第5話 任務
任務
異能者養成学校
ここの施設の名前だ。ここには名前の通り、異なった能力者、または異なった者を集め、
ここでその能力を悪用しない為に作られたところである。
そこには教師(教師も異なった能力を持つ)が居て、一般教養、つまりは数学とか国語、社会などを
勉強する。その他に植物学、機械学、心霊学、などを選択で選び、勉強することができる。
普通の学校との違いは幼稚部から高等部、専攻科まである。あとは生徒全員が普通の人間ではないことだ。
かくいうネオことこの俺もそうなんだがな。なんたって俺はファ・・・
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるベルがなった。それと同時に
ピンポンパンポーン
【2年2組のネオ君、至急、メドゥーサ先生の部屋にお越しください。これなかったら・・・フフフ、分かってるわね?】
などという脅迫じみたアナウンスに逆らえるはずもなく駆け足で建物の正面玄関まで行き、玄関口から見て
まっすぐの通路へと駆けて行った。
メドゥーサ先生の部屋を見つけると2回ノックを鳴らした。
「ネオでーす。」
「入ってらっしゃいな。」
言われるまま目の前のドアを開けた。
「で、何でお前等2人がココにいるんだ?」
「よく聞いてくれた!コイツのとばっちりでよぉ、俺まで呼び出しくらったんだぜ!迷惑ったらありゃしねぇ!」
「全部、お前のせいだが・・・。」
コテツとグランがメドゥーサ先生の部屋で正座させられていたのである。
そしてまた2人の間で火花が散っている。
「コラコラ、私の前で喧嘩しようっての?いい度胸じゃない?2人ともいっぺん死んでみる?」
メドゥーサ先生がこちらを睨んでくる。
その眼力に2人とも大人しくなった。
「ふぅ。ま、いいわ。とにかくコテツくんとグランくんは校門で喧嘩してあまつさえ校舎の壁を壊してくれちゃって。」
ネオは学校に行く時に校舎の壁が壊れていたことを思い出した。アレはこいつらの仕業だったのか。
「で、ネオくんは度重なる遅刻。それで3人の処罰なんですが・・・。」
メドゥーサ先生の話を聞き終えた俺たち3人は食堂へと向かっていった。
正面玄関に戻り、玄関口から見て左に向かった。
「で、なぜはぐれたのだ?」
相変わらず冷静な物腰でコテツが話しかけた。
「あぁ、グランが後ろに着いて来てるかと思って振り返らなかったんだよ。俺はレイラがまだ目が覚めないからな。おんぶして自分の荷物とレイラの荷物を持つのに精一杯だったからグランのほうまで気にとめなかったんだよ。」
「あちゃー、そうだったのかよ。オレはよ、立ちションしてたんだよ。声かけなくてもわかるかなって思ったんだ。ダハハハハ」
「ふぅ、そうだったのか。」
喋っている間に食堂に着き、それぞれ食事を注文し、同じテーブルに着く。
「でさ、メドゥーサ先生の任務なんだがな。」
「あぁ、かったりーな。この学校の結界について調査するんだったな。」
「それで校長の息子もこの任務に就くそうだな。」
この学校は他の人間から見られないように結界が張ってある。
その結界が最近、おかしいということで学校の地下にある機械を調べてきて欲しいとのこと。
そして、ここの学校の校長の一人息子も同行させるということだ。
「で、その息子さんとやらの顔は知ってるか?」
コテツもグランも知らないと言った。メドゥーサ先生の言葉では「校長先生の息子さんの指示に従って行動せよ」
ということなのだが、3人とも知らないとなると・・・どうしたもんかな。
とりあえず腹が減っては何とやらだ。
俺たち3人は会話も無く黙々と昼飯を食っていく。