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【恋愛・青春対応】
信楽松子は人を待っていた。
“遅いなぁ。待ち合わせの時間から15分過ぎてる。連絡ぐらいよこしてよ”
それからさらに5分くらい経って、待ち人が現れた。
息堰切りながら、絶え絶えに、
「ごめん!待たせちゃって」
待ち人は、小さな紙袋を手にしていた。
松子はその場で怒りたい気持ちを抑え、
「い、いいのよ。それさえ受け取れれば⋯⋯」
待ち人の目が、見るからにまあるくなって、
「あ⋯⋯これ。ダミーなんだ。驚いた?」
松子の肩がわなわなと震え始め、
「待って損した!何なのよ!?」
待ち人はあたふたしながら、
「ま、つこさんには⋯⋯これを」
渡されたメッセージカード。そこには⋯⋯
「ありがとう⋯⋯(泣)」




