表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/90

見舞い

「――龍二さーん! 調子はどうですかー!?」


 元気よくドアを開けたのは桃華だった。

 丁度ドアの取っ手に手をかけようとしていた時雨と目が合い固まる。


「……し、時雨先生、こんにちは! 先生もお見舞いにいらっしゃってたんですね!?」

 

「おぅ、こんにちは。それと、病院ではもう少し静かにしような」


「は、はいぃ……ごめんなさい」


「そんじゃ、俺はもう帰るから後は任せた」


 時雨が苦笑しながら病室から出て行くと、入れ替わりに桃華が入って来る。

 龍二は、先ほどまでの空気を引きずらないよう、いつもの感じで軽く手を上げた。


「よぅ」


「もう! 心配したんですからね!?」


 そんな龍二を見て桃華は頬を膨らませる。

 実は襲撃事件の当日、彼女は塾に来ない龍二を心配して電話をかけまくっていたのだ。

 首なしを倒した後、山田講師からの電話に出た龍二だったが、そのときようやく桃華の鬼電に気付いた。

 だが覚醒状態だった龍二は、見た目通りの冷徹さで無視していた。


「悪い悪い」


「まったくもうっ」


 桃華はしょうがないと言うように、眉尻を下げため息を吐くと、手に持っていたフルーツ盛りだくさんのバスケットをテーブルへ置く。

 メロンにみかんにリンゴ、マスカットとカラフルでなんだか明るい気分になれる。

 

「これ、塾のみんなからのお見舞いです」


「ありがとう。来たのは桃華だけか?」


 龍二は不思議に思い、首を傾げた。

 静谷たちか、もしかしたら遠野も来るかもしれないと思っていたからだ。

 

「そうなんですよ。なんかみんな、二人の邪魔しちゃ悪いからとかなんとか……」


 桃華はよく分からないというように、頬に手を当て首を傾げている。

 アホ毛も反応するようにひょこひょこと動いている。

 彼らの意図になんとなく気付いた龍二は、頬を引きつらせた。


「……お前それ、なんか勘違いされてないか?」


「へ? ……えぇぇぇっ!?」


 桃華も龍二の言わんとしたことが分かったのだろう、顔を真っ赤にしてのけ反る。


「だから声が大きいって」


「ご、ごめんさい……でも龍二さんが変なこと言うからですよ?」


 そう言って桃華は急にもじもじしだして、チラチラと龍二のほうを見てくる。

 長いアホ毛も、心なしかハート型に見えなくもない。

 急にしおらしくなるから、龍二も反応に困る。

 コホンと咳払いすると話を逸らした。


「塾が般若の襲撃を受けたって聞いたけど、塾生はみんな大丈夫だったのか? 講師に被害は?」


「大丈夫、みんな無事ですよ。時雨先生が足止めしてくれたみたいで」


「時雨先生が?」


 龍二は意外そうに目を丸くした。

 先ほどの時雨の様子を見るに負傷している様子は見られなかったので、般若との交戦はしていないものと考えていたが、そうではなかったらしい。


「はい。先生が足止めしている間に、陰陽技官の方々も来られて、一緒に追い払ったらしいです」


 すぐに首なしの元へ増援が来なかったのは、それが原因だろう。陰陽庁側も、『熊』が出たからと人払いし、まさか首なしと戦っている者がいるとは思っていなかったはずだ。だからまずは、塾の安全確保を最優先した。

 逆にそれが、修羅にとっては好都合だったわけだが。


「あの般若を相手に……さすが時雨先生だ」


 龍二は誇らしげにうんうんと頷く。  

 よく指導してもらってる龍二だから分かるが、時雨の実力はあの見た目とやる気のなさに反して、相当なもののはずだ。

 ひょっとすると、龍二の想像している以上に強いのかもしれない。

※↓のご協力お願いしますm(__)m


読者様の本作への印象を知りたいので、広告の下にある☆☆☆☆☆から作品の率直な評価をお願いしますm(__)m


また、私の活動を応援くださる方は、『ブックマーク追加』や『レビュー』も一緒にして頂けると大変助かります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ