表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

へっぽこ薬剤師

新型コロナウイルスワクチン救済の制度について思うこと

作者: へっぽこ薬剤師

新型コロナウイルスワクチンの是非とは違う方向での意見です


現在は職を離れたため専門的な回答は致しかねます

 初めに、今回のワクチンは自己決定で打つべきものだと思っています。打つリスクも有れば打たないリスクもあり、強制されるべきものでは無いと考えています。


 ただ、あまりにもフェアでないニュースを読んでしまい、とても悩みましたがこのエッセイを書く事に決めました。(守秘義務的には大丈夫なんですけど、身バレの問題で)


 私の読んだニュースはコロナの副反応による救済制度の認定が調査中である事と、それに対して国は救済をするつもりは無いんだ!という論調のコラムです。


 そもそも『新型コロナウイルスワクチン接種に係る健康被害救済制度』では、まず自治体の予防接種健康被害調査委員会において医学的な見地から当該事例について調査されます。そして因果関係がある、もしくは疑われる可能性があるものが国へ進達されます。


 国は、疾病・障害認定審査会に諮問してから認定は下りるわけですが、その認定が下りるのは早くて平均4ヶ月で、最大12ヶ月ほどかかるものです。なので現時点で調査中なのは当然なのです。


 新型コロナウイルスのワクチンに関しては自治体でこの因果関係が疑われる、の所がまだ不透明であり、厚労省で『薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会』みたいな舌を噛みそうな名前の会議で可能性に含めるべきものを洗い出しています。この辺りは厚労省のホームページで議事録が載っています。


 例えば、令和3年5月26日の第60回会議では「自死の人が2人もいるけれど、ワクチンのせいである可能性があるかもしれないから専門の精神科医からの意見が必要だ」とか「アナフィラキシーなどだけでなく、他の疾患についても見るべき」の様な意見が出ています。


 そんな事を言っても、議事録に載るところだけ頑張ってやっておいて裏で金がかからない様にデータに偏りを持たせてるんじゃね?


 みたいな勘繰りは当然あると思います。


 私が一番書きたかったのはそこなんです。


 この分科会に参加して、あれやこれやを決めてる人達が信頼できるかどうか。


 人間なので間違いはあるかも知れませんが、少なくともお金で動いているのか、普通の人の正義の感覚で動いているのかのところです。


 科学的か、とは言いません。なぜなら私は普通の人の感覚で動いてる事を知っているからです。少なくとも、過去の救済で正義的な意味で多額の給付をした事は知っています。


 議事録にあるメンバーのうち、ワクチン関係の代表が多屋先生という方で元小児科医の女性です。阪大の医学部で臨床もやりながら小児科とウイルスの研究をされてきました。京大でも研究されていました。


 妊娠出産時に、激務では子供との時間が取れないから公務員になろう。どうせ臨床を離れて公務員になるなら、我が子が受けるワクチンが本当に安全かどうか調べよう。と言う事で国立感染症研究所に就かれました。


 公務員ではありますが、国立感染症研究所は初めは契約研究員にしかなれません。論文を出して認められて、上に上がるまで任期付き契約社員です。


 少し逸れますが、国立感染症研究所にはそれでも毎年それなりの方が入所されていきます。ここでは全国の生データや検体が手に入るため、研究ジャンキーなちょっとおかしな人達や希望に燃えた熱い若手が集まります。 そして、その人数論文数等で夢破れて任期を終えて去っていきます。


 そこで、多屋先生は過去のワクチン救済制度の事例を洗い出し、評価する研究をされました。その結果、給付は科学的である事より人情重視でやっている事を裏付けられたのです。

 例えばポリオウイルスの救済では生ワクチン接種の晩に発症している例など、当時のウイルス学的に見ても完全にワクチンに依るものでないものも、無理矢理でも入れられるものは全て給付対象にしていた事を確認されました。


 (この事でポリオの生ワクチンの危険性が誤った方に解釈された事もありますが、それはまた別のお話……)


 それを「科学的ではないからエビデンスに基づいて確実に原因である物だけ給付にしよう」ではなく、「確実に違うもの以外は給付対象にしてきた経緯があるから、これかもそうしていこう」と言う働きかけをされています。それらの活動も認められて(もちろんそれ以外の研究も素晴らしいですが)現在第三室長という地位に押し上げられた方です。


 直近の疾病・障害認定審査会(疾病・障害認定審査会)でも多屋先生は感染症・予防接種審査分科会の代表として、「過去と同様に、確実に否定できないものは手広く丁寧に迅速に補償するように」と発言されています。


 少なくともワクチンの補償については、確実に除外できる場合以外は感染症・予防接種審査分科会では、なるべく補償を認める様に働いており、委員には弁護士の方などがその援護に入っています。





 ワクチンは完全に安全ではありません。例え百万分の一でも、引けば一分の一です。補償をもらっても死んでは元も子もありません。

 感染のリスクと天秤にかけて、選ぶ人選ばない人がいるのは当然だと思います。


 それでも、ご自身が選ばない理由のために日々奮闘されている人々がいるのに、「国は金のために認定しないに違いない!」と言うのは違うと思います。



 ちなみに、室長まで行くと諸々の大学から破格の待遇で教授になって欲しいと請われるので、多屋先生が万一「あー、もうええかな」とあの地位を降りられたら、あそこまで普通の感覚な人が後に入ってくるとは限らないので、頼むからあの普通の感覚を持っている方にあの地位にいて欲しいという、小物の願いでもあります。(ぶっちゃけ本音)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ