初めて来た神社だったが、人も少なく、ゆっくりと穏やかに過ごせた。
もしかしたら、あの階段が長いせいで、人が少ないのかもしれないが、それでもとてもいいところだった。次はどこに向かうのだろうか。男は車のカーナビで何かを打ち込んでいた、きっとそこが次の目的地なのだろう。
「次は俺のお気に入りの場所に行くぞ。少し遠いが我慢してくれよ?」
「全然、大丈夫ですよ。僕はただ座っているだけですし」
「確かにな。じゃあ、行くか」
そう言い男の車は走り始めた。次の目的地はどんな場所で、僕の物語にどんな一ページを書き記してくれるのか、とても楽しみなのと同時に、もしかしたら、さっきの神社みたく苦痛なことが待っているんじゃないかと警戒したが大丈夫だろうと男を信用して、車の窓から外の景色を眺めた。外は薄暗くなってきたと同時に僕に美しい星や月を見せてくれた。僕は思わず「星や月ってこんなにきれいだったけ?」と呟いた。毎日見てるはずなのに久しぶりに見たような感覚になった。
「これが俺がこの街が大好きな理由さ。ここは本当にきれいな空を見せてくれる。こんな夜空は中々、ほかのところじゃ味わえないからな」
「確かにそうかもしれないですね。僕、毎日こんなきれいな夜空を見てきたはずなのに、今日は一段と綺麗に感じます」
男はこちらをチラッと覗いて微笑んだ。
「いいねー、今のお前すごく明るく見えるよ。昨日会った時とは大違い」
「そう見えますかね?」僕は少し照れ臭くいった。
「見える見える。まるで別人」
「なんか頑張れそうですよ。これからの自分の物語を、絶対面白くして見せます!」
「そりゃ良かった。でもほどほどに頑張ればいいからな。頑張るのって疲れるし、しんどいからな。ほどほどでいいんだよ」
「わかりました。ほどほどに頑張りますよ!」
「おう」
男はまた微笑んだ。
あたりもさっきより闇に包まれ、その闇の中に月や星が自分はここにいると自己主張しているようだった。風景も変わらず山で囲まれていた。
山の中の悪路を通り抜けながら、徐々に上っていた時、開けた駐車場のようなところに着いた。
「着いたぞ」
そう男は言いながら、車から降りて行った。僕も男についていくために車から降りた途端に鳥肌が立った、山の山頂そこから見える夜空は、闇の中に数えきれないほどの星たちがちりばめられていた。車の中で見た時とはまた違って見え、この街にこんな景色があったのかと脱帽し、言葉がのどを詰まらせた。星の光と月の光が僕と男にスポットライトを当ててくれて、僕たちは長い時間、無言で夜空を鑑賞していた時、僕は決心した、何か物語を書いてみたい。このありふれた気持ちを興奮気味に男に伝えた。
「僕見つかったかもしれないです!やりたいこと、やってみたかったこと!」
「そうか、見つかってよかったな。で、何になりたいんだ?」
「僕、小説家になってみようと思います。この気持ちを、この興奮を本に書き記して、誰かの大切な1ページになってくれるような、本を書きたいんです!」
「小説家か。きっとなれるさ、お前なら」
男は星空を眺めながら言った。僕も一緒に星空を眺めながら呟いた。
「未来の僕は、どんな生活を行くっているんですか?」
「ただ普通の生活を送っているさ。でも、お前は自分の道を見つけた、俺が歩んだ道とはまた違う道を歩んでいくんだろうな」
男は少し淋しそうな表情で言った。この男が毎日どのような生活を送っているのだろうか。この男には世界がどのように映っているのだろうか。
男はどんな道を歩んでいるのか、気になって仕方なかったが、言ったところで男は口を開かないと思い、この疑問を胸の奥にしまった。
幻想手だった夜空も雲で隠れてしまい、月光と星空で照らされていた山頂も、暗闇に包まれかけているとき、男がボソッと「そろそろ、帰るぞ」と小さい声量で呟いた。もうすぐこの男が去ってしまうのかと思うと淋しくて仕方がなかったが、きっと男も同じ気持ちなのだろう。足早に男の車に向かい、乗り込んだ。
車の中の空気は、僕たちが初めて会った時のように、またどんよりしていて、それに加えて、寂寥感も漂っていた。あんなに自由奔放だったのに、まるで人が変わったように、口数も減っていた。そんな空気に耐え切れなくなり、男に尋ねた。
「どうしたんですか?ものすごく表情が暗いですけど」
「ただ疲れているだけさ。今日はたくさん運転したからな」
僕は少し冗談半分で男にまた尋ねた。
「淋しんですか?」
「あぁ、淋しさ、お前は淋しく感じないのか?」
男が真面目な表情で答えたことに動揺したと同時に場を和ませるために、言った冗談を少し後悔した。
「淋しいに決まってるじゃないですか。僕は少なくとも親友だと思ていますよ」
「まさか、冗談で手紙に書いたことが本当のことになるなんてな」
男はひっそりと笑った。
「親友って書かれていましたね。あの手紙は本当にびっくりしましたよ」
「だろうな。差出人も不明だったしな」
「本当ですよ」
僕たちは談笑しながら、僕の家まで向かった。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに、残酷にも時間が過ぎていき、この時間にも終わりが見えてきた。男もそのことに勘ずいているのか、徐々に口数が減っていった。僕の家がもう目前に見えていた、もう1分後にはそこに着いてしまうだろう。僕はこの楽しくて温かい時間が終わってしまう、淋しさと悲しさを嚙みしめ、男に感謝を伝えた。
「本当にありがとうございました。あなたのおかげで僕は変われそうです」
「俺が、過去の自分に感謝されるなんて、なんか違和感があるな。
まあ、でも、お前の手助けができてよかったよ」
男は笑って言った。
「どうして、僕に会いに来てくれたんですか?」
僕はずっと疑問に思っていたことをやっと尋ねることができた。
「お前ずっと後悔してただろ、人間関係のことも、やりたいことも、ずっとそんなことを考えながら、歯を食いしばって生きてきただろ?
俺も同じだった。お前に俺と同じ道を歩ませたくなかったんだよ。
だから、こうして会いに来た。お前を助けるためにな」
僕は涙が出そうになったが、男の話を聞くために我慢した。
「あなたは変われなかったんですか?」
「変われなかったよ。お前みたいに誰かが寄り添ってくれたら、また違ったかもな。俺はもう遅すぎた」
男は吐息交じりに呟いた。話をしているうちに僕の家に着いてしまった。
外の空気は冷たく、風が吹き身体の体温が奪われていく、僕は立ち尽くしていた。この男ともう会えない、くだらない話も出来なくなる。こんな物足りない世界でまた生きていく、でも、不思議と不安はなかった。やりたい事を見つけられたから、そう感じるのだろう。やっぱりこの男に会えてよかったと心底思った。僕はまた、目に涙を浮かべそうになりながら、男に伝えた。
「僕、絶対に小説家になって、あなたの心に寄り添えるような小説を書いてみせます!」
男は僕に顔を合わせずに「おう」とだけ小さく答えた。
きっと男も僕と同じ気持ちになっているんだろう。
誰だってお別れは辛いし、怖いけど、新しい人間関係や物事、物語が待っている。人間はそうやって大人になっていくんだろうか。僕にはまだこの疑問に答えが出せない。僕はこの疑問を男に投げかけた。
「人ってどうやって大人になっていくんですかね」
男が答えた
「それは俺にもわからない。その疑問はお前が生きていきながら答えを見つければいい」
「そうですか。でも、僕よりも年を取っている、あなたにもわからないのに、僕なんかに答えを見つけられますかね?」
「それもわからないな。人生は短いようで長いからな、そのうち答えを見つけられるさ」
男は笑って答えた。
「まあ、もしその答えがわかったら、小説にしてくれよ」
「わかりました。もし見つけられたらですけどね」
そんな与太話をしながら、少し時間が過ぎ、お別れの時間がやってきた。
「じゃあ、俺帰るわ、お前とたくさん話せて楽しかったぞ」
「僕もです。あなたに会えてよかったです」
「おう、お前の小説楽しみにしてるぞ」
「はい、楽しみにしといてください」
「そんじゃあな」
男の車は行ってしまった。暗闇にポツンとあった車がどんどん消えていき、車の光も飲み込んでいく、僕は一人、それを眺めながら家の玄関に向かった。
夕食を済ませ、部屋の明かりを消し、月光に部屋を照らされながら、男と過ごした二日間を振り返りながら、眠りについた。
あれから7年たち、僕は机の上で小説を書いている。窓からの景色はいつもと違って見えた。緊張で手元がブルブル震えて、うまく文字が書けずにいた。
今日は初めて僕の本が書店に並ぶ日、その小説の題名は「未来の自分が会いに来た」
僕は、あの男に感謝をしている。あの時、暗闇の中にいた僕を引きずり出してくれたこと、突然、僕に説教したこと、神社に連れて行ってくれたことも、きれいな夜空を一緒に眺めたことも、楽しく談笑したことも、どれも僕の心に残る思い出を作ってくれた。人間関係はまだ苦手で、友達も少ないが孤独ではなくなった。どれもこれもあの男のおかげだ。」
もう一度、あの男に会いたい。僕は今でも男から貰ったお守りを見つめながら、思い出に浸っている。
ここまで読んでいただきありがとうございます。この章で、この物語は終わりです。
また新しい物語を書いていくので、そちらのほうも読んでいただけたら嬉しいです。
それでは、またどこかで。




