小説投稿サイトとの次の出会いの話。
私が小説投稿サイトと最初に出会った頃はちょうどターニングポイントだったらしく、アルカディアの衰退、にじファンの閉鎖、ハーメルンの誕生と激動の時期だった。
奇しくもその頃大学生だったので、それ以前に小説投稿サイトに出会っていて、Webサービスの作り方を知っていれば就職せずに小説投稿サイトの運営としてやっていたかもしれない。
……と、おもったけど、多分やらないだろうな。
正直なところ個人で大規模なサービスを運営するのは本当にきつい。色々なことを考える必要があるし、それだけで生きていくには本当に努力する必要があるし、能力がないとやっていけないと思う。私には多分無理だと今は思っている。
それよりも、伸びるとわかっている小説家になろうのシステム補助のためのサービスを作るだろう。今ならAPIの使い方もわかるのでスコッパー用の検索サービスみたいなものを作って広告収入を狙いにいくのが負担も少なそうでいいと思う。小説投稿サイトのニュースを流す媒体でもいいかもしれない。
「ゴールドラッシュの時に1番儲かったのは金を掘りにいく人ではなく、その人たちにスコップを売りつけた人なのである。」という言葉もあるように小説投稿サイトが流行った時に書籍化を目指したり新しく小説投稿サイトを作るよりも、その需要を生かせるところが楽に儲けることができるのだ。
近年の小説投稿サイトの誕生と衰退を見ていると、とてもじゃないけど運営を続けることができると胸を張って宣言はできないと思っている。個人運営やって反映させているところは本当にすごいと思う。
閑話休題
そんな小説投稿サイト界隈が慌ただしく動いているとき、私は就職して余暇時間があまりなくなった。それまで入り浸っていたニコニコ動画へのアクセスもしなくなった。
そして徐々にネットの世界から足が遠のき始めた。やっぱりリアルに余裕がないと趣味は充実しないなと悟った。
再び私が小説投稿サイトに出会うのは、就職してからしばらく経って、自分の仕事を効率よく処理できるようになり余裕ができた時期。にじファンの閉鎖から数年たったころ。
そこで私は小説投稿サイトにアカウントを作ることになる。
実は私が初めてアカウントをとった小説投稿サイトは小説家になろうではない。
時空モノガタリという小説投稿サイトに登録したのだ。このサイトは今は閉鎖されているが、コンテストが頻繁に行われていた短編小説投稿サイトだ。
確かその頃、星新一あたりの短編小説にハマったのだと思う。それを読んで、自分でも書こうと思ったのだ。それで短編小説が書けてコンテストが開かれている小説投稿サイトを探した。それでヒットしたのが時空モノガタリだった。
今の自分と違って小説投稿サイトに全然詳しくなかったし、単に検索して出てきたところに登録しただけだったが今思うとなかなかニッチなところを見つけたなと思う。
そんなわけで小説投稿サイトに登録し、小説を書き始めたのだ。
時空モノガタリは機能は多くなく、作品を投稿するか投稿されている作品にコメントを書くかポイントを入れるかくらいしかできない。なろうのようにブクマしたり活動報告したり、ランキングもない。かなり制限の多い投稿サイトだった。
ただ、機能が少ないのでやることが明確だったし、テーマごとのコンテストが常設されていたので初心者にはとても良い環境だったなぁと思う。
そして登録して1番最初に書いた作品で賞をいただいた。ビギナーズラックだったのだと思う。
まぁ賞といっても数週間のローテーションで開催されている数千文字の短編コンテストなので書籍化とかはなく、投稿数も少なかったので比較的取りやすかったのもある。
賞を取ったことでコンテストに応募することに夢中になった私は頑張って10回ほど短編コンテストに参加した。
ただ結局、最初の一作以外は賞を取れなかった。
賞を取ることが目標になってしまったのもあってか楽しくなくなり、小説を書くことに飽きて少しずつ投稿間隔が長くなり、次第にログインしなくなった。
小説投稿サイトから離れた私は、また動画投稿者としてニコニコ動画にいった。
その時はボイスロイドが流行り出した頃だった。何かを解説したり実況したりする動画をずっとみていた。
なので私も作りたくなってボイスロイドを買って遊んでいた。解説講座を作って遊ことにしたのだ。
今はアカウントも削除して見れないけどいくつか投稿したしボイスロイド解説動画はそこそこみられた。この経験は実は私のなろうの作品の基礎になっている。
なろうを知ろうとか備忘録シリーズとか、今私が書いているようなものはこのシナリオを文字起こししただけに近い。カクヨムを分析してみたはまさにそのまま。ゆっくり動画だし。
ニコニコ動画で学んだことはなろうの作品に生かされている。
ほんとに何が糧になるかわからないね。
個人運営で成功しているひとは本当に尊敬する。