第2話 2人(2)
第2話 2人(2)
大きな門の前に少年2人が立っていた。
1人は門の端の壁に寄りかかって立っていた。かなり長身で、髪が腰と首の間まで伸びている。黒々とした髪。
そして黒い眼、右目には眼帯がある。その風貌からはもう1人より大人びて見える。服は東の国の服・・・着物を着崩している。
そしてその隣には沢山の日本刀がある。少なく見ても15本はある。
もう1人は金髪で髪をツンツンと尖らせている。そしてこちらは左目に布で隠している。
服装はダボダボのズボンにダボダボのシャツ。
周りから見たら服装はまったく違う。しかしお互いとも片目を隠しているという共通点に疑問を覚えるだろう。
「だからよぉ!オレが目を離してるスキにネオどっかいっちまったっつってんだろが!」
金髪の男は口が悪い。そしてやかましい。それにひきかえ・・・
「それはグランが悪い・・・。」
ボソリとしゃべる黒髪の男はおとなしい声でそう言った。
「あんだとぉ!?お前は悪くねぇっつぅのか?おぉ?」
グランという男は冷静な男が気に食わないらしく口調もだんだんと荒くなっていく。
「自分はネオとは一緒に行動してない。一緒に行動していたのはそっちだろう。」
至極もっともな正論に普通ならば返す言葉もないはずだ。というよりもはや無関係だろう。
「あーあー、俺が悪うこざんしたよ・・・
って言うと思ってんのか!コテツよぉ!テメェのその冷静っぷりが気に食わねぇ!!」
もうこうなれば逆ギレが可愛く見える。国宝級だ。
コテツと呼ばれた男は深々とため息をついた。
「この阿保は・・・。」
「うらぁ!」
グランが拳をコテツに向かって拳をふる。
コテツはそれをなんなくかわす。
ドカァァァン。
拳は壁にぶつかり壁がぶっ壊れる。
「避けてんじゃねぇよ!大人しく殴られろ!」
「それは出来ない注文だな・・・。」
コテツはグランの拳を避けてるときに一本だけ日本刀を手に取りそれを抜いた。
「ハン!こうしてやりあうのも久々だな。オラ来い!」
そのままわけのわからない戦闘はこうして始まった。