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第1話 2人(1)

第一部

2人(1)


鬱蒼と茂る森の中 空はまもなく夜にさしかかる赤い空


木々はどこまでも広がり、その奥はとても暗い

(からす)がカァカァと無き、静かな森に響いた。そろそろ夜を迎えるであろう時刻だ。

もしも、ここで夜を迎えたなら闇に包まれ、辺りはまったく見えなくなり、帰らぬ人となること請け合いである。

その森の名も帰らずの森。その森に名前をつけた人のセンスを疑ってしまう。

しかし今、そのとおりになりかねない状況に1人の少年と少女が歩いていた。


「あちゃ、迷ったな・・・。ま、しゃーない」

独り言を呟いた少年はボリボリと頭に手をかいた。少年の髪は銀髪でその眼は青い瞳を帯びていた

。顔立ちは悪くはなかった。というより定義上ならば美形にあてはまる。

町を歩いていたらそこらへんの女性は少年の方を振り向くだろう。


「ネオちゃんが迷うのはいつものことでしょ。まったく・・・道を任せてちゃいつもこうなっちゃうんだから。」


呆れとも諦めとも見える表情で少年に話しかけた。その少女は少年と違う雰囲気が佇んでいた。

髪は艶やかな黒で腰あたりまでその延びている。めんどくさそうに髪を掻き揚げ、その中の瞳は紅く妖しげに光っている。


「レイラだって、朝は眠い眠いって言って、ちっとも道、考えてなかったじゃん。」

この2人は幼馴染でレイラは朝が弱くしかたないからネオがレイラの手を引いて目的地まで連れて行ったという。

「いやー、私が朝、弱いのは知ってるんだからネオちゃんがしっかりしてないといけないでしょ!」

「全責任はオレにあるって言い方すんな!つーか、そろそろヤバいかもしれんなぁ・・・。」

「責任とってよね。」

「・・・人が聞いたら誤解を招くその言い方はやめてくれ。」

「ふふふっ。私のファンが聞いたら敵に回っちゃうね。」


レイラは可愛い。だからファンクラブってのが存在するらしい。

それを利用しているのだから厄介この上ない。

「じゃ言うなよ。」

俺はため息1つついて、またこの森を抜け出すのに全神経を向ける。


今の時刻はそろそろ夜に差し掛かっているということは6時あたりか。

どうやら7時にその目的地までに着かないと色々とヤバい。

2人は駆け足で森の中を走った。

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