閉じ込められた世界
この続編を書くかは人気かどうかで決めます
「世界は廃墟と化した、一部の富裕層の街以外。富裕層が住んでいる街は近代的できらびやかだが他の街は幽霊が出てきそうな廃墟と化した。富裕層の街は永遠に反映するだろう。なぜなら、子供が出てくる祠、葉園樹を持っているからだ。その名の通り、樹が葉をたくさん出すように子供がたくさん出るという。子と一緒にたくさんの食べ物も出てくるので、廃墟と化した街に住んでいる人たちも生きていけるのだとトップは言う。我々はその中身を知らないが富裕層の街のトップは知ってるらしい...っと、どう思う、海?」
そういうと、海と言われた子がおどおどしながら口を開いた。
「多分だけど、その葉なんとかが富裕層の街、『富裕街』をいつまでもきらびやかにして、僕らがいる『廃墟街』は一向に繁栄しないんだろうね。あ...あくまで、僕の推測だからね。気にしないでね、涼」
そういうと海はちらりと涼を見て、晩飯のビーフシチューをちびちび食べ始めた。涼と呼ばれた青年はビーフシチューを食べずニヤニヤと海を眺めた。
「何?気持ち悪いからやめて。」
そういうと涼は海の肩をガシリと掴みこういった。
「いやー、あの海がやっと俺に意見を言う日が来るとは思ってなくてね。やっぱ、俺のおかげだな。もしあそこで俺が拾ってなかったら、お前餓死してただろうな」
「うるせえよ...」
そう、約2年前。僕、こと海は13歳だった。生まれもわからず、昔の記憶もなく街をさまよっていた。ある日、僕はなぜか持っていた食料と水が尽き倒れてしまった。朦朧とする意識の中、黒いマントを羽織った青年が倒れていた僕に話しかけてきた。
「お...いお....えか....か? 」
彼がそう言った時にはもう僕の意識は遠のき始めていた。
誰だろう、誰かが僕に手をさしのべている。でも、もう遅い。僕はこれから死ぬんだから。ほら、体が軽くなった、しかも死者の魂みたいな光の玉が僕の周りに集まってきている。でもなあ、なんか違うなあ。やけにうるさいなあ。まるで虫みたい...いや、でもここは現実ではないはず。じゃあ、なんでだろう?川の音もするなあ。
しばらくすると、ぼくの体は冷たくなってきた。しかも、息ができない...ぼくは反射的に体を動かし、上へとあがった。
「はあはあ...なんで..僕は...川の中にいたんだ?」
「やあ、起きたかい。昔から間抜けだったやつ。」
その声は頭上から聞こえてきた。上を向くと、銀色の髪の子がニヤニヤしながら手を差し伸べてきた。僕はその手をかり、川から出ようとした。でも僕はその手を掴み、その子を汚い川の中へ落とした。
「何すんだ!てめえ。お前を助けてやったこの俺様に!」
僕はいち早く川からでて、もがくその子を見下ろした。
「助けてくれたのはありがとう。恩に着ます。でも、意識不明の人を起こすために汚い川に落とすのはどうだと思いますね。立派な殺人だと思いますよ。」
そう僕は捨て台詞を残し、荷物を手に取りスタスタとこの場から離れようとした。だが体が動かなかった。誰かが僕の肩を強くつかんでいた。息が荒い、多分あの子だろう。僕はため息をつき、そのサイコパス野郎を睨んだ。そいつの髪は綺麗な銀色からドブの臭いが漂う茶色に染まってた。目は充血しており、まるでキンマイ(下痢植物)を食べた時のようになっていた。(海は例えがあまりにも下手です、ご了承ください)
「おい、この野郎。川に落とすのは許す。別にどっか行くのも許す。だが、身寄りもないお前はどこに行くんだ?また、倒れるだけだろ。」
彼の目は真剣だった..充血しながらも。僕も先のことを考えいていなかった。いつも、先のことを考えずやってたから仲間などできたことがなかった。悔しいが、サイコパス野郎が言ってることは正論だ。
「...それで?」
僕がため息まじりに言うと彼はニヤリと笑い、話を続けた。
「だから、お前は俺と一緒にいるべきだ。もし、死にそうになったら助けてやる。その性格で仲間ができたことがないお前にはいいんじゃないか。」
「はあ?」
つい、心の声が出てしまった。
「人を殺そうとしてまだなお笑ってやがるサイコパス野郎と一緒になりたくありませんね。また怪我したら、今度こそ終わりです。あなたにやられてね。」
そう言い捨ててやると、そいつはニヤニヤしながら僕に話しかけた。
「俺がサイコパス野郎だと?そんな馬鹿な。お前が俺、涼さまの親切心を間違えて捉えたのはわかった。だが、お前がやすやす死のうとするのを黙って見過ごすことはできない。もし、俺といれば食べ物も必要なものも手に入るぞ。どうする?」
「.....」
ここで食べ物の場所と必要なものがあるところをわかれば、後は一人でもやっていける。知っておくのも得策か....
「いいよ、やすやす死にたくないし。」
そう言って、2年。いつでも逃げれたがなぜか留まっている。僕はいくらか変わった。態度は紳士的のまま、知識も考古学者なみにはなったと思う。
「おーい、大丈夫か。もう壊れたか?」
2年も経っているのにこの男の態度は一向に変わる気配はないが。僕は彼の言葉を無視し、話題を変えた。
「そういえば、なんで涼は食べ物をたくさん持っているんだろう。もう牧場みたいな施設ないのに。」
「そ...そりゃあ、教えねえよ。」
涼が久しぶりに慌てた。前に人が川で流れてるのを見たとき以来だ。
「そういえば、僕って不思議だよね。僕の名前はなんで海だろう、海なんてないよ。しかもどうして僕は海という言葉を知ってるんだろう。なあ?涼」
そういうと、涼はあっけにとられてしまった。僕も言い過ぎたと思った。でも、すぐに彼は元の笑顔に戻しおかしなことを言った。
「自分のおかしい所に気づいてきたか。そろそろ、説明できなくなってきたな。」
すると、涼の手足が細かなキューブになっていった。そのあと、徐々に塩みたいにパラパラとなくなり始めた。
「え?体がなくなってるぞ!涼」
すると、かれは当然のことがのように言った。
「お前は記憶をなくしてるから知らないんだな。消えるのは知ってた。自分で消えようと思ったから。」
「!?」
「なんでって思ったろ。もし俺のこと、いやお前の秘密を知りたいなら、葉園樹にいけ。それだけだ。」
かれはもう体がなく、あと顔のみになっていた。僕は必死に理由を聞こうとした。だけど、彼はニヤニヤと笑ったまま何も言わなかった。ただ、進めとだけ。そして、彼は夜空に消えていった。
僕はただ、彼がいなくなったことを実感できないままずっと茫然していた。10分もそうしてたかもしれない。気付いたらビーフシチューがとっくに冷めてしまった。僕はすぐに荷物をまとめにかかった。涼のズボンからは数字が書いてある紙を見つけた。そこには45と書かれてるだけで他に何もなかった。僕はその紙をポケットしまい、葉園樹がある富裕街に向かった。何があるかわからない。もしかしたら、何もないかも知らない。でも、涼が言っていた秘密を知りたいから、そこに何かの希望があるかもしれないと。富裕層は地区がちがく、近いところでも100kmはある。涼と集めたお金を使い果たし、空鉄道(空を飛ぶ鉄道)チケットを買った。その空鉄道はトップがいる富裕街の近く行きだと鉄道員が言っていた。僕はその鉄道に乗り、景色を眺めていた。地上から高さ1500mを走る空鉄道はたくさんの街を見渡せた。ほとんどの街から煙が出ており、廃墟になっていた。僕は一通り見渡すと自分の席に着き何もせずぼーっとした。
10分か20分たっただろうか。急に車内にいた人たちがざわつき始めた。僕はもう着いたのかと思い腰を起こした。その時、何かが飛んできて耳に激痛が走った。僕は慌てて耳を触った。どろっという感触が手から伝わってきた。血!血は昔から嫌いだった。目の前が真っ白になり、どこにいるのさえわからなくなる。僕はパニックになるのを抑え、ゆっくり息をし辺りを見渡した。周りには思ってもいないことが起きていた。人々は血を流し倒れ、ガスマスクをつけた人たちが何人もそこにいるのが見えた。僕はとっさにやばいと思い隠れようとしたが先に頭部に何かを押し付けられた感じがした。
「おっと、そこを一歩でも動くとこの拳銃が君の頭にどでかい穴作るよ。」
後ろは見えないが多分ガスマスクの男の仲間に違いない。かすかに血の匂いが彼からする。僕は冷静を保ち、彼に尋ねた。
「わかった、動かない。自分の命が惜しいからね、君たちの要件は何だ。」
「自分の命が惜しいなら、何も喋るな。死ぬぞ」
そう言い、彼はにらみをきかせてきた。(にらみをきかせたかはわからないんだよねー。あくまで彼の推測です)さて、この状況どうしよう。ガスマスクの男が見える範囲で5人、後ろに1人。おまけに全員、銃を持っている。うーん、1人なら何とかいけるんだけどなあ。さすがに5人って....そして、改めて、思い知らされる。絶望的な状況だと。僕は目だけ動かし、何かいい方法はないかと考えた。その時、後ろの違和感がなくなりドサッという音とともに後ろの人が倒れた。えっ?と思い、僕は後ろを見た。そこにいたのはガスマスクの男ではなく、刀を持った変な男であった。彼は僕には目もくれず、ガスマスクの男たちの方へとスタスタと歩いて行った。男たちが発砲しても、それを
ヒラリとかわし、1人1人、目に見えない速さで斬っていった。最後の1人になると、ガスマスクの男は慌てて窓を開けパラシュートで逃げて行った。
「ちっ、逃げられたか。まあいい。大丈夫か?海」
僕は目を見張った。
「な、な、なぜ僕の名前を知っているんだい」
そう言うと、彼は不敵に笑った。
「さあ、なぜだろうね?まあ、その辺は自分で考えるんだろうな。俺はもう行かないといけないから。あ、これ処分しとけ」
彼は僕に刀をわたし去って行った。しばらく呆然としていると、列車が止まり身なりがいいおじさんがドタバタと重いお腹を揺らしこちらにやってきた。
「君、その刀で私たちを救ってくれたんですか。ありがとうございます。あ、申し遅れましたが私、富裕街に住む貴族のものです。感謝の気持ちを示したいのでお茶でもしませんか」
彼は僕に矢継ぎ早に話し、返事をする間を与えず車に乗せられた。僕は貴族と名乗る男を乗っている間にじーっと見つめていた。この人は何をしたいのだろう。
僕は流れに身を任せ、彼が住んでいるという家についた。彼の家は広く、貴族と言うことは本当だったようだ。
「さあさあ、こちらに」
そう言われると庭に連れて行かれ僕らはそこで紅茶を飲み、世間話などをした。1時間ぐらい経っただろうか。彼が急におもむろな表情で話し始めた。
「いやー、実は明日、年に一度の葉園樹に入れる抽選があるんだよ。抽選券は貴族しかないみたいなんだよ。でも、私は行きたくないから、君に行って欲しいんだけどいいかな。僕は君がこの抽選券にふさわしいと思うんだよ。」
僕は唖然としてしまった。目的に近づけるチャンスがこんなところであるとは。しかも、そのチャンスを偶然あった貴族の男がくれると言っている。なんたる幸運!僕は彼の手を掴んだ。
「ありがとうございます、恩にきます。あなたと逢えて本当に良かったです。必ず恩返しをします。」
「礼には及ばんよ。君が私を助けてくれたからね。それが君の願いではあれば、私も嬉しいよ」
そのあと僕は彼から場所を聞き、そこをあとにした。寝床を確保し、早々と寝た。明日の運命の抽選会に向けて。
朝、僕はいつもより早く起きその会場となる広場に歩いて行った。場所は意外と近く、人々が抽選会の準備をしていた。僕は昨日もらった腕時計をちらりと見た。9時14分、抽選時刻の12時まで時間があるようだ。
「じゃあ、葉園樹に行ってみよう」
そういい、僕は葉園樹がある方向に歩いて行った。
暖かい日差しに瓦礫やゴミが一切ない道。こんなに綺麗なのは葉園樹のおかげだと思うと歩くスピードが早くなる。いつもより早く歩いたおかげか葉園樹の目の前にものの5分で着いてしまった。葉園樹は僕が思っていたのとは違った。てっきり、樹なのかと思っていたが形は目みたいな楕円形で真ん中に穴が空いているというなんとも言えないものだった。多分、穴から子供と食べ物が出てくるんだろう。僕は柵越しから何か出てこないかなと待っていた。しかし、うんともすんとも言わない楕円形を見ていてもつまらないと思い帰ろうとしたその時、薄汚い子が僕の前を風のように通り過ぎた。その後からいかにも裕福そうな人が怖い顔で走ってきた。僕は薄汚い子がいじめられていると思い、彼の前に立ちふさがった。彼は唖然とし、僕をみて言った。
「なんだ、君は!」
「あなたはあの子をいじめているかと思ったので立ちふさがっただけです。」
そう言うと彼は
「あの薄汚い小僧が持っていた物は見なかったのか!?あの小僧がわしの純金ネックレスを盗んだんだぞ!」
あ、やっちゃった…僕はなんてことをしたんだ。勝手な判断によってあの子に逃げられてしまった。払えないぞ…どうしよう…
「これでどうですか」
僕は抽選券を彼にわたした。すると、彼の顔がガラリと変わった。
「おー!!!それは貴族の中でも上位の人しかゲットできない葉園樹抽選券ではないじゃないか!…ゴホン…まあ、これで許してやってもいいかな」
そう言うと彼はそれを握りしめ、歩いて行った。(このやりとり、30秒である)
「あー、やっちまった」
僕は彼が行った後に後悔した。あの抽選券があれば、葉園樹に入れる確率があったのに…これでもう如何しようも無い。そう思っていると後ろからちょんちょんと背中をつかれた。後ろを向いてみるとあの薄汚い子が立っていた。
「この、やろ」
全部を言う前に口を塞がれてしまった。ふがふがしているとその子が
「やっぱり助けてくれると思ってたよ。だって、優しそうな人だったからね」
僕は久しぶりに頭にきて殴りかかろうとしたが華奢な手で止められてしまった。驚いている僕に
「まあまあ、話は全部聞くもんだよ。そのお礼と言ってはなんだけど、葉園樹の中に入れる隠し通路を教えてあげるよ。」
「へっ?」
「僕はね、この辺にずーっと住んでいたからわかるんだよね。ついてきなよ」
そう言うとその子は僕の口から手を離し、走って行った。最初はポカーンとしていたがあの子を捕まえないと気が済まない!っと思った僕は猛ダッシュでその子を追いかけて行った。
その子は入り組んだ迷路のような道を華奢な体でスイスイ進んで行った。僕はゼエゼエと息を吐きながら、必死にその子を追いかけた。負けるもんか!そう思うとなぜか体が軽くなって地の利があるその子についていけた。ふふ、僕にもこんな力があるんだなって調子こいたその時、その子が急に止まった。
「アワワワ」
なんか僕の口から漫画ような声が出て壁に思いっきりぶつかってしまった。僕は打った頭をなでなでしているとその子が手を差し伸べてくれて言った。
「さあ、ここが葉園樹への隠し通路だよ。」
そこはなにもない空き地があった。
「だ、騙したのか!」
僕はその子の肩をガシリと掴み、揺さぶった。その子は揺さぶる僕の手を止めて、はあっとため息をついた。
「なんだよ、ため息なんかついて。」
「いやー、昔と変わらず話を最後まで聞かないなあっと思って。ここの真ん中に行ってみなよ。それでわかるよ」
僕は戸惑いながらもその子から離れ、空き地の真ん中に立った。すると、僕の周りから小さいキューブみたいなのが出てきて取り囲んだ。
「な、なんだ。なんだこれは。説明しろ!」
すると、その子はくすくす笑った。
「それが葉園樹へいく通路、通称45だよ。偶然見つけて入ってみたら、そうだった。僕も葉園樹からきた子供だからね。そこが葉園樹ってことが分かったよ。てことで、行ってらっしゃい。また、会おうね…か…」
そこまでは聞こえた記憶がある。そして、僕は意識が途切れた。
起きた時はどこにいるのかわからなかった。自分が生きているかもわからない。けど、意識はある。それだけはわかった。僕は今、白い世界にいる。多分、この中が葉園樹の中だろう。果てしなく白い世界が続いている。でも、僕の前に一つだけ変なものがある。机の上に薄くてボタンがたくさんついている板がある。その隣には黒くて薄い板があった。恐る恐る、触ってみると黒い板が白くひかり、色々な色が浮かび上がってきた。僕は驚いて、後ろに下がった。すると何かに当たった。なんだろうと思い、そちらを振り向くと懐かしい銀髪の青年が立っていた。
「よう、海!俺のことを覚えているか?」
僕は泣きそうになるのをこらえその人の名前を叫んだ。
「わ…忘れるわけがないじゃん。涼!」
涼はいつものようにニヤニヤと笑っていた。そして、驚いている僕に向かって話し始めた。
「今、お前の目の前にあるのはコンピューターというものだ。色々な情報が入っていてこれがあれば、なんでもできる代物だ。」
「え、そんな凄いものがあるんだ。」
僕は驚いた。その表情を見た涼は真剣な表情になり、
「やっぱり覚えてないのか」っとボソッと呟いた。
「ん?どういうこと?」
すると、涼はこちらを見つめ話し始めた。
「今から話すことをよく聞け。これがお前、いや俺たちの世界の事実だ。」
真剣な目の涼は怖かった。僕は
「うん」
と言い、涼は話し始めた。
「この世界は俺たちが作ったんだよ。そして、俺たちはこの世界に入った。現実から逃げるために…」
「俺らはもともとはこんな世界じゃなくて、もっと活気があふれていい世界に住んでいた。でも、医療が発達したことにより人口が増加し食べ物がなくなってしまった。だから、俺たちはヴァーチャルリアリティーという仮想空間にはいれる装置を作った。そこは現実では楽しめられないことができる、いわば大人の夢の国だった。みんなはその世界に入り、現実に戻ってこようとしなかった。そりゃあ、こっちの方が人間らしいことができるし、食料関係なく生きていける。そうして、増えていって最後には俺とお前だけになった。俺たちも食料がなくなってきて、最後には入る決意をした。そして、俺たちはみんなが入ってない世界オメガ、今のこの世界にきたんだ。その時にお前は記憶を消し、この世界に入った。俺はお前を探し、ここに来るように色々な人になり、そして今がそれだ」
「ん?てことはあの刀を持った男もあの薄汚い子も涼だったの?」
「そうだ。しかも、最初に消えたのはわざとだ。お前がそろそろ真実に近づいてきたから、今なら説得できると思って。」
「じゃあ、涼は僕に何回もあっているんだ」
「強いて言えばお前の前世にな。最初は説得しようとしたが聞いてくれもせず、何回もやり直したさ。で、魂は同じだが今のお前は俺にとって108回目の海だ。」
「ふーん、じゃあこれからどうするの?今、涼がやってきたことはわかった。ここまできた。やられた感は否めないけどどうすればいいんだ?」
「だから、話を最後まで聞けって。今から、俺は元の世界に戻る。元の世界を人間が住める所にするのさ。それで、お前を元の世界のリーダーにしてみんなを起こす。」
「なんで?みんなこの世界で幸せなんだよ?なんで、何もない元の世界に起こさないといけないの?」
「だから、お前が選択すればいい。嫌なら、この何も変わらない世界にいればいい。元の世界は自分たちが変われば現実も変われるんだぞ。」
「確かにそうだ。じゃあ、涼がリーダーやればよかったじゃん。なんで僕なの?」
「お前が一番元の世界でいいやつだからだよ。いいやつだからこそ世界を変えれるんじゃないかと思ってな。まあ、この誘いも断れないんだろうなと思ってな」
「くっ」
「しかも、記憶が戻るからな。知りたがりのお前なら来ると思ってな」
「……。わかった。行くよ。ただ、僕に従うことね」
そういうと
「そうこなくっちゃ!」
と涼がいい、
「じゃあ、出るぞ。今から、この言葉をいえ」
と紙を渡してきた。
「イッセーのでいうぞ。」
「うん、でも本当にこんなこと言うの?」
「構うな、昔のお前が決めたんだ。行くぞ、イッセーので」
「箱庭から出る」
そして、元の世界を直す僕らの冒険が始まった。
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