第18話
異世界に戻った俺は、早速冒険者ギルドに行って討伐依頼が無いか探してみた。だが、目ぼしい依頼は残っていない。
「もう昼だから、こんな時間には残ってないか」
暇そうにしている受付嬢に、近隣の強そうな魔物の情報が無いか訊いてみる。
この街の近くには小さな森しか無く、元々大型の魔物はいないらしい。北西に5日程行った隣街なら森に囲まれてるので、討伐依頼目的の冒険者が多い街らしい。
それなら魔物が多い隣街に移動した方が良いか。5日の距離ってどのくらいだろう。200Kmと仮定しても身体強化と自転車が有るから1日で行けそうな気がするな。
テーブラ達には明日の朝、街を出るとは言ったけど今から出発しよう。明日の朝、門の前で見送りされるのもイヤだしな。
☆
「はぁはぁはぁ、やっぱり昼からの出発は無謀だったか」
俺はその日の内に隣街の門前まで到着したが、既に門は閉まっていた。
日が傾き始めてからは気合を入れてペダルを回したのだが、途中上り坂が多くて日没に間に合わなかった。
「今日は野宿かな」
アイテムボックスから日本製の弁当を出して食べていると、魔物の鳴き声?が結構聞こえて来る。
「ここは魔物が多いって訊いてたけど、街の近くでも危険かな?」
俺は土魔法を使って高さ3メートルの土壁を4方に作り出し、俺は壁に囲まれた空間で寝る事にした。天井は作ってないので頭上には星空が見えるが俺が知ってる星座は1つも見えない。
翌朝気が付くと既に日が登っていた。土壁の外からはガヤガヤと人の話し声が聞こえてくる。どうやら夜の間に突然出現した土壁について衛兵が話しをしているようだ。
今、俺が壁の中から出て行ったら騒ぎになりそうだが、街に入るには壁から出るしかない。土魔法で壁の一部を破壊して壁の外に出ると、衛兵が槍や剣を構えて俺を取り囲んだ。
「お、おはようございます」
俺は満身の笑みで挨拶し“敵意は無い”アピールをした。
衛兵の詰所から解放されたのは、その日の夕方だった。衛兵に対して俺のスマイルは無価値のようだ。
無駄な1日を過ごした翌日、冒険者ギルドへ討伐依頼を見に向かった。
依頼の中にレッサードラゴン討伐があったので受付に持て行くと、受付の兄さんから忠告を受けてしまった。
「あんた1人かい?なら止めときな。レッサードラゴンは複数で行動する事が多い。腕に自信が有っても囲まれたら終わりだ」
たしかに、レッサードラゴンの強さも知らないのに依頼を受けて、失敗して帰ってくるのは格好が悪い。
場所だけ訊いて、勝手に行って、勝手に討伐して帰って来よう。逃げ帰って来ても誰にも迷惑が掛からないから良いだろう。それに俺が欲しいのは実績じゃ無くて経験値だからな。討伐さえ出来れば問題ない。
ギルドで訊いた森へ向かう途中、1匹のレッサードラゴンが森から飛び出て来た。俺を見つけるとそのまま草原を走って来やがった。
レッサードラゴン的には、俺はエサなのか?近付いた所でエアカッターを放つが動きが早くて致命傷を与えられない。レッサードラゴンと交差するように横に飛んで避ける。
「ギャオォォォォォ」
方向転換し更に俺に向かって突進してくる。
「サンダースピア」
「ギャッ!」
走ってる最中に電撃を受けたレッサードラゴンは体が硬直し前のめりにコケた。【ウイングブレード】で首を斬り水魔法で血抜きをしてアイテムボックスへ収納した。
どうやら足の速い魔物には雷魔法で足止めするのが有効なようだ。
血抜きで作った血液の塊を森の方へ射出すると、森の中に隠れていたレッサードラゴンが次々と姿を現し俺に向かて走ってきた。
「サンダースピア」
「サンダースピア」
「サンダースピア」
「サンダースピア」
「サンダースピア」
「サンダースピア」
「サンダースピア」
倒しても倒しても森の中から次々現れる、わんこそば状態だ。
俺の意思で“おかわり”を止めれないのは厳しいな。だからと言って尻尾巻いて逃げたくてもレッサードラゴンの方が足が速いので無理だ。
「レッサードラゴンの残弾数が切れるのが先か、俺の魔力が切れるのが先かのチキンレースかよ!」
☆
「ハァハァハァ。終わったのか?こりゃあ、ギルドが止めるのも解かるな・・・」
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エイジ 40歳 レベル59
スキル 魔力循環 生活魔法 鑑定 身体強化
火魔法 風魔法 土魔法 水魔法
回復魔法 付与魔法
剣術 アイテムボックス テイム
槍術 索敵 気配遮断 雷魔法
認識魔法 空間魔法
称号 異世界人
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おぉ、結構上がってるな。
毎日、は、精神的に無理だけど、レッサードラゴン狩りを続ければレベル99まで行けるかもな。
俺はこの街でレベル99を目指してレベル上げをする事にした。
この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・地名とは一切関係が無い訳が無い。




