第4話 到着
第4話 到着
「ぬっ、抜けたぁぁぁ」
ネオは疲れた顔をして高らかに叫んだ。
「はぁぁぁぁ、ホント抜け出せてよかったわ・・・・」
レイラの髪は少々乱れてて、髪の毛の至る所には葉っぱが付いている。
その葉っぱを取りながら乱れている髪の毛を手くしで直していく。
「っと、まだ安心できない。もうすぐ始まるぞ!ダッシュで行かないと間に合わん!」
レイラは頷き、ネオの前を走る。こうでもしないとネオが前になったらまた迷いかねない。
森を抜けたら後は目的地までは一本道。そして走ること数分・・・
目の前には大きな門が聳え立っていた。
その門を開け、向こうにある建物へと走りだした。
「あと1分!こりゃ遅刻か・・・?」
「絶対遅刻は嫌よ!」
「まぁ、あのセンセー、怖いもんな。特に目が。」
笑いながら目を大きく見開く。
「ネオちゃん、真似てるつもりかもしんないけど全然似てないよ。」
クスッと笑いながら会話しているともう建物内に入る。
そしてそのまま建物の正面の扉を開くと、目の前に右、左、正面の通路がある。
そのまま慣れた足取りで左の通路へと駆け抜けると左側には壁、右側にはいくつかの部屋が並んでいる。
そこの右側の最初の部屋から2番目の部屋に入っていく。
そして扉をガラッと開けた。
「遅刻してすみません!」
「遅れてごめんなさい!」
ネオとレイラの声が重なった。
扉の先には女教師がものすごい目をして、こちらを睨んでいる。
そして座ってる生徒もこちらを見る。
「いい加減、私も毎回毎回、遅刻しているあなた達を許すわけにもいかなくてよ?」
「先生、実は私、お母さんが病にかかってしまって、もうわずかの命ってお医者様に言われて・・・。
それで私、途方にくれちゃって・・・。」
レイラはその場で泣き崩れてしまった。
「ごめんなさい。先生、ちょっと厳しすぎたかしら・・・。」
先生も涙ぐみながらレイラの肩を優しく叩いた。
「レイラさんはしょうがないわね。いいわ、席につきなさい。」
俺は心の中で何に突っ込んだらいいのか・・・と迷っていた。
「ネオくん!」
厳しい口調で俺の名前を呼びかけられて俺は背筋をまっすぐ伸ばして呼びかけられた声の主に振り向く。
「はいっ!何でしょうか!? メドゥーサ先生!」
女教師、メドゥーサ先生は目をこれでもかって鋭くさせる。
その目に睨まれたら石化してしまいそうだ。
視線を逸らし、メドゥーサ先生の後ろに居るレイラに視線を向ける。
レイラは舌をペロッと出し、自分だけ難を逃れたと言わんばかりの顔をした。
この小悪魔が・・・
まったくこの世は理不尽だと俺は心の中で思った。
「聞いてるの!? ネオくん!」
「はいっ! 何でありますか!?」と敬礼のポーズをした。
「聞いてなかったわね。もういっそ石にさせちゃおうかしらね?
問題児が1人居なくなっても別にかまわないよね?ふふふふふふふ・・・・」
その言葉に俺は青ざめた。
なぜ俺ばっかり責められるんだ。レイラの嘘だって普通分かるもんだろ?
思考回路がちょっとずれてるんじゃないか?この教師。
「じゃ覚悟はいいかしらね?ネオくん?最後に言い残す言葉は?」
え?ナニコノ人?目がいっちゃってますよ。あ。ヤバイ、これは死ぬ。
「ご、ごめんなさい、山より高く海より深く反省しますので、どうか許して下さい!」
俺は土下座して目を床に伏せ、目を合わせないようにした。
「何でもしますのでどうかどうか、許して〜!」
先生は俺の頭を踏んづけながらその足をグリグリという音が聞こえるくらい足を踏みまわす。
ここは我慢だ、俺!何とか耐えろ!
「では、後で私の部屋に来て頂戴。そこであなたにやらせたい任務があるので。」
言い終えると先生は俺の頭から足を離した。
そしてそのまま授業の時間になった。俺は起き上がり踏まれた頭の部分を撫でながら席についた。