第4話
日本に戻った俺は、異世界で売る商品を仕入れ中だ。
まずは、100均に行って大量買いだ。購入した商品を両手いっぱいに持ってトイレに入る。誰も居ない事を確認してマジックバックに入れる。これを数度繰り返す。
次はスーパーだ。カップ麺や缶詰など長期保存が出来る食品を大量買いして、マジックバックに入れていく。
マジックバックを追加で10個買って来て良かった。今有るマジックバックは20個。
金貨用が1つ
金貨以外の小銭用が1つ
異世界行きの扉用が1つ
異世界で使う布団とマットレス用が1つ
異世界で買った剣や防具用が1つ
俺の部屋の引っ越し荷物用が1つ
保存食用が4つ
異世界で売る商材用が8つ
全部のマジックバックを入れる用が1つ
予備として使って無いのが1つ
もう、“マジックバック無しには生活が出来ない”と言っても過言では無い!
日本で1日中買い物をしたおかげで、金貨や銀貨を売却して得た17万円が消えた。一番高かったのはマットレスなのだが、これは必要経費だろう。
自宅に戻った俺は、缶ビールを飲みながらマッタリとした時間を過ごしている。
ちなみに、異世界での魔法の練習は2時間ほどで終わった。
ウォーターボールもウォーターアローもウォーターランスも形が違うだけで、基本的には同じだった。
生活魔法と違って、一度に大量の水を生成して射出する魔法だ。水の形状や射出速度はイメージの問題だ。
だがそれでも、良くわからない事はある。
水魔法は俺の近くにしか水を生成出来なかった。しかし風魔法は20メートル離れた場所から射出する事が出来た。
水魔法と風魔法の違いといえば、風魔法はその場にある空気を操作しただけで空気は生成してない事だろう。同様に土魔法も20メートル離れた場所の地面を変形させる事が出来た。
この結果だけを考えたら生成は手元、操作は20メートルという事になる。
実際、ウォーターボールの射出後に軌道を変える事に成功したが20メートル離れると操作出来なくなった。
だが、魔法とはこれだけなのだろうか?
いや、何も無い所に水を生みだす事は科学的に説明出来ないから凄いんだけど、もっとファンタジー的な事は出来ないだろうか。
うーん。1人で考えても良くわからないな。明日、魔法屋のお姉さんに訊いてみよう。
☆
「エアカッター!」
「アイスアロー!」
フッフッフ。魔法屋のお姉さんに相談して正解だった。今までのエアカッターでは雑草くらいしか切れなかったけど、今なら木や岩も斬る事が出来るようになった。おまけに氷の生成にも成功した。
俺は魔法という物を勘違いしていたようだ。
風魔法は気体、水魔法は液体、土魔法は個体、火魔法は熱エネルギー、でもプラズマ化までするかは不明。これらを操る事が魔法らしい。
水魔法での水の生成も、大気中や地中の水分を集めているらしい。
“らしい”と言うのは、魔法屋のお姉さんと俺の高校の科学知識をすり合わせた結果、このような解釈に至ったのだ。
エアカッターの発動時に土魔法で微量の鉱石や金属を混ぜる事で切れ味が格段に上がった。
水魔法で形成した水から火魔法で熱エネルギーを吸い取れば氷が出来る仕組みだ。
「あとは射程距離や有効距離の把握だな」
これは何回も練習して試すしかないな。
「エアカッター!」
「エアカッター!」
「エアカッター!」 「キャンッ!」
ん? 今のは鳴き声か? 草むらに何かが隠れていたのだろうか。
50メートルの距離に、ツノの生えたキラーラビットと言うモンスターが両手両足を切断された瀕死の状態でいた。
「ギルドに持って行ったら買取してくれるだろうか」
俺は首の所に剣を刺して、近くの木に逆さ吊りにして血抜きをした。
この後も魔法の練習を続けて、その蒔き沿いにあったキラーラビットは合計8匹になった。
思いの外キラーラビットが多く隠れていてビックリだ。
ギルドの解体場では、血抜きしたなら内臓も捨ててから来い! と文句を言われたが、日本で普通に生活していた俺としては血抜きしただけでも誉めて欲しいくらいだ。
キラーラビット8匹は銀貨4枚になった。1匹当り500円相当と考えると安いのか高いのか良くわからない。
宿も戻った俺は自分に鑑定を使ってみる。
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エイジ 40歳 レベル3
スキル 魔力循環 生活魔法 鑑定 身体強化
火魔法 風魔法 土魔法 水魔法
回復魔法 付与魔法
称号 異世界人
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鑑定だとレベルや称号も確認出来る。他人を鑑定しても俺以外に称号が付いてる人に有った事が無いので、他人の称号は見えないのか称号を持った人が居ないのかは解らない。
キラーラビットを倒したのでレベルが上がっている。が、それよりも今日購入した回復魔法と付与魔法だ。
回復魔法は金貨200枚、付与魔法は金貨50枚だった。正直高かった。チョビ髭屋で金貨400枚を得たのに、その殆どを魔法屋で散財した事になる。
早速試してみたいのだが、回復魔法は・・・ワザとケガするのは嫌だなぁ。後日にしよう!
付与魔法を試す事にする。
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鉄剣 ++
【 】
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俺の剣に風魔法を付与する。
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鉄剣 ++
【ウイングブレード】風属性がついた鉄の剣
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やはり、空きスロットがあるのは付与が出来るという意味だったんだな。
武器は強くなったが、俺自身は剣を使えないという問題はどうしたら良いんだろうか。
この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・地名とは一切関係が無い訳が無い。