私たちの約束。
あーあ。コンクール終わっちゃった。
あれから2ヶ月、親子の絆は深まり、志穂とも協力しあった。
そして、私はコンクールメンバーに選ばれ、昨日まで一生懸命頑張ってきた。
結果は、銀賞。
でも、私たちみんな、全力で頑張ったよ。
1ヶ月後の文化祭で、千郷先輩たちは引退。
やだな。私の、憧れの先輩。
でも、次は私が千郷先輩になるんだ。
第2の、千郷先輩に……、いや、千郷先輩以上になってみせる。
「紀穂ー!」
「あ、志穂」
「やっぱりここだった! 屋上好きだねー。暑くない?」
「んー? そんなに」
「えーマジかー!」
と、志穂は手を膝に置いた。
そんなに、私のことを探してたんだ。
最近、志穂は可愛くなった。気がするのは私だけか。姉として、妹をかわいいと思っているのか!
シスコンとかではないよね!?
「んで、何の用?」
「あ、そうそう! 志穂ね、コンクール終わったら紀穂に言いたかったことがあったの!」
「なに?」
「紀穂、前に音楽の先生になりたいって言ってたでしょ!?」
「え? いつの話?」
そんなのいつ言ったっけ?
「ほら! 小3の頃!」
あー、覚えてねーわ。
よくそんなの覚えていられるね。
「で?」
「志穂、デザイナーになりたいの!」
「んん?」
それって、私の夢?と関係あるの?
「もー、だからー、紀穂がもし教師になって、吹奏楽部の顧問になったら、志穂がTシャツのデザインをする!」
「ぷっ……。なにそれ」
「えー! いいでしょー? ねぇー!」
「もー。わかったよ。私も音楽の先生目指すから、Tシャツのデザインよろしくね」
「うん!」
初めてできた、私たちの約束。
これを果たすために、私は、フルートを吹く。
大人になっても、ずっと───




