また別のところの小説投稿サイトができたので遊びに行ってみた話。
マグネットがリニューアルちょっと前、また新しい小説投稿サイトができた。
セルバンテスという名前の小説投稿サイト。レジェンドノベルスというレーベルの編集長が新しく作った。レジェンドノベルスは「全部傑作!外れなし」をキャッチコピーにしたネクストファンタジー専門のレーベル。
運営は講談社である。講談社はセルバンテス以外にも小説投稿サイトを作ったことがある。プロジェクトアマテラスという名前のサイトで2012年にオープンし、2015年に閉鎖されている。小説だけではなく、色々な創作物を投稿できるところだった。
また、セルバンテスができるちょっと前にトークメーカーという小説投稿サイトを取得しを、NOVEL DAYSに名称を変えてリリースした。
何故すでにあるのに新しく作ったのかは謎ではあるが、講談社といえば大手の出版社だし、カクヨムみたいに発展する可能性はあった。なので、マグネット!と同じように成長記録としてのエッセイを書き始めた。大手の出版社が運営するところは初期の違いはあるかなど、色々と分析しがいがあった。講談社の本は好きだったし、発展すればいいなということで、こちらでも活動することにした。
マグネット!はベンチャー系だったので知名度の問題でもあってあまり芳しい結果にはならなかったけど、みんなが知っている大企業でレーベルもちだったら何か変わるのかもしれないとちょっと期待していた。
そこでは画像が使えなかったので文字だけの結果を見せるだけになったが、まぁここでも人気のエッセイになった。流石に幾つもの小説投稿サイトで流行るものやデータを分析したので、サイト開始当初でどういう人がどういうものを好むのかはある程度わかるようになっていた。
最初に小説投稿サイトで流行るのはエッセイ。なぜかというと、情報がないから。Google検索で調べてもほぼ見つからないだろう。
登録する人が最初に調べるのはそこの評判というか口コミになる。どんな機能があってどんなものが流行っているのか、データがあればわかるし、そこについているコメントも参考になる。投稿しようか迷う人もエッセイを読んでから決める人もいるのだろう。
何も情報がない中投稿しようと思う人は結構な少数派だと思う。特に色々なレビューサイトが生まれており、レビューで判断する人が多くなっている現代では、そういった口コミ経由の登録が多いのだと思う。
なので初期はそういった口コミ需要があるので使い勝手の書かれたエッセイは人気になるのだ。初期の投稿サイトで1番流行るのがそういったエッセイになるのは当然なのだ。
ある程度の規模になると概ね人気小説が出てきて、そこにアクセスが集まる。口コミ情報は他のブログサービスでも出始めると、口コミが書かれたエッセイはそれほど人気ではなくなる。少なくとも小説よりかは読まれなくなる。
成長するに従ってエッセイが読まれにくくなっていく。それは悪いことではなくて、サービスが成長する過程で見られること。むしろエッセイがいつまでも上位にいるところは健全ではない。
普通であれば小説投稿サイトなのだから1番アクセスがあって欲しいのはそこで投稿されている小説なのだ。
そうならないのは、小説投稿サイトのシステムが上手く働いていないことを表している。
しかしながらセルバンテスではこのエッセイがひたすらランキング上位に居続けた。
こうなったのはいくつか悪かったことがあって、一つはシステム。ランキングを導入していたこととランキングの指標に使われる評価が何度でもできるという点。
このサイトでは何度でも同じ作品に評価が付けられる。流石に同じ日に評価は入れられないが別の日であれば評価を付けられる。このシステムでは毎日更新される連載作品が強い。
このシステムだと毎日更新されるエッセイが最強に近い。初期ではエッセイが強いし、エッセイは毎日更新が非常にしやすい。ネタは初期であればゴロゴロ転がっているし、文字数も少なくてもいい。毎日1000文字程度でも問題ない。小説だと毎日更新は結構つらい。
そんなシステムだとエッセイが上位に来るのは当たり前で、ひたすら上位にいた。
これでシステムを変えればよかったのだけれども変わらなかった。
予想できると思うけど、このサイトも結局途中から勢いが無くなっていく。
原因としてはいくつもあるが、1番は目的がなかったことなのだろうと私は思っている。このサイトを作った理由がはっきりしていなかった。
多くの人はレジェンドノベルスで発行するための小説を探す場所と思っていたのだろうけど、実際は違った。コンテストはしないし、傑作はない発言するしで、何のための小説投稿サイトなのかわからなかったのだ。
結局なところ運営側が何をもってセルバンテスを作ったのかがわからないのだ。
実際、目的がはっきりしないと人はなかなか集まらず、出ていく人が増え、徐々に人は減っていくのだった。
それをデータにしつつ、そんなところばかりなのだろうか、と私は思った。
なので探すことにした、国内にある小説投稿サイトを。全て。
セルバンテスは大企業でも失敗することを教えてくれた。ラインノベルもそうだね。
新興サイトの健全性はエッセイが強いかどうかである程度判断できるかも。まぁエッセイというより口コミだとかマニュアルとしてだけど。