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孤児のTS転生  作者: シキ
孤児と大罪を背負う英雄
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…アルキアン side…


僕はその日海の全てが国そのものであるとされる海上国家シーヒルズの最高機関が集まる場所と言える教会の最上階の一部屋『教導の間』へと赴いていた。

周囲にはシーヒルズの手紙から利益を目的に集まってきた国の精鋭とも言える貴族が集まりお互いを牽制し合いながら今か今かとある方を待つ。


「静粛にお願いします!第四十九代目海上国家シーヒルズ『水底教皇』オトゥルム=ヴェーダ・シーパ様が只今お見えになりました!」


時が少し経ちその時は訪れる。

扉の側で待機をしていた神官の格好をした魚頭の魚人族が共通語でそう言うと教導の間は静かになりピリついた空気を漂わせた。


『水底教皇』それはこの国の権力者を示す所謂二つ名やら地位を示す言葉である。

その地位は全てが平等であり他にも兵をまとめる『蒼水将軍』やら海の安全と独占を守る『海守』やらと色々な地位があるが魚人族の根源にあるのはどこまで行っても神の教えと守りのようで神に仕え唯一、神と交信する事ができる『水底教皇』が実質の国の最高権力者となっている。


そうしてその時が来る。

扉が開かれその姿を見せてくる。

背丈は縦に3mはある大きな扉をギリギリで潜る大きさで特徴的な外見である。

その姿は全身異常に分厚い鱗で覆われ腕は4本、筋肉隆々の身体付きで顔は目が6つ付いており口からは触手が見え隠れする。


その一見化け物としか見えない外見であるが扉の側の神官は敬うように礼をし通った後顔をあげキラキラとした目でその化け物を見ていた。

感性の違いというべきか…もう一度教皇を見ても僕には化け物というか魔物が服を纏って歩いているようにしか見えない。

教皇は歩き教導の間の奥にある大きな椅子へと腰を下ろすと机に置いてある紙を手に取り6つの目でコチラを見据えてくる。


「それでは…コレよりイードラ国の来賓方が調査してくださった報告書についての会議を行う」


会議が幕を開ける『水底教皇』が一つ一つ紙に書かれたことを読み上げ新王派と革命派に尋ねそれに対してそれが真実であるかまたそこには書かれていない補足も交え進行していく。

まぁこんなのは茶番に他ならない何せ昨日の時点で『水底教皇』の持つ報告書は皆に手渡しされておりここにいる誰もがその情報を知っている。


補足といっても「そこの景色はサファイアのような宝石のように輝いていたそれは貴方達が海を管理してくれているおかげであろう」とかの世辞ばかりだ。

本当にそこにない補足があろうものならそれは愚か者を意味する。


「ふむ…では最後に中立派のアルキアン・アマガル・フォン・レインバード伯爵子息殿の報告書についてだが…これに書いてあるのは真実であるか?」


「お読み下さり誠にありがとうございます。伯爵が子息のアルキアン・アマガル…イードラ王国の名に誓い書いてあることは真実であると申し上げます」


そう言い終わると周りはざわつく。

頭を下げながら目でちらっと教導の間の中心にある水晶玉を見ると青白く輝いていた。

中心にある水晶玉こそが言ったことを真偽の判定をする魔道具でコレが青白くなれば真実、赤くなれば嘘をついていることとなる。

何で判断しているのか専門分野ではないから全く分からない…が後でレナに尋ねれば答えが返ってくるだろう。


僕がこの報告書で提出したのは深海の神殿の地下のあの文章と上がる時に見た異常な肉体を持つ魚人族の成れの果て。

コレがあったからこそ昨日は大変だった…教皇は『蒼水将軍』の兵を自ら率いて薬屋を徹底的に排除しだしたしそれに強制参加する羽目にもなった。

そのせいで提出したらやるべき事が終わると余裕かまして寝ずに報告書を仕上げたものだから…眠たい。


本来なら薬屋の拷問にも参加する予定だったがそこは温情をもらって帰らせてもらえた。

と言ってもまだやる事があったから教会に行ったのだが…そのせいできちんと昨日は帰れなかったな。


「ふむ…皆の知っての通りこの国に蔓延る薬と偽造した物を扱い神殿へと強制的に赴きさせる毒とそれを売る犯罪者を拷問したところ薬の出所は教会の神官それも司教が売っている事が確定した…という我らが信徒の中でも優秀な拷問官が言っているのだが司教申し開きはあるかな?」


また一段と空気がピリつく。

ようやく本題に移ったかというべきか本来の目的は裁判だ。

今までの報告書の会議は茶番で今からが本当の会議であり裁きを下す言い合いとなるだろう。


対面するように出口側に位置する司教に間にいる全員が目を向ける。

司教は外見で言うと人間に近く違う点と言えば薄い鱗が皮膚に被さるように生えているぐらいだろう。

誰もが目を睨ませる中司教はただ依然どした雰囲気を漂わせながらそこに座る。


教皇が彼のことを司教と言っているが細かく言えば司教の更に上司教という地位を数人で纏める大司教の長に位置し教会内でただ1人教皇の業務の補佐役を務めている。

皆から尊敬の畏敬を込め教会を導く司教を纏める大司教を手駒とし教皇に変わる権力を手にした枢機卿の地位につく者。

それが彼、この一件の容疑者ゴーント=デトラトである。


皆が注目する中それでも彼は1人顔に笑みを浮かべている。

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