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魔法絶対主義の世界を成り上がる  作者: 猫屋敷
0章目 始まりはここから
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01話 超能力を扱う少年

今日も夜な夜な自室にて、超能力の限界を目指す。俺の名前は、アーロ・フィンレー。11歳だ。魔法使いの一族に生まれたが、魔力量は愚か、魔法の適性すらなしだ。

そんな俺を蔑ろにする家族と、召使いたち。だが、そんなのはどうでも良い。もうそんな生活には慣れっこだ。

一度も親を恨んだことはない。親を恨んだとしても、俺は魔法には縁がなかった…と言うふうに、既に諦めている。

代々として、世の中自体が可笑しいのだ。世の中の連中は、“魔法が全て!”と言う考え方。

なにやら、神が地に降り立ったとき、人間どもに魔法の力を与え、その力が今世でも受け継がれている……だとか。

“神からの贈り物だ!”なんて騒ぐものが多々いる。魔法を使えないものたちは、人間扱いされない。そのような理不尽な世の中だ。


だが、そんなものも俺には関係ない。俺は、魔法を扱えなくとも、超能力を操ることが出来る。それは幼少期の頃からだ。

幼少期の頃から魔法じゃなく、超能力の力を鍛え上げ、密かに練習をし、使い慣れるぐらいまで上がった。その能力は、


植物操作プラント・コントロール』だ。




魔法が扱えない代わりに、植物系の能力を手に入れた。一番役に立つ能力を手に入れ、木や草、花などを武器に変えたり、盾にすることができたりする能力である。もちろん、蔦や棘などでも武器に変えることが出来る。


今では植物系の能力しか扱えないが、経験を積んでいけば植物系の能力=自然系能力へ上がることが出来るかもしれない。その能力を使い、成り上がることが俺のやりたい事だ。


(自然系へ上がれば、結構使い勝手が増えるな…)


自然系まで行けば、制限付きがあるも、多い場面で能力を駆使することが出来るだろう。そのため、経験を重ねない事には、変わらないものだ。


(よし、そうと決まればいざ実行)


今まで印をつけたノートを手に取り、新たなこと書く。


「ふぅ、“経験値を増やす事”っと」


ノートの新しいページに書き、閉じた。それを本棚の方へ戻し、練習を積む。



外に出て、家から見られないような場所に移動する。その理由としては、家族から手のひら返しをされるのが、一番嫌だったからだ。


それはそうとて、周りにある木を標的ターゲットとかし、目を瞑り、深呼吸をする。息を吸い、息を吐く。鼓動を落ち着かせ、目を開かせる。


手を前に突き出し、木に生えている葉っぱを手のひらに集中させる。それを操り、空に浮かぶほどの足場を作る。


「よし、成功!」


初めてしたが、上手く行き、心が跳ねる。これを使い慣れれば、移動手段は空で行けるだろう。だが、これらの葉っぱは使い終わった後は、再び木の方へ戻す。


(さてと、能力は一個のみ。それを強化させれば、使える範囲は広がる……)


葉っぱが集合した足場の上に乗り、腕を組む。

森の真っ暗なところで、月の明かりが差し込み、心中で考えた。


(はぁー………、まだまだ強くなるには、もっと時間が必要そうだな)


学院に入学できるのは15歳と決まっている。それまでに、それ相応の力を手に入れない限り、入学することは不可能だろう。そのためには、どんどん覚えなくちゃならない。


(はぁ、大変だなぁ…。だけど、可笑しいんだよ。魔法の力量で人の人生が決められるわけないだろ)


世の中の常識は、俺にとって非常識であり、俺の中の常識が世界には非常識である。それは、人それぞれ考え方が違う……のではあるのだが、魔法の有無に関しては、馬鹿げてると俺自身は思う。


木の方へ移り、葉っぱを元の場所に戻す。

木の上に座り、そこから月を眺めていた。俺の夜はまだまだ長引きそうな予感がする。







♦︎





翌日。またもや家族や召使いたちに蔑ろにされていた。兄や妹からは話すら聞いてもらえない状態。だが、良い。いつか、お前らより強くなり、目に物を見せてやる!と言う気持ちでいっぱいだ。


———兄の方を見ながら。


「———チッ!」


(舌打ち!?そこまで!?)


だから俺もやり返した。舌を出し、馬鹿げた顔であっかんべーをする。ムカついたのか、その場から速攻で立ち去り、俺もその場から立ち去る。


今日も、俺の……フィンレー家の一日は始まる。どうせ今日も居ないもの扱いされるのだろう。


そう、我が家はそう言うものだ。


魔力量で地位と名誉を手に入れ、公爵家まで登り詰めたフィンレー家一族は、俺の正体を隠している。

なぜなら、顔に泥を塗られると思っているんだろう。だから外に出ても大丈夫。俺の顔を知っている人物は誰一人いない。


公爵家ともなれば、家も庭もでかく、広い。庭の外にはでっかい門があり、馬車もある。立派な馬車が。だが、俺はそれに乗ることすら許されない。その為、俺は王都までに行くのが、困難だ。


理由としては、フィンレー公爵家は王国から離れた土地にて、暮らしている。

その為、馬車でおよそ三十分、徒歩では2キロ先だ。それを、うちの家族と来たら、乗せてすらくれない。


(朝ごはんもどうせ用意したないんだろうなぁ……)


そう思いながらも、リビングの扉を開けると案の定なにも置かれていない。


(はいはい、ゴミは自分で作れ……なんだろ?良いよ、どうせ今に始まったことじゃないんだし)


家族団欒で食べている姿を見ると、なぜか胸がチクリときたが、そんな事は叶わない。リビングから出て、厨房へと入る。そこで自分の分を作り、厨房で一人寂しく朝ごはんを食べていた。


(あー、やめやめ。こんな事考えるなんて、馬鹿げてる)


こうならないためにも、早く世界の常識をひっくり返すために、俺は今日も葛藤する。


朝ご飯のベーコンエッグサンドを口に入れて———。

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