表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/40

29話 ドラゴン化

「ど、ドラゴンだと!?」


ミノスは声を張り上げながら驚いた。


「へ、変身したぁ!?」


シルフも驚いている。



ドォォォン!



サフィラだったドラゴンはイフリートの攻撃をその翼でなんなく防いだ。


「ハイネ、サフィラは一体どうしちゃったの?」


「分からねぇ!竜人族はドラゴンそのものにもなれるのか?」


俺も分からない事だらけだが、今はこいつに頼るしかない。


『皆様、私の体に乗ってください!』


ドラゴンからサフィラの言葉が聞こえた。


「あぁ!分かった!」


俺は返事をして、すぐにドラゴンの背中に乗った。


「アリル、私達も乗るよぉ!」

「えぇ、分かったわ」


俺に続いてアリルとシルフも乗った。


『では、皆様、行きますよ。しっかり掴まってくださいね』


すると、ドラゴンはその大きな翼でその場から飛び立とうとする。


「き、貴様らぁ!逃がさんぞっ!」


ミノスは斧を構えて血相を変え向かってくるが、その翼の風圧で吹き飛ばされて情けなく転がった。


そのまま俺達を乗せてドラゴンは飛び立つ。


戦っていた場所がどんどん視界から小さくなっていく。


「どうやら失敗したみたいだな……リヒト」

「そうでもないさ。むしろ楽しみが増えたよ。あのドラゴンともども必ず僕達の手中に収めてみせるさ」


砕け散った右腕を何事もなく見つめるイフリート。

そして、そんな彼女に対しリヒトは不敵な笑みを浮かべた。




空の上を通り魔族の国からなんとか逃げ出した俺達は、サフィラの背中の上で一息ついていた。


「ふぅー、助かったぜ。ありがとよ、サフィラ」

『いえ、お礼なんて結構ですよ、ハイネ様』


サフィラは俺達を背中に乗せながら言った。


「しかし、凄い光景よね」

「うん、すごい高い所にいるもんねぇ」


アリルとシルフは景色を見ながら呟く。

ここは上空何千メートルか知らないけど、雲の上にいて太陽の光が眩しい。


それにしても、まさかサフィラがドラゴンになるなんて……。


「なあ、これからどうする?このまま飛んで行くつもりなのか?」


俺はサフィラに聞いてみた。


『はい、そのつもりです』


ドラゴンになったサフィラの声は頭に響くように聞こえる。

なんか変な感じだなぁ。


「とりあえず、どこかの村に降りるのぉ?」


シルフは首を傾げながら聞いた。


『はい、出来れば近くの村に降りたいですが……』

「そうね、それがいいと思うわ」

アリルは賛成のようだ。


「それなら、ここから一番近いところは北西にある港町、ヘルズガルドだな」


俺は地図を取り出して現在地を確認して、目的地を決めた。


「わかったぁ!じゃあ、そこに降りよう!」


シルフが元気よく言う。


「でも、大丈夫かしら……」


アリルは不安そうだ。


「確かにな。いきなりドラゴンが現れて大騒ぎにならないといいんだが」


まぁ、その辺はサフィラに任せるしかないだろう。


『心配無用です。人間達に見つからないところに着陸しますから』


サフィラは自信満々に言い切った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ