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ボートをえっさこいさと漕ぎ光の玉が集まる所まで移動して行く。
時間にして1時間ほどゆっくり穏やかな波がたつ海を渡り真下に光の玉が見えるところまで着いた。
「コレはまた…幻想的だな」
光の玉はゆっくりと移動しついたり消えたりしながら海底街の方へと近づいて行っている。
あぁそういえば深海の神殿で見たのもこんな感じだったな…消えたりついたりしながら移動しているからそんな海の生物がいるのかと思っていたが改めて見ると生体反応がないから生物ではないのは確かだ。
こんな時鑑定とか異世界主人公スキルがあればこの正体とかもわかるのだがあいにくと私はそのようなスキルはないため確かめる手段がない。
まぁとにかく私はこの光の玉が移動する先が気になるから光の玉と同じ方向へボートを漕ぐこととした。
…少女運航中…
船を漕ぎ光の玉を追いかけていくと海底街を越え神殿があるところまで来ることが出来た。
どうやらアルキアンや教皇のおかげで流行っていた薬がなくなったことで此処には前みたいに犠牲となる魚人族は来なくなっているようだがそれでも光の玉はこの神殿で留まるようだ。
そうして神殿で何時間も光の玉が留まった後は朝日が昇ると共に光の玉は陽の光と同化するように薄くなっていく。
だが光の玉は神殿から離れるように移動していくので私は目を凝らしてその光の玉を追いかけ船を漕ぐ。
…おかげで腕は痛いし座って船を動かしているせいで腰を痛めてしまった。
とにかく苦労した末に私は光の玉が出てくるであろう場所へと辿り着いたわけだ。
目の前には小さな孤島というべきか…それともただの岩というべきか。
そしてその孤島には特徴的な模様のようなものや縄が縛り付けられており明らか此処には何か意味があるところだと主張している。
「此処から光の玉が出ているはず…多分、おそらく」
まぁ…最後らへんは陽が昇り切ったせいで光の玉なんて見えなかったしほとんど光の玉が移動していたところをまっすぐ移動したら此処に辿り着くだろうという予想に過ぎない。
コレで外れていたら…その時はその時だまた明日光の玉を追いかければいいだろう。
「にしても…此処何処らへんだ?」
つい光の玉が見えたからソレを追いかけてきたが帰り道が分からない。
海上国家の場所も海底街の場所も此処からは見えないため完全に私は遭難したということが事実になってしまった状態だ。
頭が痛い話だが食糧はあるし夜になれば光の玉を追いかければ海底街や海上国家の近くの海域に辿り着くことはできる。
最悪食糧がなくとも海水から純水を作ろうと思えば作れるし魚も泳いでいるようだから釣りをすれば食糧にできる…まぁ飽食の胃袋があるからその必要は無いが。
「とりあえず今日の朝食は昨日釣った魚かな」
船に積んであるボックスの中には夜に釣った色鮮やかな魚が入っている。
一応全部図書館の本で近海で釣れる食用の魚であることは調べてあるから食べれるはずだ。
魚をこのまま置いておくと腐ってしまうから早く食べておこうという作戦なわけだ。
魚をこうして調理するってのも随分と前のように感じるがとりあえずはらわたを抜いて鱗を剥がし頭を落としその他いらない部分を虚空庫から取り出したナイフで斬ったりして集めて魔術で燃やす。
いつ買ったか分からない鍋に水を敷き火のシンボルが書かれた魔法陣の上に乗せ斬った魚を鍋にドーンッと投げ入れて魔法陣を起動する。
水と魚が入った鍋に適当に塩やら香辛料を入れかき混ぜなんかいい感じになったところで魔法陣を解除する。
見た目は…まぁ普通の魚が入ったスープのように見えるが味見から味の保証は出来ない。
「コレを食っても暴食のおかげで腹を下すことは無いだろうけど…さて味はどうかな?」
そう呟き虚空庫に入ってある銀のカトラリーを取り出してその中のスプーンで鍋のスープを飲む。
味は…うん普通にしょっぱいというか辛い?
魚は口に入れた瞬間ほろほろになって崩れていく食感を楽しめるが魚自体に味は無い。
美味しいってことは無いが不味くも無い…敗因は味見をせずに調味料を入れたことだろうか?
せめて昆布とかで出汁とかとった後魚とかを入れた方が良かったのだろう。
まぁ身体に毒な成分があっても暴食のおかげで気にならないし完食することが出来た。
「さて、そろそろ調査でも始めますかね」
目の前にあるのは相変わらず小さな孤島でありその中心にある盛り上がった岩には縄で縛られておりその岩にも色々な模様が描かれている。
模様は一部分には人のようなものと蛸のような魔物が描かれていたり豪勢な服を着ている魚の顔をした人が銛で突かれていたりする場面が描かれていたり呪文のような文章が書かれていたりしている。
だが呪文のような文章は文字が汚いせいで解読も出来ないな…。
とりあえず指で模様を触ってみるが模様の色は落ちない…というかこの模様自体に魔力が込められているように見える。
縄にも何か魔道具的な意味が込められているのか魔力が含まれているから此処は何かしら意味があるところっていうのは確定みたいだ。
だが、ここに何があるのだろうか?
光の玉を発生させる魔道具…?
それとも神殿に向かってそこからこの孤島に戻って行っているからその神殿関連の何かがあるのだろうか?




