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さらなる強化

「っ!?」


「なんだっ!?」


 首なしの全身から練り上げられた闘気が解き放たれ、空間を圧迫する。

 風が吹き荒れ、それは鋭い衝撃波となって龍二たちを襲う。

 一瞬の後に、頬から肩や腹、足の皮膚が裂け血が飛び散った。

 

「ぐぁっ!」


 ありえない。 

 ただの覇気がここまでの威力を持つなど。

 龍二は雷斬を地面に刺し、吹き飛ばされそうになるのをどうにか堪える。

 前方を見ると、風に切り刻まれるのも構わず、武戎が首なしと斬り合っていた。

 しかし首なしは、蒼黒で禍々しい妖気を纏い、圧倒的な力を発揮している。

 先ほどまでとはまるで雰囲気が違う。

 その妖気は、首なしの背後で鬼のような姿を作っていた。


「くっそ……」


 武戎は明らかに押されている。

 速すぎる太刀筋を受けるので精一杯だ。

 まったく相手になっていない。


「はぁっ、はぁ……」


 風が止んだときには、武戎がすぐ目の前で荒い呼吸を繰り返していた。

 全身は血まみれで再び満身創痍に陥っている。

 だがそれを回復する暇は与えられない。

 

「野郎ぉぉぉぉぉっ!」


 武戎が叫び大太刀を両手で振り上げた次の瞬間、首なしが目の前に立っていた。

 龍二が唖然と見守る中で、白い剣筋が十字の軌跡を描いた。

 遅れて武戎の胸から血が噴き出す。


「がはっ!」


 後ずさる武戎。

 だが攻撃は終わっておらず、太刀の切っ先がその心臓へ迫っていた。

 彼にそれを避ける余力はない。

 しかしその体は後ろへと引かれ、肩を掴んでいた龍二が入れ替わるように前へ出た。


「…………」


 尻餅を着いた武戎が見上げると、太刀の刃が龍二の胸を深々と貫いていた。

 首なしも柄を握ったまま微動だにせず、固まっていた。

 龍二の口から大量の血が吐き出される。 

 武戎が顔を歪め叫んだ。

  

「なんで……なにやってんだよ、鬼屋敷ぃっ!」


「……間に合った……」  


 龍二は血を垂れ流す口の端を吊り上げる。

 別に狙ってやったわけではない。

 気付いたら体が動いていたのだ。 

 首なしはゆっくり太刀を引き抜いて血を振り落とすと、腰の鞘に納めた。

 そして支えを失い、前へ倒れる龍二の体を受け止め、肩に担いだ。

 これで敵の目的は完了。

 

(逃げろ、武戎……)


 口に出そうとするが、出てくるのは血と途切れ途切れの息だけだ。

 龍二の意識が朦朧となってくる。

 もう戦う意志はないというように、茫然自失と座り込む武戎の横を通り過ぎ、立ち去ろうと歩く首なし。

 

「……待てよ」


 首なしが背後を振り向くと、武戎が立ち上がっていた。

 しかし様子が先ほどまでと違う。

 憎しみに増大した妖気はさらに強く、身体もまだ肥大化する。

 髪や牙、爪も同様に伸び、さらに獣へと近しい姿へ変貌。

 眩しく輝く琥珀色の目からは、一筋の涙が流れていた。

 さらに巨大化した宿怨大太刀を肩に担ぎ、彼は叫ぶ。


「お前の相手は、俺だろうがぁぁぁぁぁっ!」


 その咆哮はビリビリと空気を揺らした。

 首なしは担いでいた龍二を壁際へ放り投げ、再び抜刀。

 瞬時に肉薄してきた武戎の刃と斬り結ぶ。

 

「くっそぉぉぉぉぉっ!」


 先ほどよりも重く強い連撃を繰り出すが、体は軽く、飛び跳ねては左右の壁で反転して四方八方から斬りかかる。

 首なしの動きもより速く洗練されていくが、武戎は互角に渡り合っていた。

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