プロローグ
ここオルダイト王国では魔力の有無で、決まる。貴族制度はあるものの、全ては魔力量で地位も名誉も決まると断言出来てもいい。それぐらい、魔法が全てなのだ。いや、オルダイト王国だけでは無い。全ての国では、魔法が絶対的。
魔法こそが全てなのだ!という考えがある。
古代の時、神が地に降り立った時に、人類に魔法の力を対等に分け与え、今世でも引き継がれている。そのため、魔法というのは、儀式に近かった。神から力を得て、“魔法”と言う不思議な力を得る。
魔法を扱えないものも、少なからず居た。その者たちは、差別をされ、人間として扱われない。つまりは、魔法適性がないものには、生きづらい世の中というもの。
そんな中で、一人の少年がその常識そのものを、変えることが出来るかも知れない。
彼の名は、アーロ・フィンレー。銀髪の髪をし、紫色の瞳をさせるそんな彼は、魔法を扱えなく、魔法の適性もなし。だが、魔法に“似た”何かの力を扱うことが出来る。
その中で、彼を見た学者たちは、二手に分かれた。
肯定派と否定派だ。
肯定派の意見では、
『彼は魔法使いだ!魔法と同様の力を扱うことが出来ている!』
という声があるが……。
否定派の意見では、
『魔法の原理が異なっている!魔法の出し方、そして術式…、詠唱なしで魔法を発動させることは不可能だ!つまり、魔法に似た力であり、彼は魔法使いではない!』
という声。そう対等する彼らのことは、アーロにとってはどうでもいい。
そして断言できる。これは魔法の力ではなく、“超能力”だという事を!
自然かつ手に入れた超能力は、魔法とは異なる。
魔法は古代で神が地に降り立ち、“魔法”と言う力を対等に分け合った。そのため、“神からの贈り物”と言った方が、正しい。
だが、アーロは神からの贈り物ではなく、ごく自然に手に入れることが出来た力。魔法と似た力だとしても、特別な力に違いない。
神からじゃなく、自身の力なのだから。
「断言しよう!この超能力を使って、“魔法絶対的主義”の奴らに、文句が言わせないように、してみせると!」
魔法使いに立ち向かい、戦い、勝ってみせると!
そうすることが出来れば、世の中の常識はひっくり返すことが出来ると言うもの。
そのため、魔法よりも超能力を極める事にした彼は、もう誰にも止められない!
彼は、絶対に魔法主義国家の常識をひっくり返し、魔法が全てではないと言う常識を、作る事を!
彼は決心した。世界の常識が天と地ほどにひっくり返される事を、期待し世界の常識を変えてみせる事を。
「まずは魔法学院からだ!そこで味方を作り、そいつらの常識そのものを変えてみせる!」
最初の標的になったのは、オルダイト王国の魔法学院、『王立オルダイト魔法学院』が最初の目標だ。