第25話
昨日のゴミ達はお礼参りには来なかった。このまま心を入れ替えてくれれば良いな。
朝から王都に向けて自転車で疾走する。オフロード用とはいえ、メンテナス無しで身体強化まで使って酷使した影響でアチコチに歪みが出てきてる。そろそろ限界だろう。
昼食にバーガーを食べながら、A1には地竜の肉を与える。
A1専用になったマジックバックに手を入れると、なぜかお金が入ってた。金貨や銀貨、鉄貨や銅貨まで入ってる。俺は入れた覚えが無いのだが?
「A1、この金は盗んだのか?」
「キュキュン」
違うらしい。
「どこから持って来たんだ?」
「キュンキュキュン」
ゴミから回収した?意味がわからない。ゴミ捨て場にこんなにお金が捨ててあるハズがない。
「ゴミって何のゴミだ?どこのゴミだ?」
「キューンキュキュキューン」
あぁ。確かに昨日の奴らは、俺の認識ではゴミだ。壊れた家もゴミだ。
A1に金を稼ごうと言ったのは俺だし、名前の由来も1万円札だ。これは認めざるを得ないな。
「A1、良くやった!ゴミの再利用は重要だ。でもゴミじゃない所からは拾って来たらダメだぞ」
「キュンッ!!」
これで大丈夫だろう。
☆
前の街を出て3日目、王都の城壁が見え始めた頃とうとう自転車のチェーンが切れた。
王都は目の前だ。ここからは歩いて行こう。
城門に近付くと長い人の列が見えてきた。流石王都だけあって賑わってるようだ。
2時間程並んび冒険者証を見せて中に入る。
当然、最初に行くはの魔法屋だ。でも王都だけあって1軒って事は無いだろう。冒険者ギルドに行って聞いてみよう。
王都には魔法屋が4軒あるそうだ。既に3軒に寄ったがどれもハズレだった。
ここが最後だ。錬金術が有れば良いな。なくても珍しい魔法球が有れば良いのだが・・・
「何か珍しい魔法球はあるかい?」
「ん?客かい。珍しいと言えば、珍しいのは有るね」
「何の魔法球なんだ?」
「解析だよ」
おぉ。それは初めてだ。でも鑑定とは違うのか?
「鑑定は持ってるんだけど、何か違いは有るのか?」
「一言で言えば、鑑定よりも優れてるんだよ」
それは凄いな。でも、ここは王都だろ?そんなに凄い魔法球なら、国に摂られずに残ってるなんて事あるのか?
俺が貴族や王様なら絶対に自分の部下に使わせるけどな。
「あんた、気が付いたかい。これは優れてる反面、リスクも有るんだよ」
「それで、リスクって何かは教えて貰えるのか?」
「取得率が非常に低い。一説では魔力量が一定以上必要と言われてる。一説では取得済みのスキル数が一定以上必要と言われている。一説では完全に運だと言われてる。要するに取得出来る条件がわからないって事だよ。それでも使うと消えるからお金は先払いだよ」
随分とギャンブル性が高い魔法球だな。
「それでも取得に成功した人はいるんだろ?」
「そりゃあ、過去にはいるさ。取得してる人でまだ生きてる人は知らないけどね」
「ちなみに、いくらだ?」
「白金貨200枚だよ」
それは凄いギャンブルだ。金貨なら2万枚。日本円換算なら20億円相当か。
俺が貴族や王様なら、そんなギャンブルを部下に託す事はしないな。この店に魔法球が残ってるのも納得だ。
白金貨200枚ならギリ買える金額だ。地竜をギルドに売っといて良かった。
俺は白金貨200枚を支払って魔法球を使用した。
「ぐっ。くうぅぅぅ!」
何かが俺の中に入ってくると、頭が割れるように痛くなった。
なんだコレなんだコレなんだコレ今までにこんな事は無かったぞ・・・
「ハァハァハァ」
「なんだい、驚いた。死んで無いって事は取得に成功したのかい」
「ど、どういう意味だ?」
「言っただろう。失敗したら死んで体ごと消滅するんだよ」
え?聞いて無いぞ!
あ、消えるって、魔法球が消えるんじゃなくて、肉体が死んで消えるって意味かよ!
そんな大事な事はキチンと説明しろよ!!
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エイジ 40歳 レベル98
力 S
体 A
速 S
知 A
魔 S
スキル 魔力循環 生活魔法 鑑定 身体強化
火魔法 風魔法 土魔法 水魔法
回復魔法 付与魔法
剣術 アイテムボックス テイム
槍術 索敵 気配遮断 雷魔法
認識魔法 空間魔法 体術
時間魔法 投擲 解呪魔法 解析
称号 異世界人
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項目が増えたって事は成功したようだ。
全く酷い目にあった。今日はもう帰って休もう。解析で何が出来るかは明日以降考えよう。
☆
“異世界人;異世界からの放浪者、肉体時間が限りなく遅い”
なるほど、解析や鑑定で見えた項目も更に解析出来るのか。これは便利だ。
そして推測通り俺は異世界では限りなく不老のようだ。
“万能薬;素材、竜の血、月光草、月待草、月見草”
これって日本にも同じ植物はあるのだろうか?ヒントくらいにはなるかも知れないな。今度伝えてみよう。
俺が宿屋の1階の食堂へ朝食を食べに行くと、見覚えのある2人がいた。
「あ。エイジ?」
「ん?おぉ。テーブラ、久しぶりだな」
「エイジにゃー」
「クロッチも久しぶりだな。2人とも王都に居るって事はお嬢様の依頼は終わったのか?」
「そうにゃ。もうあんなクソお嬢様の依頼は御免にゃのだ」
「クロッチ、そんな事を言ってらダメよ」
「もう依頼は終わったから関係無いにゃ。それに最初の予定では70日の依頼だったにゃ。実際は180日もかかったにゃ。全部我がまま言ってるクソが悪いにゃ」
「その分報酬は貰ったんだから、我慢しなさい」
クロッチがクソお嬢様なんて言うには相当な事が有ったんだろうな。
俺が別れてから何があったんだろう。別に知りたくもないし、想像がつくから聞かなくて良いか。
それにしても、本当に王都で会えるなんて凄い偶然だ。もう2度と会えないと思ってたのにな。
この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・地名とは一切関係が無い訳が無い。




