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麗羅の戦い

「貴船さん!? いったいどうして……」


「陰陽師が助けてくれたの。今は外で幹部たちと戦っているわ」


「え? 陰陽師がここに?」


 龍二は目を丸くしたが、すぐに納得する。

 先ほどの雷鳴は契約術式だったのだ。

 しかし陰陽師がなぜ、このタイミングで来たのかは謎だ。

 だが今は、そんな話をしている場合ではない。


「どういうことか説明してもらおうか、麗羅」


 怒りを孕んだ低い声が貴船の頭上から聞こえた。

 蛇魂は麗羅の急襲を回避し、半壊した本堂の屋根の上に乗っていたのだ。

 貴船は答えず、刀へ水術を纏わせ、呪符を貼りつけた左手を地面へ向ける。


 ――バシュゥゥゥンッ!


 勢いよく水が噴射され、それを推力に頭上の蛇魂へと急接近した。

 

「これがっ、彼らを巻き込んでしまった私の罪滅ぼしよ!」


「偽善に酔ったか? くだらんことを覚えたな」


 蛇魂の目の前へ着地した貴船は、問答無用で斬りかかる。

 水の刃は降魔刀の殺傷力を高め、リーチの長い斬撃を生んだ。

 ムチのようにしなる水の斬撃は波紋が広がるように次々と敵を襲う。

 しかし蛇魂は軽快な身のこなしで連撃をかわし、袖から蛇を放って反撃してきた。


「このぉぉぉっ!」


「お前ごときが俺に勝てるわけないだろ」


 麗羅は放たれる蛇たちを斬り伏せつつ、蛇魂の胴体を狙うが、紙一重でかわされる。

 彼の表情は余裕に満ちており、それが麗羅の焦りを誘う。


「式装顕現『骸の腕』!」


 麗羅が左腕を横から振るうと、巨大な骨の左腕が突然具現化し蛇魂を襲う。

 それで彼をつかまえるつもりだったが、蛇魂は大きく跳んで回避。

 そのまま頭上から一斉に蛇を投下してくる。

 すぐさま骸骨の両手で頭上をかばい盾とする。


「はぁっ!」


 滞空していた蛇魂が屋根の上に着地すると同時に、式装を解いて麗羅は地を蹴り肉薄する。

 向かってきた蛇たちは紙一重で避け、斬り払い蛇魂へ急接近。

 着地の硬直で動けない彼の右肩から刀を振り下ろす。


「……もういいぞ、茶番は飽きた」


「うっ!」


 蛇魂の肩を裂くすんでのところで刀が止まる。

 彼の背から白蛇が頭を出し、麗羅をにらみつけていた。

 呪いの発動によって彼女は動けない。

 蛇魂は彼女を蹴り飛ばし、その体は受け身もとれず地面へ投げ出された。


「貴船さん!」


 龍二は慌てて落下地点へ走り、なんとかその体を受け止める。


「大丈夫か!?」


「……え、えぇ……ありがとう」


 彼女は力なく礼を言うと、すぐに立ち上がるが、荒い呼吸を繰り返し焦点が合わない。

 蛇魂が屋根の上から飛び降り、壊れ散乱した木材の上に立つ。


「まったく、誰が半端者のお前を拾ってやったと思っているんだ。俺がいなければ、今頃お前は死んでいただろうに」


「黙れ! お前たちの仲間になんかならなくたって、彼女ならやっていけたさ。普段の様子を見ていたら誰にでも分かる」


 龍二はかばうように麗羅の前に立ち、蛇魂と対峙する。


「鬼屋敷くん……」


「ほぅ、そいつの肩を持つのか。自分を騙した女だってのに」


「貴船さんは、お前たちに利用されていただけだ。彼女こそ、善き妖であって人としての優しさを持った半妖だ。お前らの仲間になっていること自体が間違いなんだよ!」


「善き妖? くっ、くはははははっ!」


 突然の嘲笑に龍二は眉を寄せる。

 すると、背後で小さな呟きが聞こえた。


「……やめて」


「とんだ勘違いだな。滑稽すぎて可哀そうにすらなってくる」


「なに?」


「仕方ない。それなら教えてやるよ。貴船麗羅がなにをしたのかをなぁ」


「やめてぇぇぇっ!」


 蛇魂は嗜虐的な歪んだ笑みを浮かべ、麗羅が必死に叫ぶ。

 しかし呪いを強められたのか、言葉を詰まらせた。


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読者様の本作への印象を知りたいので、広告の下にある☆☆☆☆☆から作品の率直な評価をお願いしますm(__)m


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