第13話
「随分と急な出発だな」
「報奨金の件が終わったら出発する予定だったからな」
ギルドで報奨金の受け取りをした1時間後、テーブラとクロッチは護衛依頼で出発する事になった。
「またどこかで会おう!」
「ウチのこと忘れにゃいでねぇ」
「あぁ!またな!」
さて、これでまた気ままな一人旅になったな。宿代はあと1泊分払ってるから、明日出発するか。
街ブラしながら魔法屋に寄ってみる。相変わらず品数は少ないが、認識魔法という魔法球を見つけた。何に使える魔法か解らないが取り合えず購入しておこう。
ギルドの解体場でアイテムボックスの肥やしになっているウォーバッファローをドサドサッと出して解体を頼む。25匹出した所でストップがかかってしまった。おまけに、血抜きをしてないのが入っていたようで、シコタマ嫌味を言われた。
旅の途中で狩った魔物は血抜きをしないで、そのままアイテムボックスに収納してた事を忘れてた。午後から街の外に行って血抜きをしておこう。
ウォーバッファロー1頭分の肉は売らずに持ち帰る事にした。日本で調理してくれる人が見つかれば良いな。
久し振りに日本で買った弁当を食べて、ウォーバッファローの肉を受け取った俺は血抜きをしに街の外へ向かっていた。
門の方が騒がしいので近付いて見ると、クロッチが血だらけで怪我をしていた。
「ヒール。クリーン」
「あっ、エイジ!テーブラ達が!」
「わかった!」
俺はクロッチを背負って、身体強化を使い走り出した。
「あっちだ!」
「わかった!」
走り出して20分ほどで横倒しになった馬車が見えて来た。馬車の周りではまだ戦闘が行われてるようだ。
「あの巨人族がベンピィの弟らしい」
ベンピィって盗賊団のか。じゃあ敵討ちに来たって事か?兄弟揃ってロクな生き方してないな。
それよりもテーブラ達は無事なのか?
「まてぇえぇぇぇ!!!」
「ん?」
「お前の兄貴をやったのは、俺だ!」
クロッチは俺が立ち止まる前に背中から飛び降りてテーブラの加勢に行ったようだ。まずは「エリアヒール」
「コ、コ、コ、コイツを殺せー!」
敵が3人俺に向かって来るが、敵味方が入り混じった乱戦になっているのでエアカッターは使えない。
俺は【スタンブレード】の鉄剣を取り出して1人1人手足を斬っていく。手足を斬り落とさなくても、感電して3人の体は動かなくなった。
「俺が巨人族の相手をする」
「すまない、エイジ」
俺は巨人族と向かい合って構えた。やはりデカい、3メートルくらい有りそうだ。
「お前がぁ、お前が兄ちゃんを!」
「あぁ、お前の兄貴は弱かった」
「ぐ、ぐ、ぐそぉー」
大振りなところは兄貴とそっくりだ。俺は1撃を躱して【スタンブレード】で斬りつけるが金属鎧が邪魔をして感電を疎外された。
「その程度で俺がやられるはずがないだろ」
「それじゃあ、これはどうかな?ファイヤーストーム!」
「ぐああぁぁぁぁぁぁ!」
金属鎧じゃ熱は防げないだろう?俺は魔力を注ぎ続けて火炎嵐を維持したまま、全身を炎で炙り続ける。
「ゲッ、この炎の中でまだ動くのかよ」
もっと酸素の供給を増やして火炎嵐から火災旋風に出来るだろうか。
「エアサイクロン!」
火柱が一気に伸びて、炎の柱が業火の竜巻に成長した。輻射熱で近くにいる俺も火傷しそうな熱量だ。
「ぐおおぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・」
「お、お頭ぁ!・・・に、逃げろぉ!」
リーダーを失った盗賊は脆い。統制が効かずバラバラに動き始め、連携が取れていない。こうなれば勝負は決まった。ただの残党狩りだ。
テーブラ達が、あっという間に斬り捨てて戦闘が終了した。
横倒しの馬車を起き上がらせると、中から「いだっ!」と声がした。ような気がしたが聞えなかった事にしておく。
テーブラは盗賊の首を集めてマジックバックに積めていた。
死体の処理も終わった所で、俺は全員にエリアヒールとクリーンをかけた。
「ありがとうにゃ、エイジ」
「あたしも助かった」
「あぁ、間に合って良かったよ」
「あたしらもまだまだって事だね」
「ご。ごほん・・・」馬車の中から声がした。
「あー、助けてくれた事、感謝するのじゃ。エイジと言ったか、私達の護衛に加わるのじゃ」
「えっ?」
「メイデン様それでは?」
「その男を雇おう」
うわぁ。面倒臭い事になってしまった。今の話し方だと貴族かそれなりの地位の人なんだろう。断りたいけど、断ったらもっと面倒な事になりそうだな。
護衛の目的地は王都らしい。俺の取り合えずの目標も王都なので王都に行く事に異存は無い。
“旅は道連れ”とは言うが、俺を道連れにしないで欲しい。
俺1人なら自転車で気持ちの良いサイクリングをする予定だったのに、今はゾロゾロと馬車の護衛をしている。
話しを聞くと、次の街まで5日らしい。暇過ぎるので自分のステータスでも確認しよう。
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エイジ 40歳 レベル28
スキル 魔力循環 生活魔法 鑑定 身体強化
火魔法 風魔法 土魔法 水魔法
回復魔法 付与魔法
剣術 アイテムボックス テイム
槍術 索敵 気配遮断 雷魔法
認識魔法
称号 異世界人
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この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・地名とは一切関係が無い訳が無い。




