表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/40

27話 待ち伏せ

シルフが腕を組んで考え込む。


「どうするもこうするも出る方法を探すしかないだろう?」


俺は周りを見渡して言う。

周りには壁しかなく出口らしきものは見当たらない。


「でも、どうやって探すんですか?」


サフィラが首を傾ける。


「ちょっと待って、この先から水の音がするわ」


アリルは壁に耳をつけながら言う。


「まじか?」

「うん、間違いないわ」

「どういうことぉ?」


シルフは首を傾げる。


「水が流れているって事は、そこを辿っていけば地上に出れるかもしれないって事よ」

「へぇ〜、さすが水の精霊ウンディーネだねぇ」


シルフは感心している。


「という訳だから、まずはこの壁を壊しましょ」

「それなら私にお任せください、アリル様」


サフィラは笑顔を拳を握ると、ドゴォン!と思いっきり殴った。

壁にボコッと穴が開いた。

その少し先には微かに光が見えた。


まさか本当に出口か?


「やったぁ!これで外に出られるねぇ!」


シルフは嬉しそうに飛び跳ねている。


「あぁ、俺達は生き延びたんだ」


俺はガッツポーズをする。


「二人とも喜ぶのはまだ早いわよ?まだこの先が安全かどうか分からないんだからね?油断しないでよね!」


アリルが腰に手を当てて注意してくる。


「はいはい、分かってますよ」


俺はそんなアリルの手を引いてやった。


「ちょっ、何をするのよ!」


アリルは顔を赤くして慌てる。


「いつまでもこんな場所に居ても仕方ないだろ?早く行こうぜ」


俺はアリルを引っ張って歩き出す。


「分かったから離しなさいよ!」

「だって怖いんだろ?ほら、手繋いでやるから怖くないぞ?」

「べ、別にそんなんじゃないわよ!」


アリルはプイッとそっぽを向いてしまう。


「素直じゃないなぁ、まあいいか。じゃ、行くぞ?」

「う、うん……」


アリルは恥ずかしそうに返事をした。

俺達は手を繋ぎながら光の先を目指して歩いた。

そしてついに外へ出た。


そこには大きな草原が広がっていた。

周りには滝が流れている。

神秘的で綺麗な場所だ。


「何だここは?魔族の国にこんな場所があったのか?」


俺は驚きを隠せなかった。


「確かに見たこともない場所ですけど……どこなんでしょうか?」


サフィラも不思議そうに辺りを見渡す。


「とりあえず進んでみましょう」

「そうだな」


俺達は真っ直ぐ前へ進む。

すると、目の前に祭壇が大きな祭壇が現れた。


「これは一体……?」


俺は疑問を浮かべた瞬間、急に強い光に包まれる。

眩しい……!何も見えない……。

しばらくして、目を開けると俺達の目の前に人影が現れた。


「やあ、久しぶりだね。……ハイネ、ウンディーネ」


銀色の髪をしたその男はまさしくリヒト。

そしてその隣にはイフリート、ミノスが立っている。


どうやら、俺達は完全に待ち伏せされていたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ