プロローグ
この世界に召喚されたとき、俺は驚いたものだった。
神々のいたずらなのか、よくわからないが、魔物が湧いて出る世界で、俺はある能力を授かった。
召喚されるものは、その影響により何かしらの能力を与えられるという事らしい。
全員を調べて能力の発動を見たわけではないから、らしいと表現している。
しかし、俺が与えられた力は大きかった。いや、大きすぎた。
一度発動させてしまった能力が、世界を変革させてしまった。
いやまあ、その後もどうにかして、試行錯誤する中で、世界をさらにゆがめた可能性はゼロでもないが。
ただ、一度だけ大きくこの世界を変革させるほどの事をしてしまったわけだ。
そして、召喚者はこの世界の理から外れることがあるらしい。俺もその類だった。
そんなわけで、若い肉体のまま今に至るが……
この理から外れるという状況そのものも、俺の能力がそういう事にしたという事なのかもしれないが
かといって、その部分を検証する気にはなれない。
なぜなら、俺はこの能力があるから、あれを目標にしたのだから。
しかも、行動までしたわけだし……
そろそろ、撒いた種は収穫の時期になっているかもしれない。
俺の語りもそろそろ終わりにして、この世界の行く末について見てみようと思う。