表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あるタクシー

作者: 雉白書屋

「うぃっく、うっく、おえっ」


「お客様、どちらまでお運びしましょうか」


「テキトーにたのむよぉーん」


「目的地をお願いします」


「いいからはしれっちぇーんだよあっちゃんたんたん!」


「かしこまりました。では夜景が美しいコースを走りましょう。

おすすめですよ。安全のため、シートベルトをお願いします」


「あいあいあーい! おさーるさーんだよーん!」


「よろしければ後部座席の前に取り付けてあるモニターでお好きな番組をお楽しみください」


「ほいほーい! えっちなのみよーっと!  あん? ないのかぁ? おらっおらっ! エロいの映せ!」


「お客様、座席を叩かないでください」


「うるせぇーんだよぉてめぇ! 黙って言うことを、あん? ……おい、嘘だろ、ひ、あ、あああああああ! おろ、おろせ! おろしてくれぇ!」


「お客様、走行中はドアが開かないようになっています」


「い、い、いいいからあああ、あけろ! と、止めろ! ひいいい! ゆ、ゆう、ゆうれ」


「停車しました。料金は――」


「いいいからおろせよぉぉぉぉぉ!」


「お支払いにならなければ、このタクシーからお降りすることはできません」


「ふ、ふざけんな、この! この! あ、ああああああ」





「……ねえ、あのタクシー、なんか変じゃない?」

「んー? あ、嘘! 珍しい! 最新式のやつじゃーん! 初めて見たぁー!」


「え、そうなの?」

「そうよ、無人タクシー! AIの自動操縦のやつ! 空いている道とかおすすめの店とか全部データが入ってるんだって! いいなぁ」


「へぇー、あたし、幽霊タクシーかと思っちゃったわ」

「ふふふっ! もう、そんなわけ、あ、あれ? でも変な動き」


「そうね、前に進んだり下がったり、滅茶苦茶揺らしてるね。まるで、怒っているみたいに……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ